みなさんこんにちは。
私は○○学園付属○学校に通う女子生徒です。
今日は私たちの学校であった恐ろしくて不思議で
少し滑稽だった事件のことについて話したいと思います。
私と同じクラスのAくんが帰宅途中、突然行方不明になりました。
Aくんはどちらかというとおとなしくて
恥ずかしがり屋さんってかんじの男の子でした。
当然のように捜索願いが出され、あちこちに探し人の張り紙がされました。
誘拐の可能性もあったんですが脅迫の電話はかかってこなかったようでした。
日が経つごとに捜査員の数は減っていき、やがて捜査は打ち切られました。
私たちもAくんのいない教室になれ、三ヶ月ほどでこの失踪事件をあまり
口にすることも無くなりました。
事件があってその三ヶ月ほどたったある日。
その日は、水泳の授業がある日でクラスの女子全員が更衣室を利用してました。
水泳の授業が終わり次はお昼ということで着替え終わったあと、
ゆっくり談笑したり、髪の毛を乾かしたりしていました。
「ピピピピピピピピ ピピピピピピピピ」
突然さほどうるさくもない程度のアラームが聞こえてきました。
おそらくそこにいた女子全員が気づいたと思います。
そのときまだ更衣室から出たクラスの女子はいなかったので、
クラスの女子全員がアラームのなった方向を見ました。
そこにはやや厚手のボール紙でできた箱が私たちの目線のやや上あたりに
柱時計のように壁にかかってました。
箱は壁側の底が切り取られていて、まるで何かを隠してるようでした。
「まさか爆弾?」
と皆は一瞬思いましたが、アラームはすぐ止まってしまいました。
壁に掛かってる箱も安っぽいボール紙なので爆弾は無いだろうってことで
クラスメイトのYさんが自ら名乗り出て掛かってる箱をはずしました。
そこにあらわれたのは「象さん」でした。
少しファンシーで愛嬌があって少し変わった「象さん」が壁に掛かってました。
ちょうどカバンか何かにぶらさげるアクセサリーっぽく壁に掛かってました。
少し変わってるというのは全体はファンシーな象の顔のぬいぐるみなのに
鼻の部分だけリアルな包茎の「おちんちん」でした。
「いやぁ~っ、なにこれ~っ!w」
爆弾じゃないかという緊張感の中に出てきた、どことなく間抜けな象さんに
皆は笑いをこらえられませんでした。
リアルなおちんちんも可愛いおとなしめのおちんちんで象さんの鼻に
よくあってたので、それが皆いっそう可笑しい様子でした。
「えぇ~? 本物みたいw よくできてる~w」
Yさんがシャーペンを取り出すと象さんの鼻を突付きました。
プラプラと鼻が揺れると更衣室の中が笑いにあふれました。
「それって本物の「おちんちん」ってこと?
それとも本物の「象さんの鼻」ってこと?」
「両方!両方!w」
クラスの全員が答えると自分たちの答えに爆笑しました。
「いい感じに包茎だもんね~。なんか剥けちゃったりしてw」
「あ、あたしやってみる~。」
無理無理とみんなに笑いながらツッコミをいれられつつ
Yさんはおそるおそる象さんの鼻をつまむと
そのたくさん余り目の包皮を押し下げました。
ペロリと予想に反して包皮がめくれあがり少し色の悪い
ピンク色の先っちょが顔を出しました。
「ひっ」
Yさんはびっくりして後ずさり、尻餅をつきました。
Yさんが手を離すと包皮はのろのろとゆっくり元にもどりました。
「うわ~!すごいwすごいwよくできてる~!」
みんなは面白そうに象さんの鼻の先端を見つめました。
なかにはあんな風にめくれることを知らない子もいて
もう一回、もう一回とYさんにお願いしました。
しかしYさんは立ち上がれず小さく
「ほ、本物・・」
と答えました。
「そんなわけないでしょ!じゃ一体誰のおちんちんだっていうの?」
「だいたいもし本物で切られちゃったおちんちんならこんなにいい色してないよ。」
そばにいたUさんが象さんに顔を近づけて象さんの鼻をパチンと指で弾きました。
と同時に壁に薄く鉛筆で落書きがあり、漫画の「ふきだし」の形で象さんが
「Aで~すw」と、しゃべってるのにUさんは気づきました。
今でもそのときのUさんの悲鳴は忘れられません。
その後警察が徹底的に更衣室を調べ上げたのち、その更衣室は立ち入り禁止になり
取り壊しが決定されました。
警察の取調べの結果はまったくの悪質なイタズラで、
おちんちんもよくできたおもちゃで、当然Aくんの失踪事件とも関係ないと
先生をとおして伝えられました。
YさんとUさんも一ヶ月ほど学校を休みましたがカウンセリングの効果も
あって元気に登校するようになりました。
やがて更衣室の事件から3ヶ月、Aくんの失踪から半年が経つと
私自身事件のショックが薄らいだ気がします。
でその後おもったことはあの象さんはやっぱり
Aくんのものじゃないかってことです。
警察や先生方がAくんの消息がつかめないこと、そして私たちの心理的な
ショックを与えないようにすることを理由に事実を隠したんだと思います。
おそらく他のクラスメイトの女子もそれは口にださないだけで
同じように考えてると思います。
ひどい話で他の人には言えませんが、むしろあの象さんがAくんで
あってほしいって気持ちもあるんです。
事件のショックが薄れると、あの象さんの滑稽さだけが残ってしまい
Aくんには悪いんですが思い出して笑ってしまうときもあります。
そして、可哀想にもおちんちんを切られ、面白可笑しく見世物にされ
知らなかったとはいえ同じクラスの女の子におもちゃにされて
しまったAくんのことを考えるとサディスティックな気分に
なって少し興奮してしまいます。
もちろんあの象さんがAくんのものだと仮定してです。
おちんちんの色艶がそれなりに良かっただとかは
なにかいい保存方法があっただとか、それこそ切られてすぐだったとか
自分で勝手に納得しています。
そしてなにより犯人が何故こんな事件を起こしたのかってことに
分かる気持ちがしてしまいました。
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投稿:2005.06.26更新:2005.06.29
遺留品
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