餌食
営業職の田中誠は、いつものように終電間際の駅へ向かっていた。
その日、彼は取引先から預かった重要な資料を持っていた。何気なく改札を抜けようとした瞬間、見知らぬ男から肩を叩かれる。
「田中さんですね?」
男は笑顔だったが、その目には奇妙な冷たさがあった。
違和感を覚えた田中は足早にその場を離れる。しかし、駅を出ても男たちの気配は消えない。背後から複数の足音が近づいてくる。
田中は走った。
夜のオフィス街を駆け抜け、人気のない路地へ飛び込む。だが、その先は行き止まりだった。
男たちはゆっくりと近づいてくる。
「資料を渡してもらおうか」
田中はようやく、自分が巨大な企業不正事件に巻き込まれていることを悟る――。
田中は背中を壁につけながら、男たちとの距離を測った。
路地の先は高いフェンス。右も左も建物に挟まれ、逃げ道はない。
「資料を渡せ」
先頭の男が一歩前へ出る。
田中の心臓は激しく鼓動していた。しかし、営業として十年以上働いてきた経験からか、極限状態でも頭の片隅は冷静だった。
――相手は資料が目的だ。
もし本当に自分を傷つけるつもりなら、最初から力ずくで奪っているはずだった。
田中は鞄を抱え直した。
「何のことですか」
男たちは顔を見合わせる。
その瞬間、遠くからパトカーのサイレンが聞こえた。
偶然か、それとも誰かが通報したのか。
男たちの表情が変わる。
「時間切れだ」
先頭の男が舌打ちし、仲間たちに合図を送った。
彼らは田中に近づくのをやめ、暗い路地の奥へ消えていった。
数分後、田中はようやく大きく息を吐いた。
翌朝。
会社に着いた田中は、昨夜の出来事を誰にも話せなかった。
資料を改めて確認すると、取引先企業の会計データの中に不自然な数字が並んでいることに気づく。
何億円もの資金が、実体のない複数の会社へ送金されていた。
「これは……」
単なる経理ミスではない。
誰かが意図的に資金を動かしている。
そして昨夜の男たちは、その事実を隠そうとしていたのかもしれない。
田中は信頼できる大学時代の友人で、新聞記者の佐々木に連絡を取った。
「面白い話がある。ただし、かなり危険かもしれない」
電話の向こうで佐々木は沈黙した後、静かに答えた。
「なら会おう。人目につかない場所で」
田中は窓の外を見た。
オフィス街はいつもと変わらない朝を迎えている。
しかし彼の日常は、昨夜を境に確実に変わってしまっていた。
巨大な不正の存在を知った今、もう後戻りはできなかった。
行ってみるとその場所には誰もいない。
田中は意識が戻ると、薄暗い部屋の天井を見上げていた。
頭が重い。状況を把握しようとするが、思考がうまくまとまらない。
目の前には数人の男たちが立っていた。
「俺たちの事実を知ってしまったようだね」
「もうお前を野放しにはできない」
「この話を喋れないようにしてやる」
男たちの声は冷たかった。
しかし田中は、恐怖に飲み込まれそうになる自分を必死に抑えた。
――落ち着け。
営業の仕事で何度も厳しい交渉を経験してきた。
相手が何を求めているのかを見極めることが先だ。
「……俺をどうするつもりだ」
男たちは顔を見合わせた。
「それを知る必要はない」
「一生しゃべれくしてやる」
「それには戦利品をいただくとしよう」
そう言うと、誠の男性器をつかんだ。
「なにをするんだ」
言葉を発した瞬間、「スパッと音がして」
おちんちんが切り落とされた。
「これをいただいていく」
「ついでに玉もいただく、スパッ」
おまえはこれで男ではなくなったな。
お前が見てしまったからこうなったのだ。
あまりの痛みで記憶が定かではなかったが
目が覚めると股間は血だらけで付いているものがない
事実だったようだ。
これからどうしたらよいのだろうか。