「おはようございます。今日も200人定員の階段教室が満員ですね。女学生の方も30人ぐらいはお見えですね。今日は楽しい授業になりそうです。」
「今日の私の刑事医学の授業は、前回お話した犯罪者去勢論の続きです。今日は、犯罪者去勢を一歩進めて、犯罪を犯す前に予防的に施すことを推進する立場から、学生諸君の前で、この『予防去勢』の実演をしてみたいと思います。」
「いつものように、諸君の中から実験台のボランティアを募ります。ボランティアになってくれた学生には、この科目のAを保証しますよ。そうそう、申しわけありませんが、今日のボランティアは男子学生に限ります。」
「予防去勢は簡易型と完全型がありますが、今回はどちらでもいいという方にまず名乗り出てもらいます。希望される学生は手を上げてください。」
「4人も立候補者がありますね。時間の都合で簡易型と完全型1人づつしか無理と思いますので、じゃんけんしてください。」
「決まりましたか。えーと、・・・・政治学科4年8組18番の坂口君と・・・・・法律学科3年3組32番の堀部君ですか。・・・では、前に出てきてください。」
「川口女史と加藤助手、手術台をふた組教室に搬入してください。島崎助手は2人の準備をお願いします。」
「講壇の脇に椅子を置いて下さい。そしてこの『予防処置志願書』に署名してください。・・・・ペンはここです。そうそう、名前だけでいいです。」
「お二人とも簡易型と完全型、どちらでもOKでしたね。書き終ったらもう一度じゃんけんを。」
「堀部君が勝ちましたか。では堀部君にフルバージョンの完全型を体験してもらいます。坂口君は右に、堀部君は左に座って待つようにお願いします。靴は脱いでいいですよ。島崎助手が、お二人に軽い注射を打ちますので、肩を出してください。」
「ここから、遠隔操作のビデオカメラで撮影します。教室の前に大きく投影しますので、後ろの学生もよく見えますよ。」
「手術台がきましたね。まず堀部君が服を脱いでください。注射のせいでちょっとぼやーとしているかも。・・・・もちろんシャツもブリーフもです。・・・・そうです、全部です。」
「素っ裸になりましたね。気をつけの姿勢で立ってください。写真撮影をします。・・・いいですか?・・・では、手術台に乗ってください。島崎助手が手を貸します。横向きになって身体を海老のように丸くして、そうそう、それでいいですよ。」
「今、島崎助手が堀部君に打っているのが、腰椎麻酔です。下半身への部分麻酔になります。」
「堀部君は終わりましたね。では、坂口君も服を脱いでください。やはりシャツもブリーフもですよ。・・・・写真もOKですね。では、同じように素っ裸で手術台に上がってください。」
「2人ともまず仰向けになってね。両脚をその支えの上に置いて。助手諸君は2人をベルトで固定してください。足だけじゃなくて、腹部と両手首もベルトを締めますよ。犯罪者の去勢のときは、ボール口枷もするのですが、今日は志願による去勢ですから必要ないでしょう。」
「お二人の拘束が完了しましたね。では、手術台を回転させて、皆さんから真正面に見える位置にしましょう。」
「どうですか、堀部君はちょっとだけ皮が亀頭にかかっていますが、坂口君はしっかり剥けています。2人とも立派なイチモツですね。手術するのがもったいないって女子学生さんは思いませんか。」
「爆笑ということは図星かな・・・では、2人の陰毛を剃ります。もちろん全部ツルツルになってもらいますよ。」
「はい、2人ともキレイなパイパンになりましたね。カメラさんアップよろしくお願いします。」
「では、最初に坂口君からいきましょう。坂口君は左右の睾丸だけ摘出します。部分麻酔で十分ですので、今から陰茎と陰嚢の周りに、麻酔注射を打ちます。」
「全部剃っているから、良く分かりますよね。それでは切開線をマジックで書き込みます。」
「麻酔はどうかな?・・・・そろそろ効いてきたかな。島崎助手。メスを下さい。」
「では、はじめます。最初にこうやって陰嚢を切り開きます・・・・あっ、見えてきました。これが睾丸です。メスを周りに入れて・・・・こうやって引きずりだすと、紐がついてきます。これを精索といいます。こうすると坂口君も自分のタマタマが見えますよね。隣の堀場君からも見えますね。後で堀部君も自分のが見れますよ。」
「さて、・・・・これをできるだけ根元で縛って、あとはチョキンと切れば終わりです。簡単でしょ。もう一つは川口女史に任せましょう。」
「川口女史、引きずり出した睾丸を坂口君にも見せてください。そして、ご本人の見えるところで精索を切断をしてくださいね。・・・・・終りましたか、切った睾丸はこの瓶に入れてください。」
「実は学会では、川口女史のように女性が男性を去勢することの是非は、議論があるところです。今回は実習ですからいいでしょう。・・・・坂口君、男でなくなった気分はどうですか。」
「よくわからない?、・・・・やっぱりそうですよね。実感が湧くのは2週間ぐらい後だろうと思います。将来的には髭が抜けてきたり、声が少し甲高くなったり、体重が増えることがあります。なにより重要なのは、今後坂口君の性欲が相当減少することです。」
「でも、坂口君の勃起能力は、今後も残る可能性があります。それから、今日から1週間ぐらいは、まだ坂口君の精液には受精能力が残ってますので、女子学生の方は要注意ですよ。・・・・笑ってますけどいいですか?」
「それでは縫合も完了しましたので、ナプキンを当てて包帯を巻きます。」
「では手術台から降りてください。手術後は1日1回消毒してください。基本的に自己管理でいいはずです。いいですか?・・・・では服を着てください。ここに傷口に当てるナプキンと消毒薬、化膿止め、抗生物質のセットがありますので、持って行ってください。ここに注意書きのパンフがあります。この手術で一番多いトラブルは、血管の結窄がうまく出来ずに出血して血腫ができることです。そうなった場合は、パンフの押したゴム印の電話番号に連絡してください。」
「糸は2週間で自然に溶けます。それまで入浴は避けてください。シャワーは3日間、激しい運動は1週間禁止です。・・・・坂口君は服を着ましたね。自分の席にゆっくり戻ってください。・・・・ちょっと蟹股歩きは仕方ありません。では一緒に堀部君の手術を見学しましょう。」
「堀部君、お待たせしました。堀部君はフルバージョンなので、下半身麻酔をしました。もう効いてますね。それでは、やはり切開線を書き込みましょう。カメラさん、堀部君の鼠蹊部のアップお願いします。」
「堀部君のイチモツも坂口君の負けず劣らず立派ですね。今日ここで切り取ってしまうのが本当にもったいないです。でもご本人の希望なのでいたしかたないですね。・・・・・では亀頭の先から尿道にカテーテルをいれます。」
「膀胱に達したみたいですね。オシッコがでてきましたよ。バルーンを膨らませて抜けないようにしてください。これでペニスの切断準備完了です。」
「では、最初に坂口君と同じように、両方の睾丸を抜きます。ここは、島崎助手と加藤助手にお願いしましょう。」
「両方とも摘出できましたか。皆さん簡単でしょう。今回は瓶ではなく、前のトレイの上に置いてください。」
「次にいよいよ堀部君の陰茎を切断します。・・・・皆さんは陰茎というと、こうして下腹部から飛び出している部分だけだと思うでしょうが、実際は違います。」
「ここの根元・・・・そうそう今、島崎助手が触っているところでちょん切っても、実は腹腔内に半分ぐらい陰茎海綿体が残ってしまいますので、勃起したり、オナニーしたりできるのです。だから、完全型の処置では、陰茎海綿体が骨盤に付いているあたりまで切除しないといけません。」
「そのためには、まずペニスの上の腹部にメスを入れます。それから陰茎の根元の腹部の皮膚を丸く切開します。そうして前部の靭帯を離します。・・・・見えますか。こういう風に切り込みを入れていけば、身体の凹みから簡単に生殖器を取り去ることができます。」
「これが前立腺。これは膀胱の下にくっついています。アリの戸渡りのところですね。精液を作るところです。・・・精子ではありませんよ。女性の子宮が退化したと考えてください。・・・で、ここを切り取る必要については、学説が分かれていますが、肛門から前立腺を刺激して性感を得ることができるので、やはり切り取っておくべきと考えます。」
「男性の内性器には、他に精嚢というものがありますが、これは膀胱の後ろにくっついている左右1対の小さい袋です。これを取るのは大変なので残します。精子と精液を一時ためておくところにすぎませんから、問題ありません。・・・・前立腺が精液をつくって、キンタマが精子をつくるので、この2つを取ってしまえば、ためておく場所はどうでもいいのです。」
「そうしてこのように、腹腔内を奥深く切っていくと、ペニスの根元に当たります。ほら、これです。・・・・尿道は尿道海綿体と一緒に分かれてきますので、こっちは全部取らずに途中で切断します・・・・だいたいここらへんかな。切る位置の少し根元寄りを糸で縛ってください。陰茎海綿体は全部取り去ります。」
「ここにメスを入れて、こういう具合に・・・・もう一方も・・・・よし、これで堀部君の陰茎が完全に身体から切り離されました。・・・・川口助手、堀部君のペニスも先ほどのトレイに置いてくださいね。2つの睾丸のちょうど間がいいでしょう。」
「残った尿道は会陰に穴を開けて、そこに誘導して、・・・・ほらここが堀部君の新しい尿道口になります。こういうふうに尿路変更しないと、手術後にトイレで困るのです。」
「えっ、もちろん手術後の堀部君は立小便はできませんよ。そうではなくて、元の位置のままペニスがなくなると、今後堀部君がオシッコの時に、和式便器でしゃがんだり洋式便器に座ったりしても、尿が前や上に飛んで困るんです。」
「こうやって縫い合わせて・・・・オシッコの出口が肛門のすぐ前にできましたね。カテーテルが突き出ているからわかりますね。」
「それではペニスを取った大きな穴を縫い合わせましょう。縫合は必ず傷口が横に一直線になるようにします。縦に一直線にすると、女性器とまぎらわしいので、はっきり去勢した男性だとわかるようにするためです。体育館の更衣室や温泉の露天風呂で女だと思われると面倒ですから。」
「陰嚢の皮膚が余っていますから、縫合は簡単なはずです。左右に血抜きのドレインを差込みます。皮膚はかなり余るはずですので、その分は切り取ってかまいません。もう大きくなるものがありませんからこの部分に余裕はいりませんので。・・・・皆さん、笑わないで。」
「ほら、堀部君の股間は何にも無くなりました。綺麗ですね。これが『完全型予防去勢処置』です。堀部君は立派な宦官になりました。坂口君と違ってもうどんな性の快感を得ることはありません。今回の処置は犯罪者の強制去勢でも、全く同じですので、股間部分を皆さんよく見ておいてください。カメラさんもアップで。」
「おや、今回はずいぶん時間が余りましたね。もう1人希望者があったら申し出てください。・・・・あれ、5人ですか。さっきより志願者が増えましたね。お二人の手術を見て、自分もやってほしくなりましたか。」
「では、もう一度じゃんけんを。・・・・・決まりましたか。・・・・理工学部物理学科4年3組の高木君ですか。他学部科目を履修の方ですね。では、前にどうぞ。」
「高木君もこの『予防処置志願書』に署名してください。処置はもちろん完全型でOKですね。」
「女性による男性去勢の是非論の検証もありますので、高木君の執刀は、川口女史に全部お任せして、反応を比較してみましょう。」
「じゃあ、肩に注射を打ちます。・・・・終ったら服を脱いで、素っ裸で起立してください。」
「写真は終りましたか。・・・では、坂口君が使った手術台に乗ってください。さっきの堀部君のように海老のように丸くなってね。」
「では、仰向けにベルトで固定して、股間が良く見えるように。・・・・では、麻酔が効いてくるまでの間に剃毛します。」
「高木君は包茎ですね、しかも短小気味かな。完全剃毛すると小学生みたいですね。でも、授業でお話したように、この点と性犯罪発生率は無関係のようです。」
「ところでちゃんと包皮は剥けますね。まあ、いまさらどっちでも同じですけど。・・・・あれ、皆さん、そんなに大笑いしないで、高木君が恥ずかしがってます。彼は皆さんの代表ですよ。では皮を剥いて亀頭を露出させてください。ここの先から尿道にカテーテルをいれます。」
「カテーテルがOKのようです。ではまず高木君の睾丸を取り出します。今日3回目ということは6個目ですか。大収穫ですね。」
「では、堀部君と同じようにペニスを切断してしまいます。川口女史よろしく・・・・高木君のペニスは外に出ている部分は短かったですが、腹腔の中は、ほら、結構ありますよね。」
「川口女史のメスさばきを見てますと、オチンチンを切るというよりは、掘り起こして根元から取り外すといった感じですね。・・・・試しに前立腺は残しますね。同性愛者でなければ,それほど問題ないのも事実です。」
「終りましたか。はい、これで高木君も強姦はもちろんオナニーまで絶対無理になりました。目標達成です。・・・・・尿道はやっぱりお尻の穴の前に持っていきます。立小便が出来なくなるのは、この処置の副産物でどうしようもありませんので、こらえてください。」
「カテーテルの周りを縫い合わせて・・・・フクロの皮膚とココを縫い合わせると、ほら、隣の堀部君の股間とそっくりです。さっきまでは、堀部君の巨根と高木君の粗チンはどちらかというと雲泥の差でしたが、最後には人間は皆平等です。・・・・あれあれ、笑わないでください。」
「お二人の切り離された生殖器を載せたトレイを、それぞれの股間の前に置いてください。・・・・よくわかりますよね。」
「みなさんよろしいですか。ご覧のようにお二人ともマタの間には何もありませんよ。女子学生の皆さんは特によく覚えておいて、パーティでうっかりお誘いしないようにね。」
「それでは2人とも包帯を巻きます。カテーテルとドレインは外に出しておきますね。」
「高木君はすぐに起きるのは無理ですね。このままでいいです。」
「堀部君はもう落ち着きましたね。おちんちんが無くなった感想はどうですか。堀部君はこれから一生涯セックスはもちろんオナニーもできませんし、立小便もできませんよ。・・・・まだ、実感が湧きませんか。」
「男子学生の皆さん、トイレの個室が並んでいたらできるだけこの二人に譲ってあげてくださいね。二人は小用でも個室を使うことになりますから。」
「では、拘束ベルトを外しますので、このまま台の上で休んでください。・・・・このあとは学生寮まで車椅子を貸し出します。今日は起きないように。明日は自分で起きて、ココに指定したクリニックに来てください。川口女史もそこで待っていますので治療を受けてください。」
「一応これが応急セットです。3日間ぐらいはは通ってもらいますが、ドレインが外れたら自己管理にりますので、パンフに目を通しておいてください。」
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投稿:2003.10.13更新:2022.08.28
刑事政策学の実習
著者 名誉教授 様 / アクセス 39510 / ♥ 223