宮原 晶(しょう)は高鳴る鼓動を押さえながら部屋の扉を開けた。
ここは晶の通う進学塾の自習室。
商店やビルが数多く建ち並ぶ表通りの一角にあるビルの2階だ。
晶は窓際の席に座って通りの向こうに目をやる。真正面に見えるのは3階建てのビル。
ガラス張りになっている2階には「バレエ教室」と書かれている。
そして、ガラス越しにレオタードを着た生徒が綺麗に見えている。
バレエ教室と言えば普通なら壁には全て鏡が張られていて、外から練習風景が見える
などということはないはずだが、バレエについてそれほど知っているわけもない晶は
気にも留めなかった。
それよりも晶が夢中になっていたのは、そこで練習に励んでいる女の子たちだった。
バーにつかまり足を上げている女の子。ゆったりとターンをしている女の子。
思い思いの動きをしている彼女らの誰もが美しく見える。
レオタードをまとった細い体。白いタイツに包まれたすらりとした脚が動き、
大きく開脚すると、ピンクの布地に覆われた股が小さく、しかしはっきりと見える。
その度に晶は興奮していた。胸がドキドキしてちんちんが固くなってくる。
まだ11歳になったばかりの晶は射精をしたことがない。
だが、エッチなものを見るとちんちんが勃起することはわかっていた。
普段見ることなんてできない女の子のお股が見える!
晶は自分だけのひそやかな楽しみを見つけてうれしくなっていた。それまで苦痛だった
塾にも喜んで通うようになった。そして授業が終わると、特に用もないのに自習室に
入り浸り、勉強をするふりをしながら少女たちの練習を眺めているのだった。
ある日。お使いの途中で、晶はバレエ教室のあるビルの前を通りかかった。
いつもは道を隔てた向こう側の教室が目の前にある。晶はビルの2階を見上げた。
今日はレッスンがお休みなのか、窓には一面ブラインドがかかっていた。
当然、生徒の女の子たちの姿は見えない。
がっかりする一方、こんな近くからのぞき見する勇気のない晶はほっとしていた。
それでも名残惜しそうに教室を見上げていると、
「あら、キミどうしたの?」
ふいに声がして、振り返ると若い女性が立っていた。長い黒髪をポニーテールに纏めている。
(バレエ教室の先生だ!)
「バレエに興味があるの?」
微笑みながら女性は晶に尋ねる。今まで遠目にしか見たことがなかったが、近くで見ると
美人の先生だ。
「え、えっと、あの……」
突然の問いかけにびっくりして口ごもっていると、
「ちょうど良かった。今体験レッスンを受け付けているのよ。キミもいらっしゃい」
「え?」
晶が返答するよりも早く、女性は晶の手を取って半ば強引にビルの中に入れた。
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投稿:2009.06.07更新:2009.06.07
体験レッスン〜1〜
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