クラスの女子に去勢される話を書いたせいで
今日は最悪な日だ、なぜなら昼休みあたりからスマホが見当たらない、どこで落としたのか考えても心当たりが 思い浮かばない。ついに見つからずにホームルームが終わりいつもなら帰宅できるのだがこれからスマホを探さなくてはならない。
「えっ……なにこれ、なにこのサイト、気持ち悪っ……」
教室の喧騒が急に遠ざかる。振り返ると、普段ほとんど話すことのない後ろの席の相川さんの声が聞こえた。その手には僕のスマホが光っている。画面には『去勢の時間です』が表示されていた。
血の気が引いた。
「いや……それは違うんだ……誤操作で……そもそも人のスマホを勝手に拾って何やってるんだよ」
言葉が詰まる。相川さんの細い眉が吊り上がる。
「誤操作? 『チンポ切断画像』『Penectomy』『陰茎切除術』……これが全部誤操作? なんかチンチンが切られる系のことばっかり検索してるみたいだけど」
冷たい視線が突き刺さる。周囲のクラスメイトたちが異変に気づき始める。「何?」「人のスマホ勝手に見るのは流石に可哀そうだろ」「何見てたの?」好奇心が膨らむ音がする。
相川さんは僕のスマホを高く掲げた。
「ねぇ皆聞いて! この変態の斉藤がさぁ……自分のチンチン切られること考えて興奮してるらしいよ? 検索履歴に全部残ってた」
「えぇっなにそれ!?」「意味が分からないんだけど?」「本当だったらキモすぎ……やばいだろその性癖」囁きが教室を駆け巡る。女子たちは露骨に嫌悪感を浮かべ、男子は軽蔑と興味が入り混じった複雑な表情で僕を見ている。誰も助け舟を出さない。当たり前だ。こんな性癖に共感できる者などいるわけがない。
相川さんの唇が歪む。明らかに楽しんでいる。
「ほら見て、このページ。『クラスメイトに去勢専用病院で去勢される少年』だって。たまたまクラスメイトの女子がその病院の院長の娘で休んでる親の代わりに去勢手術するんだって(笑)チンチンを検査してチンチンが小さいと無理やり女の子にされる話もあるよ(笑)」
「違う……僕は……ただ……」
反論の言葉が見つからない。否定すればするほど墓穴を掘ることが分かる。でも認めることもできない。羞恥と混乱で頭が真っ白だ。
この場にいることに耐えられなくなり、高橋さんからスマホを奪い返して思いっきり走って教室から逃げ出した。
自分が居なくなった教室でどんな話がされていて自分がどんな風に言われているのか心配でしょうがない。
何も考えたくなかった、明日学校に行きたくない、寝る前もそのことを考えてなかなか寝付けなかったが大丈夫だと自分に言い聞かせて何とか眠りついた。
次の日、学校に行ったときにみんなからどんな扱いをされるのか気が気ではなかったが勇気を出して学校に行くことにした。
教室のドアを開けようとする手が震えていた。昨日の恐怖が鮮明によみがえる。嘲笑の声、軽蔑の視線……。でも、ここで逃げたら負けだ。僕は深呼吸して、ドアを押した。
「斉藤ってホントに最低だよね!」
教室に入って自分に気づいた女子が急に自分に向かって罵声を浴びせてきた。自分の性癖が異常だとは自分でも自覚しているがそのせいで他人から最低だと言われるのは流石におかしいと思った。
「どんなキモい話を読んでるんだろうって色々見てたんだけどこれって斉藤が作った小説だよね!理科の授業で陰茎を解剖されることになった佐藤佑真が保険の先生の森川先生と委員長の高梨絵里さんに陰茎切除されるって絶対に高橋理絵と森山先生で想像して書いたでしょ!理絵は委員長だし森山先生は保健室の先生だし!佐藤祐真って斉藤裕也に似せた名前じゃん」
自分の性癖だけで罵倒されたと思ってたが理由を聞くとさすがに罵倒されても無理はないと思ったしバレてはいけないことがバレてしまっていたことが分かりどうすればいいのかと頭が真っ白になった。
高橋さんにチンチンを切られる話を作っていて内容が授業で運悪く切られることになってしまった僕が最後に気持ちよくさせてあげようかと高橋さんに射精する様子も観察したいと先生に頼んであげようかと提案されて最後に高橋さんに手コキしてもらえるかもと期待したのに嘘だよと笑われて射精もできずに絶望しながら切除されて、チン無しになった僕にもうエッチなことができないねと言いながら目の前でマンコを見せつけてきて馬鹿にされる話を投稿したことがあった。
それを読まれてしまっているんなら軽蔑されるに違いない、特に高橋さんからはどんな風に思われてしまうのか想像したくもなかった。
「ここ見てよ!高梨絵里って理絵ちゃんみたいな名前出てるし、森川先生って森山先生のことも書いてる!委員長で保健の先生だよ……」
女子が読み上げかけたところで、教室の扉が開いた。高橋さんが入ってきたのだ。周りの女子たちに今の状況を説明されて自分の書いた小説に高橋さんが目を通した。
「うそ……」彼女の唇が震える。「まさか……これが私?」
女子たちが悲鳴にも似た囁きを漏らす。「理絵ちゃんがモデルにされてたの!?」「最悪だよ!」
「あははっ斉藤ってさぁ、この小説書いてオナニーしてたんじゃない?異常すぎて怖いよ」女子の1人が嘲るように笑う。
「やめてよ!」突然、高橋さんの声が割って入った。彼女は拳をぎゅっと握り締め、目にはみるみるうちに涙が溢れた。「なんで……なんでこんなこと書くの……!?気持ち悪いよぉ……!」
彼女の嗚咽が教室中に響く。制服の袖で何度も顔を拭う仕草に胸が締め付けられる。周りの女子たちが彼女を囲んで慰め始めた。
「理絵ちゃん大丈夫!?」
「斉藤のヤツ最低!」
「こんな妄想されてたなんて……可哀想すぎる」
男子たちも事態の深刻さに気づいたのか、誰一人として笑っていない。むしろ全員が恐ろしいものを見る目で僕を見ていた。
僕は完全に放心状態だった。自分が犯した罪の重さが、目の前の涙と教室全体の憎悪で思い知らされる。
教室内は静まり返っていた。高橋理絵の涙声がまだ耳に残っている。女子たちは彼女を守るように固まっており、男子は完全に引いていた。
「変態……」誰かが呟いた。
その一言をきっかけに、堰を切ったように罵詈雑言が飛び交い始めた。
「気持ち悪い……」
「クラスに居ないでほしい……」
「こんな奴と同じ空気吸ってるのが耐えられない……」
高橋さんが嗚咽の中で叫んだ。
「お願い……もう一緒に授業受けたくない……同じ空間にいるのも無理……」
クラス全体の敵意が一気に僕に集中した。女子のひとりが突然立ち上がり、
「じゃあさ、もう二度とオナニーできないようにしちゃえば?」皮肉めいた提案だった。「あんたの小説みたいに……本当に切っちゃえば?」
その言葉に教室全体が凍りつく。男子たちが慌てて制止しようと動きかける。
「何言って……!」
「冗談だろう?」
だが女子たちの怒りは収まらなかった。三人が一斉に僕の両腕を掴み、机の上に押さえつける。椅子から転げ落ちた衝撃で腰が浮き上がる格好になる。
「おい!やめろ!」男子が立ち上がったが、女子たちの迫力に気圧されている。「まずいって!」
「だって許せないでしょ!」リーダー格の女子の宮本さんが叫んだ。「理絵が泣いてるのに!あんたみたいな変態に!」
女子二人が机に乗り上げてきて、暴れる僕の胴を膝で固定した。
「うそ……冗談だよね……?」
僕が必死に訴えるが、こんな状況なのに下半身は大きく膨れ上がっていた。
それを見た女子が
「本物の変態だよ…こんなキモい奴に変な妄想されてオナニーされるなんて可哀そうすぎる」
「こいつが悪いんだから切っちゃった方がいいよ…」
「切っちゃうなんて流石に冗談でしょ?」
「でもこんな変態はチンチン無くした方が絶対にいいよね」
宮本さんが僕の鞄からハサミを取り出す。刃の冷たい輝きが目に映った瞬間、背筋が凍りついた。
「お前が書いたんだろ?佐藤佑真の話!切られたかったんだよな!お前が自分で切ったことにするから!」
女子たちが僕の下半身を無理やり露出させる。抵抗する暇もない。
「やめ……やめろおお!!」
鋭い刃先が下着越しに押し当てられる感触宮本さんがニヤリと笑いながら言った。
「じゃあ始めようか。クラスメイトの女子に去勢される話だったよね?」
教室が水を打ったように静まり返った。誰も止めない。男子も固唾を飲んで見守っているだけ。
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刃が滑る感触。
激痛が脳天を貫いた。視界が揺れる。床に鮮血が滴り落ちる。女子たちの甲高い笑い声と泣き声と罵倒が混ざり合う。男子たちは息を呑んで凝視していた。血の臭いが充満する。
「わかった?」彼女は血塗れのハサミを振り上げて睨みつけた。「お前は一生エロい事が出来ないんだよ!」
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救急車のサイレンが校庭に鳴り響く中、担任の吉岡が現場に駆けつけた。床一面の血痕。僕は出血多量で半ば気絶し、女子たちが血まみれの道具を抱えて震えている。
「一体何が……?」
「先生!斉藤くんが……」相川が泣き腫らした目で訴えた。「いきなりハサミ取り出して『俺を去勢させろ!』って叫んで……私たち止めようとしたのに……」
クラス全員が揃ってうなずく。
「そうです……自分でズボン下ろして……」
「狂ったみたいに……」
「女子が止めようとしたけど振り払って……」
吉岡は蒼白になりながら床の血痕を調べる。「しかし……これは……」
そこに教頭が到着。「事件の概要は?」
相川さんが証言する。
「斉藤くんが突然自分で切ったんです!『俺は去勢願望があるんだ!』って叫びながら!」
他の女子たちが次々と同意する。「ホントです!」
「ハサミを持ったまま暴れて……!」
男子も戸惑いながら「そ、そうだよな?」と同調し始める。クラスメイト全員が同じ筋書きを語る。唯一の容疑者である僕は担架に乗せられ搬送途中。
「もうエッチなことできないからキモい妄想しないでよね……」高橋さんが震える声で吐き捨てた。