僕の名前は、里山サトシ、12歳。売れてないけどタレントプロダクションに所属している。
「お前の取柄は、チンコが大きいことだけだな」
社長さんはよくそう言って僕のことを怒る。確かにハンサムじゃないし、背も低いし、物覚えも悪い。
他の子には仕事があるのに僕には回って来ない。いや、あることはあるんだけど・・・
画面の隅でパンツを脱がされる役とかそんなのばっかり。
「こんな仕事があるんだがやってみるか?」
勿論、僕に選択権なんか無い。断ったらクビにされるに決まってるんだから。
僕からタレントって肩書きを取ったら何も残らない。アイドルになるのが夢なんだけどな。
『輝け!男の子クイズ王コンテスト』
番組移行期の穴埋めによくある企画だ。どうせ僕の役割は決まってる。ここぞという所で間違えて罰ゲームを受ける役だ。
勝つのは大手プロダクションの売れてるコって決まってるんだよな。
僕もたまには豪華賞品を貰って「こんなのいらないから」って楽屋に捨てて帰るようなことをやってみたいなあ。
「こんどのはヤラセ無しだ。深夜番組だから大手の奴が出ないんだ」
そう言われて出演予定者の欄を見ると確かに有名なコは誰もいない。
「優勝賞品が物凄いぞ。それを手にいれる為にはお前も絶対に必死になる筈だ」
「でも、どうせ事務所が没収しちゃうんでしょ?」
「いや、今回は本当にお前のものにしてやるよ」
僕はなんとなく胡散臭さを感じながらも出演を承諾した。社長がニヤニヤしてるのが気になったんだけど。
「え~、こんなカッコするんですか~?」
放送コードは大丈夫なんだろうか?いまどき、透ける素材で造った白い海パンなんて。
こういう格好はやだな。股間のモッコリがモロに出ちゃうんだもん。
しかもセットには椅子もなくって僕らは立ったままクイズに答えるらしい。
安っぽい衣装とセットだよなあ。こんなんで本当に豪華賞品なんか出るのかな?
小学生向きの賞品ってことで図書券とかゲームソフトってオチじゃないだろうな。
回答者が集められ司会のお姉さん、深夜番組では良く見る顔なんだけど名前がコロコロ変ってるお姉さんがクイズの説明を始める。
「今回の企画は物凄いんです。恐らくテレビ史上初ではないでしょうか?」
んな大袈裟な。このお姉さんはいつもそういうこと言うんだよな。
「ここにいる5人の男の子のうち男の子のままで会場を後にできるのはたった1人!」
えっ?どういうこと?
「彼らはプロダクションからブルマに転向するように言われてる男の子なんです。
これから出されるクイズに不正解だと即、隣のスタジオでブルマにされちゃいま~す
勿論、その様子を全国の皆さんにもバッチリご覧いただくって趣向です」
げ?聞いてないよそんなの。すると、僕が必死になる豪華賞品って、まさか?
「クイズの優勝賞品は『男の子』ってことになりま~す」
あっさり言うな、あっさり!こっちに取っては人生に関わる一大事なんだぞ。
まともにブルマ検査してれば絶対にパスできる自慢のチンチンなんだぞ。
僕は自分が切られるところを想像した。
「あ~っと里山くんが怖くてちょっと漏らしちゃったようです」
えっ?
慌てて下を見ると白い海パンが少し青くなっていた。どうやら濡れると変色する素材だったらしい。しゅ、趣味悪~
「さあ~て、第1問!」
サトシの所属するプロダクションの社長は中継されるモニタを眺めていた。
「サトシみたいな大きなチンチンが切られる所を見てみたかったんだ。
それに元巨根のブルマ、アイドルなんて絶対にウケるぞ。そうだ。切った奴のレプリカバイブなんか売り出しても面白いかもな」
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投稿:2003.11.13
クイズ番組
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