いじめっ子が失ったモノ
令和の現代からずっと未来のある日のこと。
自然学習の帰り道、僕たちは森の中に迷い込んでいた。
しかもグループ活動の仲間外れにされた後に。
この学校に転入して初めての行事だというのに最悪だ。
「時間がかかるなら、トイレ休憩を取りましょうよ。」
クラスのリーダーを気取っているポニーテールの子が言う。
たしか「メグ」と呼ばれていた。
あまりかかわりたくないタイプだ。
僕への嫌がらせもたぶんこいつが主導している。
先生が調べごとを中断して、ここの所有者に確認の電話をしてくれた。
トイレはないが、私有地なので適当なところにオシッコをしていいそうだ。
ついでにその人が迎えに来てくれることになったという。
珍しくメグのファインプレーだ。
「じゃあいったん解散するけど、単独行動はしないこと。それとしゃがんでする子は拭いた紙を持って帰ってきてね。」
数人を除いて、その場で立ちションを始める。
先生はああ言ったが、僕たちの世代はこんなものである。
チンチンじゃないところから出る子はとても少ない。
この件は偉い人も問題視しているようだ。
転校前のクラスでは対策に向けた社会実験が行われていた。
そしてこの地区でも近いうちに何か始まるという噂がある。
◆
「ねえ、あんたはしないの?」
メグが絡んでくる。
「も、もう済んだし。」
もちろん嘘だ。
目の前に大きな水たまりがあるが、僕が出したものではない。
本当にしていたら、こんなものではないだろう。
だが小便器でしたふりだけとかはよくやるので、こんなのは慣れっこだ。
「ふうん⋯」
メグはそんなことを言いながら、地面を覗きこむ。
「あれ、ここってミミズがいるじゃん。あんたのおチンチンは大丈夫だった?」
何かを思いついた感じのいたずらっぽい視線をこちらに向ける。
「アタシが確認してあげるわよ。」
ズボンを引っ張ろうとするので、必死に抵抗する。
しかし姿に似合わず力が強い。
あっという間に下半身が丸出しになってしまった。
「へえ、生えてないんだ⋯」
中学生にもなってツルツルのそこをなでながらからかってくる。
こいつに弱みを握られてしまった。
「でも、これなら腫れる心配はないかもね。
」
そう、例の是正のために僕のそこは女物の割れ目のようにされてしまった。
中に突起物はあるが、そこはもうトイレとは関係ない。
「おい、やめろよ!痛いっ!」
メグの手がその突起物をもてあそぶ。
自分のモノとは構造が違うと思うが、だんだん扱いに慣れてくる。
「へえ、これも大きくなるんだ。」
「や、やめて⋯」
聞き入れてくれるはずもなく、さらに何かされるうちにだんだん⋯
「きゃっ!」
身体がビクンとなって我慢していたオシッコを漏らしてしまった。
「先生こっちです!」
「まあ、あなたたち。何をしていたの!?」
◆
そして数日後の道徳の時間。
今日のテーマは「いじめ」。
被害者の立場で考えようというものだった。
教卓の横にメグを立たせて、先日の件を例に先生のお話がある。
自分では優等生だと思っている節があるが、学校側の認識ではただのいじめっ子だったようだ。
僕の説明以上に手厳しい内容だった。
「何か言い分はある?」
「いや、あいつも気持ちよさそうだったし⋯」
「まだそんなことを言うの!それなら、あなたもスカートの中を見せなさい!」
「うっ!それは⋯」
顔を赤くしてモジモジしていると、先生がキッ!と睨む。
とうとうスカートをまくって、パンティーをクラスメイトたちに披露する。
「も、もういいですか?」
消え入るような声をかき消すように、先生の説教が続く。
「あなたがやったことはこんなものじゃないでしょ!おチンチンも出しなさい!」
もう逆らえないと思って、下着に手をかける。
前開きのないタイプなので、上からめくるようにする。
人のモノを笑っただけあって、びっしりと陰毛が生えていた。
そしてその茂みをかき分けるようにして、指示されたものを摘む。
噂には聞いていたが、やはり男の娘だったのだ。
今どき別に珍しくないけどね。
みんなの前に突き出すようにするが、今まで見た中で一番粗末だ。
僕についていたモノのほうがよほど立派だった。
「掃除用具入れの近くの人、悪いけどバケツを持ってきて。」
ここまで来たら、放尿もさせるようである。
本人も覚悟を決めたようで、指で向きを調節するが⋯
「そんなわけないでしょ!」
先生が見覚えのあるはさみを取り出す。
「ま、まさか⋯」
メグの表情が青ざめる。
先生の手がチンチンの根元に近づいてくる。
恐怖のあまりその先からオシッコが漏れる。
しかし、先生は容赦なく切り落としてしまった。
コントロールを失ったオシッコがメグの足を伝って床に向かう。
「汚いわね!ちゃんとバケツを狙いなさいよ!」
先生のその声が聞こえているのかどうなのか。
指先のモノを見ながら泣き出してしまった。
こんなナリをしていても、やはり失いたくなかったようだ。
「ごめんなさい、ごめんなさい!」
「これに懲りたら、相手の気持ちも考えることね。」
「はい⋯」
僕にも許すかと訊かれたが、さすがにこれ以上の仕打ちは望んでいない。
“彼女”に何かされたほかのクラスメイトも異存はない様子だ。
その後、この授業がバランスの是正を兼ねた罰のモデルとなった。
やりすぎが問題になって見直されるのは、僕が先生の年齢になってからのことだ。