捧げられる前に ID:1304858318

著者:モブ

太陽が爛々と熱帯林を切り開いた広場に降り注ぐ。
鈴の音が厳かな雰囲気を漂わせるなか、思春期を迎えたばかりの歳の少年が巫女に先導されながら、石畳の階段を上っていく。
少年はなるべく瞬きをしないように注意する。堂々と手を振り足を振り、一歩一歩暑い階段を素足のまま歩いていった。
いやに露出の多い民族衣装は、少年のように選ばれた者だけが纏えるものだ。隠れているのはかろうじて陰部だけだろうか。

まだあどけなさが顔立ちに残る少年は、神に捧げる生贄として先月選ばれたばかりだった。
毎月、占いによって村の若い男が選び出されると、この集落では太陽を司る彼らの母神に心臓を捧げる儀式が行われてきた。
少年はその中でもかなり若くして選ばれたので、そのことを誇りに思っていた。

巫女の一団に手をひかれ、少年は石の神殿の頂上に着いた。
生贄の祭壇が中央に設けられている。多くの先代が流した血糊によって汚く見える。
思わず身震いしてしまう少年の身体から、巫女たちが次々手を伸ばし衣服を剥ぎ取っていく。
大人の雄へと変貌を見せ始めた少年の身体が日中に露わとなった。
その股間で揺れるペニスはすでに大きく成長し、恥毛は儀式のまえに全て剃られていたためまったく生えていない。
次に、少年の顔へ木製の仮面が被せられた。沈黙の仮面と称される代物だが、それはぴったり生贄の顔に張り付き、断末魔を外に漏らさない為のものであった。

視界が暗闇に閉ざされた少年は、巫女たちによって乱暴に祭壇へと叩きつけられた。
変わって屈強な集落の男たちが仰向けの少年の手足を押さえつけ、股と脇を開かせる。
少年は胴体だけに暑い日差しを感じて、自分の今させられている格好に恥ずかしさを覚えた。
股間に涼しい風が吹いているのに羞恥心が身体を熱くする。

巫女の一人が少年の陰茎を掴んだ。いよいよかと、少年は唾を飲む。
生贄はまず、巫女の手によって男根を刈り取られ、無垢なる身体にされなければならない。男のままで神の元に向かっては、女性である彼らの神を穢してしまうからだ
仮面のつくる暗闇の中で少年の心臓は鼓動を早める。すると巫女の手のなかで少年は勃起した。
誰一人何も言わない。少年は己を深く恥じた。一週間にわたる禊の期間、一度も自慰をさせてもらえなかった少年の分身が女の子の手の中にいて我慢できるはずもない。
以前、儀式が行われて生贄に捧げられた男の様子を、少年は思い出そうとしていた。
男は強靭な肉体をもった狩人だったが、彼もまたこうして祭壇に全てをさらけ出すようにして縛られたとき、ペニスを硬く尖らせていた。
太鼓をたたくバチのような極太の一物を巫女が握りしめ、その付け根に石のナイフを滑らせた瞬間も、その時男の腹筋や胸が地震のようにばくばくと隆起したことも覚えていた。
自分はいまどんな格好なのだろう、あの男のように逞しく、雄々しい姿で男としての最期を迎えられるだろうか。
そう考えた時、腹を打ち付ける肉茎が持ち上げられ、同時に冷たい石の刃がペニスの右に添えられたのを少年は感じた。少年はじっと歯を食いしばった。

――――――――!!!!!

石ナイフの滑る感触が少年の股間を襲った。
巫女の手に握られたペニスが上に引き上げられ、捌かれる。
右太ももにかかる生温かい血の感覚、そして次第にしびれを伴うそそりたった亀頭の感覚。不思議と少年の意識は痛みを捉えなかった。
しかし少年は声の限りに絶叫していた。沈黙の仮面はその叫びを小鳥のさえずりほども外へ漏らさなかったが、少年の身体はぎりぎりと硬直し、一気に大人の男へなったかと見間違うほどの太い筋肉の筋を走らせる。
男でなくなってしまうという本能的な恐怖、悲しみが精神を蝕んでいく。それでも少年は同時にとてつもない射精感がこみ上げてくるのを必死で堪えた。

ぶちぃっ!!

悲劇の音と、圧倒的な喪失感で、少年は自分が男でなくなったことを感じ取っていた。
硬い肉質を誇った少年のペニスは、巫女によって強引にむしり取られ、精気を失い徐々にうなだれていった。それでもなお巫女の手には余る大きさで、周囲の大人たちも驚きを隠せないようだ。
少年は下半身の感覚が既にほとんど無いことに気がついた。
去勢を施されたことについて、少年はなんら負の感情を抱いてはいなかった。心は幸福で満たされ、それはどんな自慰行為でも浸れない至福の時であった。
そして少年はへその上から首元に懸けて、一直線に身を切り開かれた。その胸にせわしく動き続ける心臓を巫女が取り出し、儀式は終了した。

沈黙の仮面をつけたまま、少年は川へと静かに流された。じきに、黄泉の神の化身であるワニがそれを見つけ、少年は安らかに地へと還っていくことだろう。
少年の切り取られた男根は占い師が引き取ることになっている。長年生贄を選んできた占い師の老婆は、そのペニスをいぶかしげに見つめた。
「子供のものにしてはずいぶん立派じゃないか、生贄にする男を間違えたんじゃなかろうね?」
「いいえばば様。お教えいただいたとおりのわらべ子のものでございます。」
ならばよい、さがれと巫女に退去を促した後、占い師は二つの若い睾丸を薬にするためくり抜き、残った陰茎を火にくべる。次の生贄を選ぶため神託の祈りが始まった。

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