「もうすぐだね私達の結婚式。」
恋人のマリが嬉しそうに言う。周りの友人も会う度に祝福の言葉をくれる。

西暦2090年。昔と違い、男性にとっては手放しで喜んでいられないある一大行事があるのだ。
性犯罪者の増加に伴い、国が定めた法案が【入籍·結婚の日に男性は性器を切り落とさなければならない】と言う内容だ。
そしてそれはいつしか結婚式の終盤に取り込まれる事が通例となっていた。
その為、男性は15歳から定期的に精子バンクに貯蓄する義務となる。結婚してから子供が欲しくなったらいつでも使える様に。

僕は高雄27歳。彼女のマリとは10年の付き合いで、お互いの両親も認めている。マリは来年30歳と言う事でそれまでに結婚をと焦ってるみたいだ。

「ねぇ、最後両親の挨拶の時に私が高雄のオチンチン切り落とすんだけど、やはり高雄も泣いちゃうの？」

これまでに式場で切り落とされた男性器は痛みに耐えられず泣く者、産まれてから今まで一緒だった分身との別れで泣く者いろいろだった。僕もマリと結婚するのは嬉しい反面、オチンチンの思い出を考えるとどうなるのかと思ってしまう。

なので彼女に隠れて風俗通いする男性が後を絶たない。
「高雄、お前も結婚したら二度とこの店で気持ちいい事出来ないんだから今のうちに遊んでおけよ。」
会社の先輩の誘いで僕も何回か遊びに行った。

「お兄さんもうすぐ結婚するんだぁ、と言う事はオチンチンとさよならしちゃうんだね。何だか寂しいなぁ。私には付いていないから分からないけど、切った後は私達と同じオマンコになるんでしょ？」と風俗店の香織がオチンチンに愛おしそうに語りかける。
更に「私、バツイチで１回結婚してて元旦那のコレ切ったんだけど、切った後はマイクロチップを埋められて持ち主が触ると高圧電流が流れて触れない様になってるそうよ。だから今でも私が持ってるんだけど。」
と僕のより立派なオチンチンを見せてくれた。

「オチンチンって男性に付いてる時は格好いいし、コレで突かれたいなぁと感じちゃうけど、切った後のコレって可愛くて自分のペットみたいに思っちゃう。」

その後も僕は結婚するまで香織の店に通った。

結婚式当日。
次々と行事が進みいよいよ終盤へ。
進行役の女性が「お待たせ致しました。これより新婦マリ様より新郎高雄様による男性器カットを行います。ご来場の皆様、記念撮影なさる方はよく見える場所まで寄って頂き撮影願います。では高雄様、ズボンとパンツをお脱ぎなさってオチンチンをお出し下さいませ。」

会場の目線が僕の股間に集中する。
恥ずかしいけどチャックを開け、ズボンとパンツをゆっくり脱いでオチンチンを披露した。

女性の歓喜の悲鳴、両親の満足な表情やフラッシュがいろんな所で光るなど数秒間であった。

司会女性が顔を赤らめながら「高雄様のオチンチンです。高雄様が産まれて27年間共に一緒に携わってきた大事なオチンチンです。本日その大事なオチンチンに別れをしてマリ様にお渡し、高雄様は代わりにマリ様を一生手に入れるのです。さぁマリ様、このナイフで高雄様のオチンチンを根元からお切り下さい。」

「高雄、オチンチン無くなった後でオマンコになっても愛してるからね。」と切れ味の良いナイフでアッと言う間にマリは僕のオチンチンを切った。

「切り落とされたオチンチンがマリ様の手に渡りました。これから高雄様が付けていたオチンチンはマリ様の所有となります。高雄様には私共が持っておりますオマンコが後ほど形成されます。」
マリのお色直しと同時に僕の女性器形成も別部屋で済ました後、再度入場。
そこでは僕とマリが全裸で皆さんの前で挨拶。
お互いオマンコを披露し、性犯罪やレイプなどは絶対しませんと言う誓約書みたいな形で締め括られた。

挙式が終わって１ヶ月。やはりオチンチンが無くなるといろいろ不便な事も多い。町を歩いてても「あの男の子はチンチンあるんだなぁ」とか風俗店の前で入っていく男性客を見ては「僕にはもうオチンチン無いから入れないんだなぁ」など考えてしまう。
マリとは以前とは違い友達感覚での付き合いみたいな生活となっている。やはりオチンチンを取った影響なんだろう。

「高雄のオマンコ可愛い！」いつもマリは僕のオマンコを触ってくる。オチンチンがあった時はマリもオチンチンには弱く、入れられると可愛い声を出してたのに、最大の武器がマリの手に渡ってしまった今では為す術もない状態だ。
時にはくぱぁとワレメも広げられ、女の子みたいに屈辱な目に遭わされる事もあり、「だって高雄も女の子でしょ？」とイヤらしい目で囁かれる。

因みに風俗店の香織とは１回だけ会った。
最後に現状報告だけしておきたかったから。
「あの立派なオチンチンも私と同じオマンコになったんだね。オマンコもいいもんよ。本当は私が高雄さんのオチンチン切ってみたかったな。また顔出してね。」と香織が言ってくれたがそれ以来行ってない。

数年後２人の子供を授かり、今では良きパパ(ママ？)となっている。子供のチンチン見ると「後何年オチンチン付いて入られるのかな」と思ったりする。