小学四年生の穣は、タレント事務所に籍を置いている。
既に何本かのドラマに出演し、アイドルとしての将来が期待されていた。
そんな穣であったが、陰では陰湿な苛めをしていた。
特に、自分をうるさく付け回すファンの腹を蹴ったり、猫を壁に叩き付けたり、何も知らずに穣にサインをねだる下級生の頭を踏んづけたりするのが大好きだ。
こっちはストレスが溜まってるんだ、なにが悪い。
穣は、事務所がもみ消すことも手伝って、罪悪感無しに苛めていた。
「ふうん。かわい子ぶってても、名取穣ってそんな子なんだ。」
美佐子は、数人の小学生の報告を聞きながら言った。
「分かった。パパに伝えとく。」
小学生逹は皆、穣に自分や姉妹、ペットを苛められていた。
そして、中学三年の美佐子をリーダーにした、秘密クラブ直属の人狩り部隊の子供隊でもあった。
「そんな悪い子はチョンパしないと。その子の事務所の社長も、パパの後輩だし。打ってつけね。今度のクラブパーティーで、舞台のアトラクション用に一人いるの。チンチンをタマタマごと、ガスバーナーで黒焦げにあぶるの。」
美佐子は、事務的に言った。
「悪い子をチョンパするのはいい事だもんね。」
子供たちにも罪悪感はない。
物心付いたときから、親に子供隊として教育されているからだ。
「いじめっ子でもいいし、お風呂やプールで一緒になった知らない人でもいいから。」
美佐子は、子供たちに指示を与えると、解散を促した。
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投稿:2003.10.17
秘密クラブシリーズ ちびっ子部隊
著者 真ん中 様 / アクセス 16113 / ♥ 4