「はあっ、はあっ、はあっ」
自分の息遣いがそこらじゅうに響いている。それに混じってバラバラと確実に迫ってくる足音。
坂道をもうずいぶん駆け上がってきたけど、あいつらはまだ全然、へばった様子はない。それに比べ、ボクはもう息をするのもやっとだ。
海の光がまぶしく遠くに見えている。丘の頂近くまで来てしまったようだ?
やっとの思いで数歩進むと、道は大きく曲がって2つに分かれていた。海に向かう崖に沿って1本は左に曲がり緩やかに下っている。もう1本はその道の脇、海とは反対側の草むらのようなところをくねくねとさらに上がる階段。
後ろを振り返ると青いシャツを着た3人が猛烈な勢いで坂を上ってくるのが見えた。
やばい、つかまっちゃう。
「逃げても無駄だぞぉ」
ボクはとっさに海沿いのガードレールに飛び乗っていた。
男たちの声が頭の上で響く。青臭い魚の臭いがここからでも鼻につくようだ。
「あっちの下りに行ったってことはねえべな。ついさっきまでひょろひょろ白い太ももが見えてたからな」
「ってことはこの階段登ってったか」
「よっこらしょい、おらおら、逃げても無駄だぞぃ。この先は神社しかねえからな」
しばらくすると頭上の声が静かになった。階段を登っていったのだろうか?
ボクは崖下の草の根を掴んで身体を持ち上げた。
「はい、ご苦労さん」
急に手を掴まれた。
道の上に男たちが立ってボクを見下ろしていた。
ボクはガードレールの下から熱いアスファルトの道路上に思い切り引き揚げられた。
「真っ白い尻だなぁ」
崖から持ち上げられるときに脱げてしまったらしい、ブリーフが膝まで落ちている。
「よっこらせ」
ボクは道の上でうつぶせから仰向きに ひっくり返された。
ボクは股間を隠そうと縮こまる。
「おらおら隠すな」
もうひとりの男が足首を掴んで僕は道の上に広げられた。
「俺たちは漁師だから、魚の扱いにはなれてんだが・・・」
手のあいている3人目の男がボクの傍らにしゃがみこんだ。
ボクの股間をつまみ、フンと鼻を鳴らした。
「魚臭え」
「それはお前だろ」
つい、口に出た言葉が聞こえてしまったようだ。男はボクのあそこをひねりあげた。
「ぎゃ」
「どうしたらいいかなあ」
男がしゃがんだまま、ボクのあそこを揉みしだく。
「去勢だな」
「だな」
「きょ、去勢って・・・」
足首を掴んでいる男がボクの太ももを蹴り上げる。
「タマタマを取っちゃうってことさ。チンコも切り取ってやるよ」
「や、やめてください。ボクが何をしたって言うんです?」
「愛ちゃんに手ぇ出しただろ」
「俺たちのマドンナだからなあ、愛ちゃんは」
「愛ちゃんってケーキ屋の?」
「そうだ、芹沢愛子ちゃんだ」
芹沢愛子。ボクのいとこだ。この町に来たときに迎えに来てくれて、ケーキもご馳走してくれて、町も案内してくれた。たけど、それだけで・・・
「手なんか出してません!」
「じゃ、ここ出したのか」
しゃがんだ男が、陰茎をぐいと握り締める。
「ぎゃあ。・・・何もしていません。あの子はボクのボクのいとこで」
「いとこぉ? 下手なウソつくな」
「ほんとです。愛ちゃんに訊いてもらえばわかります」
「まあ、お前らがいちゃついてたのはみんな見てみるんだ」
「そ、そんな。町を案内してもらっていただけです」
そう言えば、町の中で男たちの視線が厳しかったような気がしていた。漁師町だからよそ者に警戒心があるのかと思っていたけど、そんな風に思っていたなんて」
「いとこ同士なら結婚もできるしな」
頭の上から低い声が響く。熊みたいなヒゲ面の顔の男だ。
「まあ、何もしてなくても、もう、手遅れなんだよ。今じゃ、この町の男は全員、お前の敵だかんな。でも、そうだな。お前にもちゃんすをやるべ。今から、俺がお前のチンチン可愛がってやるからよ、我慢できたら去勢は簡便してやろう。種なしなら、愛ちゃんも傷ものになってねえべからな」
「それがいいな」
男たちはにやりと笑った。
男は、ボクの身体の反対側、左側に座りなおすと右手で根元から亀頭へとぐいぐいと絞りたてていく。
「ほれほれ、おっきしろ」
「ぐっ」
「どうだ、どうだ」
「シンちゃんの揉みに耐えた男はいねえからな」
「シンちゃん」と呼ばれた男の左手がボクの乳首に伸びて弄り回す。
「股、開かして。尻持ち上げて」
両足を抱えた男がボクの下半身を持ち上げる。
シンちゃんは胸ポケットからコンドームを取り出すと、すぱっとそれを右手の薬指と小指にかぶせた。
「お前、ケツ掘られたことはあるか?」
ボクは猛烈に首を横に振る。
「お願いです。謝りますから、助けてください」
シンちゃんはコンドームをボクの肛門に突き刺した。
「ぐええ」
コンドームで肛門の中を攻め立てながら、別の指で睾丸を弄り回す。
ボクは思わず勃起してしまう。
「ほらほら、お前はケツのアナに指入れられて勃っちまうようなヘンタイなんだな。そんな奴が愛ちゃんと話をしただけでも罪だべ」
「そだそだ」
「こっちはお前やれ」
シンちゃんは右手をボクの肛門から抜いて両手で玉と棒を責め始めた。足首担当の男がボクの両足を肩に載せた。今度はこいつがボクの尻を責めるらしい。
「お前はこっちだ」
両手を持っていた男はボクの顔の上にしゃがみこむとボクの乳首をもてあそび始めた。
ペニス、肛門、乳首を同時に攻め立てられる。
「いいかあ、イッちまったら去勢だかんな」
「やめてええええ」
頭の中が真っ白になって、ボクの股間はドクドクし始めた。
「出す前に言えよ。手が汚れたらひどい目に合わすぞ」
「まあ、その後、去勢だけどよ」
「ダメ、ダメ、出ちゃうう」
男が腰からさらしに巻いた包丁を取り出した。よく磨かれた刃が陽光にきらめく。
「俺たちは漁師だから魚さばくのはなれてるだべ」
包丁の切っ先で亀頭から精液をすくい取る。
「けど、俺の手に掛けてくれたから、簡単には切らねえ」
「チンコむしりとってやろうぜえ」
熊顔の男が言う。
「玉もむしりとるぞ」
「や、やめて」
「まあ、どっちにしても楽には切り取られねえよ」
「俺たちのマドンナだからなあ、愛ちゃんは」
「まずは、毛に火をつけて」
「逆さ釣りもいいかな。ちんぽに針刺して」
「た、助けて・・・」
どうして、ただ、ひとりの女の子と少しだけ話をしただけなのに。
「ここでやるか」
「そうだ、愛ちゃんに切り取らせようか。ガラスのかけらかなんか、でさ」
「ガラスじゃ切れすぎだべ。スパっていっちゃつまんねえぞ」
「貝殻でギリギリ切るのがいいじゃねえか」
「おお、貝殻もいいな。愛ちゃんが泣きながら男の玉を切り取るの、見てえなあ」
「やめてください・・・」
「じゃあ、若衆宿連れてってやるべ」
「そうだな、こんな生っちろい尻なら、みんな喜ぶべ」
「今度はもうねげられないぞ」
ボクは素っ裸にされ、首と股間に縄を巻かれた。両手を後手に縛られ少しでも屈むと股間に縄が食い込む。
「さ、歩け」
ボクは汚れた股間をさらしたまま坂道を下らされた。
(つづく)
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投稿:2011.04.24更新:2011.04.24
若衆宿伝説(1)
著者 はちまき 様 / アクセス 9736 / ♥ 2