撫子党政権発足から一年目の今日、日本男児を更なる恐怖に貶める法案が施行された。郵政民営化ならぬ去勢執行官の民営化だ。これにより日本に在住する外国人問わず全ての婦女子に去勢執行官の権限が与えられることとなった。男子勢は唯怯え、女性との接触を極力避けるようになった。もし、女子の一人が痴漢だのセクハラだのと叫ぶものなら、自分に何の身に覚えが無くとも、その場で有罪にされ去勢されてしまうのだ。また男児達は同じ性別である男にも注意を払わなくてはならなかった。あいつは気に入らないという理由で、女性に嘘の密告をし貶める輩まで現れたからだ。中世の魔女狩りを彷彿させるこの法案の執行に、今日も罪も無い男児の断末魔の叫び声がこだまする。
吉祥寺の中央線の駅ホーム、朝の通勤ラッシュの真っ只中異様な光景が広がっていた。まるで見えない境界線がそこにあるかの如く、男子は男子、女子は女子で完全に別れ電車の到着を待っている。撫子党の去勢民営化法案により、男子達は悲惨な誤解を招かぬよう同じ性別同士で集まり固まることを、余儀なくされていた。女子の集団にいる女子高生達が、まるでサバンナのライオンが獲物であるガゼルを睨み付けるかのような視線を男子の集団に送る。気づいた中年サラリーマンは、手にした週刊誌の活字に目を落とし冷や汗を掻きながら、ひたすら電車の到来を今か今かと待つ。今やこの風景が日常の一ページとして当たり前となっていた。電車の到着を知らせるブザーが鳴り、オレンジ色の車両がホームに入ってくる。男性陣は安堵のため息と共に、いそいそと電車に乗り込む。男性車両女性車両と、JRが分けているわけではないのだが、自然と別れる。と、そこへ急いで階段を駆け上がる音がし、小川 和弘が息を切らせながら閉まりかけたドアに手を入れ車両に乗り込んだ。都内の有名私立大学に通う小川は、二年間の遊びすぎが祟り、取りこぼした単位を取得する為連日大学に通う今時の二十歳の大学生だ。小川は運動不足で上がった息を落ち着かせると、動き出した電車の振動を感じながら、ハッと凍りついた。車両を全く確認しないまま急いで飛び乗ってしまったが為に、事もあろうか女性が陣取る車両に乗っていたのだ。女性達の高圧的な視線が小川に集中する。小川は身を縮め、持っていたバックを床に置き手を後ろに組みドアに張り付いた。男子が一人で女性の陣取る車両に乗って無事に済む訳が無い。小川は次の西荻窪で乗り換えるまでの間、無事にいられますようにと神に祈り、体を震わせていた。
「次は西荻、西荻です。」
車掌のアナウンスが流れ、小川はホッとしバックを拾い降りる準備をした。が、窓越しに見た駅のホームの光景にそんな安堵感は一気に吹き飛ばされてしまった。朝の通勤の時間帯、車両の乗り口は、たくさんの女性達によって埋め尽くされている。ドアが開くと、その集まりが一気に車内へと雪崩れ込んできた。小川はその流れに唯身を任せる他無い。女性達の流れによって小川の体は車両の奥へ奥へと流され、よりにもよって、先ほど男性陣を睨み付けていた女子高生の集団が居座る席の目の前に流されてしまった。三人の内の一人が小川に気が付きサディスティックな笑みを浮かべた。
「おい、何で男が女性専用車両に乗ってんだよ。」
小川の背中を冷たい汗が流れ、口がカラカラになる。
「ほんとだ、マジキモイんですけど。」
「なにアンタ、痴漢でもする気?」
小川は恐怖で何も言えず、唇を震わせ女子高生と目を合わさないよう広告に目をやった。
「おい、何とか言えよ。」
女子高生の蹴りが小川のスネに炸裂する。小川はあまりの痛みにスネを押さえ、しゃがみ込んだ。
「ちょっ、こいつスカート覗き込んだ。」
「はぁっ、ふざけんなよお前。」
「ちっ、違うよ。痛くてしゃがみ込んだだけだよ。」
「皆さん痴漢です。ここに痴漢がいます。」
その女子高生の痴漢という言葉に、車内の女性達の冷たい視線が小川に浴びせられる。
「おい、痴漢したらどうなるか分かってるよなあ。」
小川は今にも泣きそうな顔で首を横に振る。
「とぼけるなよ。キョセイだよ、キョセイ。お前のチンコを切るんだよ。」
「キョセイ、キョセイ、キョセイ。」
車内は去勢コールに包まれ、小川は逃げ出そうと必死に試みたが後ろに立っていたOL風の女性に羽交い絞めにされ身動きが取れなくなった。女子高生はカバンから今まで何人もの男を断ち切った、カッターを取り出すと、小川の目の前で振って見せた。
「明美、こいつのズボン下ろせよ。」
明美と呼ばれた女子高生は小川のベルトを外しズボンとパンツを一気に引きおろした。小川の男として一番大切な部分が露になる。
「何だこれ、小っちゃー。皮かぶってるし。」
「ホントだ、マジウケるんですけどー。」
女子高生は小川の性器を見て大笑いをしている。確かに二十歳の男の性器としては小ぶりでどこか子供っぽい。車内の他の場所からもクスクスという笑い声が聞こえた。
「君、童貞でしょ?」
OL風の女性が小川の耳元で囁く。小川は性器を隠す為に股に挟もうと足をモジモジさせている。
「オイお姉さまに答えろよ、このチンカスやろう。」
罵倒と共に女子高生の鋭い蹴りが小川のペニスに直撃した。ぐうっという呻きと共に小川の体が本能的に鯖折になろうとしたが、OL風の羽交い絞めによりそれもままならない。
「ねえ、素直に答えたら去勢される前に、男の子として最初で最後のSEXを体感させてあげてもいいわ。君みたいな可愛い顔をした、おちんちんの小さい子が私の好みなの。」
小川に選択の余地は無かった。もはや、どう足掻いても去勢が取り止めになることは無いだろう。なら、せめて最後に。
「童貞です。僕は童貞です。」
「そう、やっぱり。おちんちんを見たらすぐに分かったわ。じゃあ、素直に白状したご褒美、私の中に入れさせてあげる。」
OL風は小川の小さいペニスを握ると優しく扱き始めた。ペニスはみるみる内に勃起したがそれでも7cmほどの大きさにしかならなかった。
「はははは、お前勃起してもその大きさかよ。そんなんじゃマンコに入らねーっうの。」
女子高生の野次がとぶ。小川は何も気にせず唯快楽に身を委ねた。
「そろそろいいかな。」
OL風は、スカートの中のパンツをずらし、大切なピンクの秘肉を露にさせると小川の短いそれを、熱く濡れている自分の中へと挿入した。小川はアッアアアというあえぎ声を上げ女性と一体になる喜びを感じた。
「ふふっ、ホントに小さいわね。あなたのおちんちん。この物足りなさが何ともいえないの。コラッ、あんまり早く動いたら抜けちゃうでしょ。小さいなりに小刻みに腰を動かしなさい。」
小川は、イキそうになるのを必死に耐え、出来るだけ長い時間男としての最後の喜びを感じようとしていた。
「結構頑張るのね。可愛い。でも、そろそろおちんちんにバイバイしようね。そこの娘、そのカッターでおちんちんを切ってあげなさい。」
女子高生は待ってましたと言わんばかりに席を立ち、カッターの刃を小川の耳元でカチカチと出して見せた。
「切るって、このまま中に入れてるまま切るんですか?」
「そう、私の中で男の子としての喜びと男の子でなくなる痛みを同時に感じさせてあげるの。」
「はぁ~お姉さんいい趣味してるね。」
女子高生は二人の結合部分にカッターを入れると、下から小川のペニスに刃を当てた。
「あまり動かさないでくださいよ。手元が狂ってお姉さんの大事なビラビラを切っちゃうかも。」
「大丈夫、そんなことをしたらあなたのも切っちゃうから。」
笑えない冗談に二人の女性は爆笑した。
「それじゃあ、いきますよ。オイ短小野郎、せいぜいチンコが体にくっ付いている間楽しめよ。」
カッターの刃がペニスに食い込む。小川は目を最大に見開き涙を零しながらOL風の体にしがみ付いた。OL風はしっかりと小川の体を抱きしめると、頭をよしよしと撫で、愛しそうに頬っぺたにキスをした。その間にも刃は小川の男性自身を切り離そうと上下に動き続け、半分ぐらいにまで切れ目が入った。
「今半分くらい切れた。お前の男としての人生も後少しだからな。」
女子高生は手を真っ赤な鮮血に染めペニスの切断を楽しんでいる。小川は、去勢の痛みをセックスの快楽でかき消そうと腰を小刻みに動かしている。と、女子高生の手に血液以外の白い液体がかかった。
「こいつチンコ切られてるくせに射精した~超マジ受けるんだけど。こいつ本当はチンコ切られたかったんじゃねーの。まあ、これで思い残すこともねえだろ。最後の部分をきるぞ。」
女子高生は、かろうじて繋がっている小川の男の部分を一気に切り裂いた。電車の揺れと共に気を失った小川の体は、OL風の股間から離れ後ろにいた女性に倒れ掛かった。OL風は膣に残された小川の男だった部分を抜き取ると女子高生に手渡した。女子高生はそれを受け取るとカバンの中から、戦利品であるペニスのストラップがたくさん付いた携帯を取り出し新たに小川のモノを加えた。
「あなた、いいセンスしてるわね。私は中村 麗子。撫子党の幹事長よ。良かったらウチで秘書でもしてみない?」
OL風の女性はまさしく撫子党の幹事長中村 麗子その人であった。中村幹事長は名刺を女子高生に渡すと次の停車駅の新宿で降り、そそくさと東口のロータリーに止めてある黒塗りのGZG50センチュリーに飛び乗った。
「幹事長どうして途中まで電車で通勤されるんですか?」
運転手の女性が不思議そうに尋ねる。
「だって、思わぬ去勢現場に出くわせるかもしれないでしょ?今度はワザと男性車両に乗り込んで、男どもを去勢しまくってやろうかしら。」
幹事長は本当に楽しそうにしている。車は眩しい朝日を浴びながら、ロータリーの中をゆっくりと回ると講演会場に向けて走り出した。
<完>
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投稿:2006.12.01
女性執行官3 <中央線 快速去勢電車>
著者 イルサ 様 / アクセス 18006 / ♥ 1