我が国では20XX年、増加し過ぎた性犯罪を減らすべく、ついに去勢刑(男性のみ)の導入を決定した。
去勢刑の導入によって、痴漢等の被害は減少していったかにみえたが実際には更に増加してしまった。
しかし冤罪によって無実の者が去勢されるケースがほとんどであった。
僕は大学生のK。これから電車に乗って大学に行く所だ。だけど、なるべく電車には乗りたく無かった。最近は痴漢の被害が増えている。しかし実際にはほとんどが冤罪らしい。痴漢の無罪を証明する方法はほぼ無い。そのため、起訴されてしまったら99パーセント有罪になってしまう。しかし経済的にも交通機関は電車しか使えない。今日も痴漢と間違われないようにしなきゃ…
「間もなく、4番線に電車が参ります。危ないですから黄色い線の内側までお下がりください。」
電車に乗った。この駅から目的地までは40分程かかる。席は空いてなかったので吊り革に捕まっていた。昨日は夜遅くまで勉強していた。とても眠い…
「この人痴漢です!」
不意に女子高生の大きな声が車内に響いた。どうやら眠っていたらしい。
…たくさんの人の視線を感じる。右手が上げられていれ。はめられた!
見るとその女子高生の周りには友達と思われる別の女子高生が4人いた。
「次の駅で一緒に降りてもらいます。」
逃げようと思ったが混んでいて身動きがとれない。そうこうしている内に次の駅に着いてしまった。
なんとか逃げようとするが女子高生達に引っ張られてしまい、ホームに出された。
「自分がしたことわかってる?」
「痴漢とサイアクなんですけど。」
等と言われている内に駅員が来てしまった。一番頭の良さそうな娘が事情を話している。どうやら僕は警察に渡されるらしい…
続く
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投稿:2009.11.23更新:2009.11.23
痴漢冤罪(前編)
著者 ニャー 様 / アクセス 13607 / ♥ 0