前作「それからの学寮(Part4-鳳桜大学泰法寮編)はこちら
最初の作品「学寮(Part1〜5)」はこちら
鳳桜大学編は、更新を重ねるうちに思わぬ長さと画像数になってしまいました。
今回更新するにあたって、2つの学生寮のお話をそれぞれ独立させました。
今回は司法試験受験の学生寮のうち、完全去勢した学生だけを受け入れる浄身会学生寮の話です。
当初からみると3分割の第3話目になります。
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鳳桜大学は明治時代の法律学校からの歴史がある法学部が看板で、毎年の司法試験ではトップレベルの成績を誇っている。
法職を目指す学生は、自分だけで勉強するよりも司法試験受験対策の勉強会に入ることが多い。勉強会はゼミ室だけのところもあるが、多くは1人づつ個別の机がある自習室を備えていたる。中には学生寮まであって会員は全寮制で勉学に励むところもある。
全寮制の勉強会の中でも泰法会は、会員になると淫欲を断つために睾丸摘出の去勢をすることで有名であった。
ところが、睾丸を摘出しただけでは、一度覚えた自慰癖はなかなか無くならないため、陰茎切断に踏み切る寮生も多くなり、寮内は睾丸去勢派と完全去勢派に分かれて、大論争にまで発展していったのである。
結局、泰法会における睾丸去勢と完全去勢の併用時代は3年間で終わり、2013年には完全去勢を良しとするOBの援助のもとで、完全去勢を入会条件とした勉強会の浄身会が発足し、完全去勢した会員の多くが転会していった。
会の名前は中国語で宦官になるための完全去勢手術を浄身と呼んだことから、誰ともなく言い出したのだそうだ。
またこの背景には、泰法会の寮生が、睾丸のみの去勢であっても「宦官」を自称していることへの反発もあり、あえて普遍的な「宦官」とかあいまいな「自宮」を避けて、中国清朝に使用された用語である「浄身」を選んだとも伝わっている。
ただし、この名前はやはり曖昧でいろいろ議論もあり、中国語で去勢を意味する「閹割」を使った時期もあり、結局は後に「浄心会」と改められた。
中古の建物の買収ではあったが、調布市内に新学寮も確保された。
泰法寮から転会しない寮生もいたため、欠員を埋めるため、全除性術を受けることを条件に、2年生以上の男子学生の入寮を募集し、ここに新しい去勢学寮が誕生した。
正式名称は「鳳桜大学完全去勢学生専用寮」だが、対外的には「浄身学生寮」と呼いろいろばれた。
世間に「独身寮」は珍しくないが「浄身寮」というのは初めてであろう。
道路に面した表札は、両方の名称が併記されていて、一般の通行人でも入寮者が完全去勢をした学生であることが分かるようになっていた。
この新しい寮は、最初は全部個室にする案もあったが、勉学には独りより大勢の相互環視の方が意欲が出ることや、自習室と寝室を分ければお互いに邪魔にならないという声が強く、寝室は2段ベッド2つだけの4人部屋となった。
トイレの大便器も小用を早く済ますために、従前どおり扉も仕切もなく、寮生が独りになれる空間は皆無となっている。
しかし寮生は全員、完全去勢により、淫欲を断たれているので、手淫をしたり、猥褻本を読んだりする者はいない。
また着替えなどで全裸を晒していても、普通の学生は隠す前陰部に何も付いていないので、独りになれるスペースは、現実には全く必要がなく、不満も聞かれなかったとのことである。
泰法会に残った完全去勢の寮生もいて、泰法寮は睾丸摘出学生と完全去勢学生の混合去勢学生寮として続いている。
ただ、最近は、泰法会でも完全去勢の学生が増えているそうだ。
浄身会は大学公認の正式の勉強会となり、早くもその年に司法試験合格者がでたこともあって、知名度もあがって評判は上々だ。
そのため、1学年の定員は12人だが、ここ2年間の入会試験は、競争率が数倍となっていて、実際は泰法会より入会が困難と言われている。
今度は、浄身会の学生寮の様子を見てみよう。
泰法会と違って全員が完全去勢済で、尿道も付け替えており、お互いの気兼ねもなく、勉学に邁進できる環境が整っている。
完全去勢手術が終わって、傷口を抜糸した頃の寮生の股間はこんな様子である。
更に傷が完全に治癒すると、こんな感じになり、陰毛を剃らずに伸ばすこともできるようになる。
睾丸摘出より手術の難易度が高く、大人数の寮生の一斉手術だったので、気になっっていた股間の術後の状況も、大学の保健センターが比較的空いている時期に手術日を持ってくるなどの工夫により、改善されてきている。
手術中は発声を抑止するために口枷を使用しているのが分かる。
これは、多数の学生が同じ部屋で手術するので、悲鳴などが迷惑になるからだと説明されているが、実は、全身麻酔ではないので、途中で気が変わると困るからだとも言われている。
その結果、今では本当にきれいな小穴だけの寮生も珍しくなく、先ほどの巨根だった学生の現在の股間もご覧のとおり。
学業のために惜しげもなく男の象徴を捨てた学生が、今では寮内で一番綺麗な股間の持ち主と言われている。
逆に結構イケメンでも、股間の傷痕が今一つで、周囲から残念がられている寮生もいたりする。
ただし、男性器が完全になくなることが重要なので、傷痕を気にする寮生は少ないようだ。
なお、尿道口を移す先が会陰の肛門近くだと、前から小穴一つ見えない人形のような股間になれるが、股間が不潔になりやすい欠点がある。
尿道口は真下に開いているので、和式便器だけではなく洋式便器にしゃがんでの小用も問題ない。
ただし、術後の尿道口の形状によっては、シャワーのように尿が飛び散る場合もあるようで、和式便器より洋式便器の方が好まれる傾向にある。
なお、陰茎海綿体全切除を行う関係で、手術時に前立腺や尿道海綿体が傷ついて、術後は常時おむつ着用を余儀なくされる寮生もいるが、本人たちはトイレの時間が省けると気にしないのが普通だということだ。
ところで切断させた男性器だが、通常は医療系廃棄物として処分されるが、中には引き取って試験合格の決意の証として、ホルマリン漬にして、机の上などに飾っている寮生もいる。
この習慣は泰法寮の時代からのものだということだ。
その寮生が試験に合格すると、その男性器のホルマリン漬は合格のお守りとして、後輩の寮生の間で大人気の争奪戦になったため、結局寮が全員の合格 祈願の御神体として保管し、神棚のようなものを作って祭ることになった。
社の形をした収納箱には、合格者の氏名が表示されていて、誰でも拝観可能となっている。
ただし、奉納される男性器の数も増えてきたので、日替わりで拝観対象を変えることになり、公開される日を「御開帳日」と呼ぶようになり、この御開帳日には、中の男性器がLED照明でライトアップされ、見やすくなった。
なお、寮生の間では俗に「御開帳」ではなく「御開珍」と呼ぶことも多いそうだ。
寮へ別の用事で来た学生も拝観できるので、御開帳された一物を見てから、完全去勢をしようと決心した者も何人もおり、日替わりの御開帳を見るために日参する者さえいるとのことだ。
合格祈願といえば、月に一度の寮生同士による股間の相互チェックも名物行事。
「切ったチンチンが生えてくるわけない」とか、「風呂場で毎日見ているから不要」との声もあるが、合格祈願のお守りの習慣として、今も続けられている。
この行事も建前では公開のはずで、大勢に見てもらうほど合格率が上がるという伝説もあるが、御開帳と違って友人の股間の切断痕をわざわざ見に来る寮外の学生は稀である。
ところで寮生の中には夏の時期は全裸で外出する者もいる。
特に完全去勢済なら公然猥褻にもあたらないわけで、念のため下腹部を剃毛しておけば完璧である。
寮を出発するときは着衣でも目的地の公園などでは一斉に全裸になってくつろぐことも多く、寮生も夏の間は剃毛を欠かさないのが普通で、中には剃毛は手間がかかるからといってレーザーなどで永久脱毛する者もいるという。
こうして浄身会の経営も安定してきたので、寮の改築工事が始まった。これを機会に、「浄身会」は直接すぎるとの考えや、身体より精神が大事との考えから、会の名前が「浄心会」と改められた。
寮の名前も「浄心学生寮」となっている。
現在はまだ一部未完成の状態だが、完成した部分で寮生の生活も始まっており、浴室も岩風呂風になるなど、旧寮よりかなり豪華になっている。
寝室の4人部屋は工事中は8人部屋に改められたが、それでも一人当たりのスペースは広くなった。
全館完成すれば1学年の定員も16人に増やすことができるし、一部屋あたりの人数を減らして余裕を持たすこともできる計画だ。
でも,自習室のスペースも広くなり、寝室を無理に余裕持たせなくてもいいという意見が多いようだ。
相変わらず入寮希望者も多いから、できるだけ定員を増やすことになりそうだと聞く。
プライベートな部分がない空間や、仕切りも扉もない大便器などは、相変わらず同じ設計だ。
最近、新型コロナ感染症対策で一時的にベッドにカーテンが設置されたが、孤立感が深まると寮生は不評で、感染が下火になると早々に撤去された.
去勢学生寮の完全形あるいは完成形とも言える浄心会学生寮は、全国の大学関係者の見学が絶えないという。
いずれ、こういう去勢した学生を専門に受け入れる寮が、各地の大学にも広まっていくのだろう。
この分だと去勢学生寮のご紹介もまだまだ続くのではなかろうか。
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投稿:2022.08.27更新:2024.08.01
それからの学寮(Part5-鳳桜大学浄心学生寮編)
挿絵あり 著者 名誉教授 様 / アクセス 50856 / ♥ 436