良祐と秋菜
小学5年生の少年、良祐。
彼はこの間までごくごく平凡な生活を送っていた。
が、つい先月母親が交通事故で死んだ。
それを境に、父親が本性を曝け出したのだ。
「良祐ェ!調子にのってんじゃねえぞ!!」
父親が良祐の腹を蹴り飛ばす。
これでもう何回目だろう。父親は虐待を始めるようになったのだ。
今回はビールの買出しでただ種類が違っただけで、だ。
「ご、ごめんなさい・・・」
「うるせえよ、このゴミムシが!」
父親が良祐の髪を掴んで、頬を叩いた。
「もういい!俺が買って来る!!この役立たずが・・・・帰ってきたらただじゃおかねえぞ!?」
父親が髪から手を離し、ドカドカと早歩きで玄関から出て行ってしまう。
(こ・・・・殺される・・・このままじゃ殺される!)
良祐は電話の子機を掴み、110番を押した。
その時だった。
「てめえ・・・・何してやがる?」
玄関から顔を除かせているのは父親だった。
「何時かはすると思ってたんだが・・・・」
「あ、あの・・・・その」
父親が無造作に良祐に詰め寄り、殴り飛ばした
「ぎゃっ!」
「てめえがそういうんならしょうがねえ。俺が二度と生意気な口聞けねえ身体にしてやるよ!!」
そういって父親がポケットからハンカチを取り出し、良祐の口に押し付ける!
「ムグッ・・・」
良祐の意識は一瞬で闇に落ちた。
次に良祐が起きたのは小さな部屋のベッドの上だった。
「気がついた?」
長髪のスタイルのいい白衣を着た女性が良祐の隣に立っていた。
良祐は跳ね上がる様に起き、身構えた。
「怖がらないで。ここは病院だから。」
「え・・・・?お、お父さんは・・・・」
「近所の人から通報が合って、警察が駆けつけてきてくれたのよ。お父さんは今警察にいるわ」
「ほ、ほんと?良かった・・・・・僕、あのままじゃ殺されてたかも。そうじゃなくても何をされるか・・・・」
その言葉に白衣の女性は息を詰まらせた。
「わ、私まだ仕事があるから。もし何かあったら呼んでね?」
「うん。」
白衣の女性はやや早歩きで部屋を後にした。
安心したせいでか、急に尿意がした。
良祐はキョロキョロと辺りを見回して、立ち上がった。
何だか歩きにくい。身体に違和感があった。
看護師を捕まえて洗面所の道を聞いたりし、10分ほど探して良祐は良祐は辿り着いた。
男性用の小便器の前に急いで仁王立ちし、放尿する。
「ふぅー・・・・あぶなかったぁ。」
しかし、小便は太腿を伝い、パンツやズボンをぬらしていくだけだった。
「!?」
慌てて良祐は下を向いた。そしてそこにあったのは予想外の物だった。
「ち、ちんちんが・・・・・」
男性器が無かった。代わりに膨らんだ恥丘に、うっすらと割れ目が除いているだけだった。
良祐はおそるおそる下半身に手を伸ばした。
無い。
小便が指にかかることも忘れ、割れ目に指を入れる。
割れ目が指を吸い込んだだけで、今まで見慣れたものはなくなっていた。
「あ・・・・あああ」
鏡の前に立つ。
しかし、虚しいだけだった。
「ああああああああああ!!」
良祐は目の前が真っ暗になった。