男捨てる SNS洗脳去勢
第一章:セーラー服の午後
「……なんだ、それ。」
ドアが半開きのまま固まっている姉・真帆の声に、仁(じん)は心臓が止まりそうになった。
「うわ、ち、違っ……!」
慌ててスカートのファスナーを上げようとして手がもつれ、よろけた拍子にベッドに尻もちをついた。姉の高校時代のセーラー服。胸元には赤いスカーフ、プリーツスカートがひらりと舞う。明らかに、逃げようのない現行犯だった。
「ちょっと、似合いすぎじゃない?」
真帆が呆れたように笑った。
「う、うそだろ……なんで笑ってんだよ……」
「いや、もうちょっとで入学式って顔してたからさ。つか、メイクしよっか?これなら化粧映えると思うんだよね。」
「はあ!?い、いや、それは……」
「ほら、目つぶって。逃げたらTwitterに今の写真載せるよ?」
抗う気力もなく、仁は観念して目を閉じた。ファンデーション、コンシーラー、アイライン、リップ……真帆の手際の良さに感心する間もなく、10分後、鏡の中には見知らぬ“少女”が映っていた。
「……誰、これ?」
「だから言ったじゃん、似合ってるって。写真撮るよー、はいチーズ!」
カシャッという音と共に、運命の一枚が切り取られた。
その夜、真帆が軽いノリでTwitterに投稿した写真は、バズった。
> 「弟が女装したら美人すぎて姉もびびった」
フォロワー数、リツイート、いいねの数がぐんぐん伸びていく。
「なにこれ……やば……」
仁の心の奥に、くすぶる火が灯った。
--------------
第二章:可愛いは止まらない
「……このジャケット、可愛くない?」
数日後、仁はネット通販でフリルのついたピンクのワンピースをポチっていた。
投稿された写真が拡散されるにつれ、フォロワーが増え、コメントやDMも殺到し始めた。
> 「可愛すぎる!また別の服着て見せてほしい」
> 「メイクもっと上手くなるよ、アドバイスする!」
姉のクローゼットを漁るうちに、ロリータ、ギャル風、清楚系と様々なスタイルを試すようになった。真帆はあきれるどころか、むしろ楽しそうだった。
「ちょっと、今度の撮影はこのワンピにしよ!ジンちゃん、肩出しもいけるし!」
「ジンちゃんって呼ぶなよ……!」
とは言いつつ、仁もまんざらではなかった。化粧も鏡を見ながら練習し、自然と指が覚えていった。
だが、ある日、姉が少し顔を曇らせた。
「ちょっと、これ……炎上してるよ。」
画面には心無いリプライが並んでいた。
> 「男が女装してるとか気持ち悪い」
仁はスマホを固く握りしめた。だが、それ以上にDMで届く“甘い言葉”の方が、彼の心を支配していた。
> 「君は本当に美しい女になれる」
> 「女の子でいることに罪悪感なんていらないよ」
その一言一言が、心の底をくすぐるように残った。
--------------
第三章:誰でもない“わたし”へ*
「……女性ホルモンって、どこで買うんだろう……」
ある晩、仁は小声でつぶやいた。DMで送られてきたリンク、怪しい通販サイト。だけどレビューには「人生が変わった」「胸がふくらんだ」などのコメントが踊っている。
真帆はいつからか、何も言わなくなった。静かに見守っているような、あるいは、距離を置いているような。
SNSで「#女装男子」や「#中性美男子」のタグを巡回するのが日課になった。中でも、あるアカウント――@Lily\_dollは仁の心を掴んで離さなかった。
> 「“本物”になるには、自分を信じること」
> 「私も元は男だった。でも、今では“自分”になれた」
仁は、Lilyと名乗るその人物と毎晩のようにDMを交わすようになった。
> 「ジンちゃんも、もっと美しくなれる。女の子の身体に近づこう」
そして、ある日、封筒が届いた。中には薬と使い方のメモ。
「……これが、最初の一歩なんだ」
鏡の前で、仁はそっとそれを手に取った。
---------------
第四章:胸の奥に、女が住む
「ねえ、ジンちゃん。豊胸、考えてみない?」
LilyからのそのDMは、ある意味で決定打だった。
SNSには日々、美しくなっていく“仲間たち”の写真が流れてくる。中でもニューハーフモデルの投稿は華やかで、そして憧れだった。
「どうせやるなら、ここまで来なよ。わたしたちは、もう止まれない」
その言葉が脳に焼き付いて離れなかった。
手術を終えた数日後、鏡に映る姿に仁は息をのんだ。胸は確かに、女の証としてそこにあった。
「すごい……これが、私……?」
SNSに投稿した。
> 「初めての豊胸。新しい自分に出会えた気がする」
コメントが溢れた。
> 「美しすぎる!」
> 「まさか、ここまで来るとは……尊敬する」
> 「次は何するの?」
仁の中で、どこかの“男”が、完全に消えていった。
-----------------
第五章:去勢という現実
「では、確認します。陰嚢内の睾丸を切除する、いわゆる去勢手術を本日、実施します」
無機質な医師の声が、静かな処置室に響いた。
仁は頷いた。麻酔が効き始め、視界がぼやけていく。冷たい金属音。モニターの心拍数。
看護師の動きは正確で迷いがなかった。
「手術は30分程度です。問題がなければ明日退院になります」
あまりに“あっさり”とした説明に、心が取り残されているのがわかった。
手術は「通過点」にすぎない。そう、LilyやSNSの仲間たちは言っていた。
> 「本物になるためには、乗り越えるだけ」
だが、それはまるで“自分の一部を、廃棄物のように捨てる作業”だった。
執刀医は、仁の目を一度も見なかった。
それが逆に良かったのかもしれない。見られたくなかったから。
術後、静養室の白い天井を見つめながら、仁は思った。
「これで、戻れなくなった」
何が戻れないのか、自分でもうまく言えない。
「男」でなくなったのか。「人間」として変わったのか。
ただ、なにか大切なものが、「無言で切られて」いった気がした。
-------------
第六章:違和感と目覚め
「おめでとう、ジンちゃん。本当の“女”になったね」
LilyからのDMに、仁は指を止めた。
もう、それが“祝福”には感じられなかった。
久しぶりに投稿したSNS――
> 【報告】去勢手術も終わりました。
> 前に進みます。わたしは、女として生きていく。
多くのいいね、多くのリツイート。
だが、いくつかのポストが仁の心を刺した。
> 「偽女」
> 「自己満で切っただけで女になったつもり?」
> 「“作られた女”は結局、空っぽ」
その言葉を見た瞬間――仁の中で、何かが崩れた。
スマホの画面を閉じても、あの言葉だけが頭に残り続ける。
> 偽女
「……これが、“私”のなりたかったもの?」
言葉にしてしまった瞬間、涙がにじんだ。
翌朝、鏡の前。
整った輪郭、微かにふくらんだ胸、丸みを帯びた腰。
そこに映るのは、“理想”だったはずの自分。
でも、心は静かに揺れていた。
メイクも髪型も完璧な“仁”の顔に、ふと重なって見えたのは――
セーラー服を試しに着ていた、あの日の仁(じん)だった。
「……誰のために、ここまでやった?」
“本当の自分”を探す旅の果てに、仁は気づいた。
今ここにあるのは、誰かに“いいね”されるために作った、仮の自分だった。
*****************************************
仁は、ただの好奇心で姉のセーラー服を着
ただけだった。決めるのは本人じゃない。
周囲の「かわいいね」が性別を塗り替える。
「女の子みたい」と言われ続ければ、
心も体もその気になる。
「「いいね」」と「「リプ」」がホルモンより
効く。毎日の称賛が性自認を上書きする。
「もう男じゃないよね」と言われ続けると、
男でいる理由を失う。
DMで褒める、ポストに綺麗って言う、
それだけで思考は変わる。
最初は遊びでも、
「「称賛の快感がやがて本人を壊していく」」
「仁が女になる、皆が望んでるよ」
──その一言が決定打になる。
洗脳に理屈はいらない。
「「「欲望と承認欲求」」」だけで人は変わる。
「「「去勢しちゃえば?」」」と冗談まじりの
声が、やがて現実になる。
本物の女の子より女の子らしい
──そう思われた瞬間、もう後戻りできない。
*********************************
貴方が「「 いいね 」」を押してあげる
または、「「綺麗って褒める」」返信すると
「自分はこれでいいんだ」という感覚を
強化する
「女として生きたい」意識変容につながる。
どこかで男が洗脳され 女 になる
自分から望み 「「「 去勢 」」」 する