エデンに入るのは半年振りだろうか。
「あら、みゆきちゃん。お久しぶり」
支配人の亜美さんは笑顔で出迎える。
地下に続くエレベーターを降りる。鉄扉の向こうは、このお店のオーナーである亜美さんの治める異世界がある。天文学的な資産を持つ限られたセレブリティが、人に語ることの出来ない欲望を叶えようと創り出した場所。男女問わず好みの人間を監禁し、性奴隷として奉仕させる。中には望まない子供やスペアの臓器用の人間を飼っておく者もいる。
「彼。元気にしてますか?」
「ふふ。がんばってるわよ。今もお仕事中じゃないかしら」
地下といっても50メートルプールが入る広さに何階層か分からないほどの広大な構造物だ。その最初の階層には、約3階分を抜いて造った大きな劇場が設けられている。すり鉢を半分にしたような形状。その中央にステージがある。私は最上段から劇場の中に入ると、空いているボックス席に通された。
ステージ中央では、両手を吊られた全裸の男が後ろから膝を抱えられて、大股開きの姿をさらしていた。しかし、男というにはあまりにも奇妙な体である。脱毛処理された股間には男としてのシンボルであるペニスはない。陰嚢がぶら下がっているだけだ。
「や、やめて。それは嫌だぁ」
聞き覚えのある声。
「ずいぶん体つきが変わりましたね」
「別に何もしてないのよ。あなたの指示通り豊胸も女性ホルモンもしていなし」
「それなのに、すごく女の子みたいになってません?」
「髪が伸びたせいかな。もともと、可愛らしい顔つきだし、運動もさせてないし……。まだここに慣れてないのかしら、食も細いの」
細くなり、髪が伸びたのは確かにそうだ。
「乳首が大きくなったでしょ? あれはあの子を気に入った人が毎日のように乳首を責めるものだからああなっちゃったのよ。ふふ」
女の子のようだと感じたのは一番の理由は胸だろう。乳首が肥大して、乳頭は小指の先ほどの大きさだ。わずかに乳房が膨れている。これは、毎日のように胸を弄られいるせいなのかもしれない。とにかく、男としても女としても中途半端な体つきである。
半年前はもう少し男らしい体つきをしていた。
彼の股間の下に、腕の太さほどのディルドがあてがわれた。
「やだ、いやだぁああ」
肛門をディルドが押し広げる。
「入らないぃ! 裂けるぅ!」
後ろから膝を抱えられ、抵抗できない。
足の先だけがバタバタと空をさまよい、傘上のディルドの先端部分が押し込まれると細かな痙攣を起した。
「んぐぅぅ」
ステージ上の集音マイクがぶちゅっという音を拾った。
すると陰嚢の下から、白い液体がこぼれた。
彼の尿道は陰嚢と肛門の間にある。大きなディルドをお尻の穴に挿入され、トコロテンしてしまったようだ。
会場から笑いが漏れる。
会場はほぼ満席のようだ。ほとんどが男性客で私のような女性客は珍しい。
各々が自分達の奴隷に愛撫させながら、ショーを楽しんでいた。
パシンと乾いた音が鳴った。
ボンテージ姿の女。乳房と股間はむき出しの衣装だ。そんな彼女の持つ鞭が彼の無防備な急所を襲ったのだ。
悲鳴が会場に響いた。
パシンっ、ビシっ。容赦のない鞭が寸分たがわず睾丸を捕らえる。
同時に膝を抱えていた男が、彼を上下させる。
「ひぃいいいっ」
ディルドが容赦なく肛門を貫き、腹の中をかき回す。
傘の部分に引っかかり、肛門が捲れ、ディルドと一緒ににピンク色の直腸が飛び出ては消える。
彼は失禁し、小水が飛び散るがかまわず続ける。
「ふふふ。いたそー」
ぞくぞくと股間が熱くなった。
「あら。みゆきちゃんのそれって……まさか」
「そうなんです。やっと感覚がつながって」
私はミニのスカートを捲り、ショーツからはみ出したそれを見せた。
「いやん。逞しいわね。それじゃあ早速、サービスしなくちゃ」
亜美さんが手をパンパンと叩く。
首輪を施された全裸の少女が現れた。
「じゃあ、ごゆっくり」
亜美さんはそう言うとボックス席を出て行った。
少女は私の股間に生えた男性器を見て最初はびっくりしたが、すぐに「宜しくお願いいたししますと言って」愛撫を始めた。
「あっ」
亀頭に舌が絡みついていく。
いい……。
私は少女の頭を掴んで、股間へ押し付けた。
ステージでは、容赦の無い責めが続いている。
鞭打ちされるたびに睾丸は千切れそうなくらい弾き飛ばされては、元にの場所へときゅっと戻る。女の私から見ればまるで作り物のようだが、彼にとってはすごく敏感でとっても痛い場所なんだろうなというのが、彼の苦しみを見ていて伝わってくる。
彼の眼前には、彼の苦しみを肴に愛撫を楽しんでいる大勢の観客が広がっているのだ。彼にはもう一生得ることのできない男性器の快感を、目の前にいる観衆は当たり前のように愉しんでいる。
どんな気持ちかな。
ふふっ。私もその中にいるのよ。
彼は覚えているかしら?
出会い系で知り合った女の一人だから覚えていないかな。
まさか、おちんちんの品定めのためにエッチする女がいたなんて思いもよらないでしょうね。
彼のおちんちんを切り落としたのもこのステージだった。
気を失って連れてこられた彼が目を覚まして、衆人環視の中でびっくりしていたのが忘れられない。切り落とした彼のおちんちんは、私のクリトリスとつながり着生した。
「ああん。イぃ……イク」
可哀想にね。
でも、あなたのおちんちんは私が代わりに味わってあげる。
了
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投稿:2009.04.15更新:2009.04.17
エデン
著者 エイト 様 / アクセス 17945 / ♥ 7