ちんぽこを捧げて村を救った男
ちんぽこを捧げて村を救った男
むかしむかし、ある ところに、また吉という、わかくて とても こころの やさしい せいねんが おりました。
ある としのこと、また吉の むらは はげしい ひでりに みまわれました。なんにちも Nんにちも あめが ふらず、たはたは からからに かわき、おこめも やさいも まったく とれなくなって しまいました。
「このままでは むらの みんなが うえじに して しまう」
こまりはてた むらびとたちは、やまのおくに すむ、おそろしい「おにがみさま」に いのりを ささげることに しました。すると、ごうごうと あらしが ふきあれ、おっきな おにがみさまが あらわれて、おそろしい こえで いいました。
「むらを すくって ほしくば、この むらで いちばん げんきな せいねんの『ちんぽこ』を ささげよ。さすれば あめを ふらせて やろう」
むらの みんなは、あまりの おそろしさに がたがたと ふるえ、だれも てを あげようとは しませんでした。しかし、むらの こどもたちが おなかを すかせて ないているのを みた また吉は、こぶしを ぎゅっと にぎりしめ、まえへ でました。
「おにがみさま、おれの ちんぽこを ささげます。ですから、どうか むらに あめを ふらせてください」
おにがみさまの まえに すすんだ また吉は、神(かみ)さまへの ささげものにする ために、まずは からだを きよめることに しました。
また吉は、しめていた しろい ふんどしを、するすると おとり、かわらに おきました。すっかり はだかんぼうに なった また吉は、むらの いわ塩(しお)を りょうてに たっぷりと つかみました。そして、じまんの りっぱな ちんぽこに、しろい しおを ごしごしと すりこみ、きれいに きよめて いきました。
「おにがみさま、おれの ちんぽこ、ただいま きよめが おわりました。いつでも おぬき ください」
しろい しおで まっしろに きよめられた ちんぽこを みて、おにがみさまは、にやりと わらうと、せなかから ぎらぎらと あやしく かがやく おおきな つるぎ「くりからけん」を とりだしました。
「よし、よくぞ きよめた。その いさましさに めんじて、ごえんを たちきって やろう」
おにがみさまが くりからけんを かまえ、また吉の またぐらに むけて、するりと つるぎの さきを おろしました。この つるぎは、にくを きるものでは なく、からだと ちんぽこを つないでいる、みえない「ごえんの いと」を たちきる ふしぎな つるぎだったのです。
「すぱーーん!」
きもちの よい おとが して、みえない ごえんの いとが みごとに たちきられました。すると、また吉の ちんぽこは、いたみも なく、すっぱりと きれいに ぬけおちて しまいました。
ぬけた ちんぽこは、おにがみさまの てのなかで、まばゆい ひかりを はなつ「ほうじゅ」へと すがたを かえました。
おにがみさまが その ほうじゅを てんに かかげると、たちまち ぴちぴちと つめたい あめが ふりだし、からからの むらを うるおしていきました。むらびとたちは「あめだ、あめだ!」と おおよろこびです。
しかしそのとき、ちんぽこを ぬかれた また吉の からだからは、おとコン たましいも いっしょに ふわふわと ぬけだして おりました。また吉の からだは、そのまま しずかに ねむりにつきました。
けれど、おはなしは ここでは おわりません。
むらを すくった また吉の とうとい たましいは、すぐさま べつの あたらしい いのちへと うまれかわりました。なんと、むらで いちばんのかわいい、そして とても うつくしい「びしょうじょ」として、この よに また うまれたのです。
また吉の うまれかわりの おんなのこは、すくすくと うつくしく そだち、その ひょうばんは みやこの ほうまで とどきました。
「むらを すくった とうとい たましいを もつ、うつくしい おとめよ。ぜひ わたしの つまになって おくれ」
やがて、みやこの たいそう りっぱで やさしい きぞくの おとこが、たくさんの たからものを もって、およめに むかえに やってきました。
おんなのこになった また吉は、きぞくの おとこと むすばれ、ひろい おやしきで まいにち おいしい ものを たべ、きぬの きものを きて、それはそれは しあわせに くらしました。
むらは あめのおかげで いつまでも ゆたかに さかえましたとさ。
めでたし、めでたし。