『DC-10』、それがこの人身売買組織でボクに与えられた新しい名前だ。
新しい名前・・・といっても前に名前があったかどうかは分からない。
どういう経緯で自分が組織の商品になったのか、・・・もう覚えていないからだ。
親に売り飛ばされたのか。
それとも自分から志願したのか。
はたまた、組織で生まれ、育てられたのか。
確かなことは、ある日気付いたら組織で商品としての価値を高めるため調教を受けている自分がいた、ということだけだ。
「おめでとう、貴方の買い手が決まったわ」
ある日、いつものように調教室に入ったボクに調教師であるレイカ様が発した言葉がそれだった。
「今日は調教の中止よ、部屋に戻ってゆっくり休みなさい」
ああ、ついにこの日が来てしまった。
ベッドで毛布にくるまりながらボクは震えた。
この組織では商品の買い手が決まると、その買い手の要望に応じて商品を加工する。
加工というのは、散髪などの簡単なものもあれば、外科手術を用いて行う大掛かりなものまである。
1ヶ月前に、買い手が決まった先輩などはクライアントが隻眼の商品を求めたため眼球を除去された。
ボクはどうされてしまうのだろうか。
できれば、外科手術はされたくないのだけれど。
そんなことを考えながらボクは眠りに落ちていった・・・
「起きなさい」
レイカ様の声でボクは目覚めた。
レイカ様がボクを起こしにくるなんて、いままでにないことだ。
「今日は、貴方の加工を行うわ」
昨日の今日でもう、加工とは!
ボクはどんな加工をされるのだろう。
「レ、レイカ様、ボクはどのような加工をされるのでしょうか?」
緊張のあまり、声を震わせながらボクが聞くと
「フフフ、そんなに心配することないわよ、今回、貴方に行われる加工は1件だけなの」
1件!ボクは驚いた、だってボクの先輩達は皆、多くて30件、すくても5件ぐらいの加工を行われていたから。
(ああ、1件で済んでよかった)
しかし、そんなボクの甘い考えは次の瞬間のレイカ様の言葉によっていとも簡単に打ち破られるのでした。
「じゃあ貴方に行われる加工を説明すわね。至ってシンプルよ。ペニスの切断のみ。」
ボクは一瞬、自分の耳を疑いました。
え、なんで。ペニスの切断?
それってオチンチンを切っちゃうってコト?
そんなのイヤだよ。
ボクが恐るべき加工の内容に、驚き混乱している中、レイカ様の非情な宣告は続きます。
「あ、ちなみにクラアントの要望でペニスの切断は麻酔無しでやるから、覚悟してね♪」
あまりのコトにボクの頭は真っ白になってしまいました。
「それじゃあ、準備お願いします。」
レイカ様そういうと、作業服の男達がギロチンを持って現れた。
え、まさかあれでボクのオチンチンを?
ボクが恐怖と混乱で蒼白な顔をしていると、レイカ様が優しい声をかけてくださいました。
「大丈夫、ちゃんと処置が終わったら止血するから、生命の危険はないのよ?」
そういう問題ではありません、レイカ様は女性でいらっしゃるから分からないのです。
男にとってペニスを失うということがどれほど恐ろしいことなのかを。
「お、お願いです、オチンチンだけは!オチンチンを切るのだけは勘弁してくださいっ!」
ボクは思わずレイカ様にそういってしまいました。
商品が人間に逆らうことがあってはならないというのに・・・
「んぅ〜、そうねぇ、調教を始めてから3年、貴方からそんな風にお願いされたことなかったわねぇ」
こ、これはもしかしたら許してもらえるのかも!
「よし、決めたわ、この3年間の貴方の従順に免じてチャンスをあげる」
「チャ、チャンスとは・・・?」
ボクは恐る恐るレイカ様に質問しました。
「このギロチンはこのツナを離すと刃が落ちてペニスを切断するという仕組みになっているわ」
先ほど男達が持ってきたギロチンに付いているツナを掴みながらレイカ様が続けます。
「これを口にくわえて100秒間、耐え切ることが出来たなら、ペニス切断をやめてあげるわ」
「ありがとうございます、レイカ様、本当にありがとうございます」
ボクは、自分のオチンチンが助かる道が出来たことが嬉しくて涙を流しながらレイカ様に感謝しました。
「あら、感謝するのは100秒耐え切ってからになさい?このギロチン、軽く見ても5キロはあるわよ」
「が、がんばって、耐え切って見せます」
「まぁいいわ、時間もおしていることだし早いトコ済ませちゃいましょう。じゃあ商品の固定はじめて」
レイカ様が男達に指示をだすと、男達がキビキビとボクの身体をギロチンにセットしていきます。
オチンチンが恐怖で縮みあがってしまっていたのですが、無理やり扱かれて大きくされ台に固定されました。
「ほら、これを銜えるんだ」
オチンチンのセットが終わると、男がボクの口にツナを押し込みました。
「よし、しっかり銜えたな、今はストッパーがあるから、そのツナを離しても刃は落ちないがストッパーを外した状態でそのツナを離すと刃が落ちるから気をつけろよ」
「準備が完了したわね、それじゃあ、そろそろスタートしようか、じゃあイチ、ニのサンでストッパーを外すわね」
「わ、わかりました」
ボクがうなずくとレイカ様はニッコリ笑って、ストッパーを外しました。
そして今に至るというわけです。
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投稿:2008.03.22更新:2008.03.22
DC-10
挿絵あり 著者 木陰 様 / アクセス 25813 / ♥ 16