カストルは落ちこぼれの下級兵士であった。戦場での成績は芳しくなく、敵を倒した数よりも武器を放り投げて逃げ出した数のほうが多かったぐらいだ。
カストルは軍に所属した16の頃から既に、痛い、傷つく、死ぬといったことを非常に怖がる臆病な性格をしていた。彼は彼の部隊内でも一番の臆病者として笑い者だった。
かといって、他に定職に就くあてもないカストルは、実の弟ポルクを一人で養う為にもバカにされながら軍にとどまるしかなかった。
カストルの人生が劇的に変わるきっかけは、彼が18になった夏のころに起こった。
酒場でこっそりと自分を慰めていたカストルの隣に、フードを被った怪しげな男が座ってきた。男は顔中に真っ黒な刺青を彫った風体から、呪い師の類のようだった。
「おにいさん、あんたひどく飲んでるねえ。ちょっと俺にその訳を聞かせてくれや。」
このような胡散臭い男に普段なら構うはずのないカストルだったが、酔いのまわりもあってか、彼は自分のことについて全部話した。
「とにかく、痛いのは嫌なんだよ。あーあ、どれだけ敵に斬られても痛くなければいいのに。」
「ほう、面白い。それなら私がいい方法を持っているぞ。」
呪い師はカストルを店から連れ出すと、自分の工房へと招待した。床下の秘密倉庫に潜ると、何かが詰まった瓶を持ってくる。
「こいつはドラゴンの血で作った貴重な魔薬だ。これを全身に塗りこんだ奴は痛みを感じなくなって、おまけにとんでもなく早く傷が癒えるようになる。こいつをお前にプレゼントしてやろう。」
「し、しかし、俺は金なんて持ってないぞ・・・?」
案ずるな、と言いながら、さっそく呪い師はカストルの着衣を脱がし、程よく鍛えられた身体に真っ赤な軟膏を擦り込んでいく。
「御代は結構、ただ俺は、この薬がお前にとってどういう結末をもたらすのか、それが見たいだけなんだよ。」
それ以降カストルの評判は一転する。以前はあれほど戦場にいくのを怖がっていた男が、逃げもせず隠れもせず数多の敵をめった斬りにしていく様は、誰もが口をぽかんと開けて見ているしかないほどであった。
カストルは本当に痛みを感じなくなっていた。負わされた傷はすぐ塞がり始め、斬られる前よりもどんどん元気になっていく。もはや恐れるもののないカストルは、斬っても突いても堪えない自分を怖がる雑兵に腹がよじれるほど笑いながら、彼らの首を跳ね飛ばしていった。
やがてカストルを臆病者の腰ぬけだと言う者は一人もいなくなった。それどころか出陣する戦争全てでおびただしい死体を築き上げた彼は、あっというまに国の英雄とまで呼ばれるようになった。
「にいちゃんすごいなあ。にいちゃんの弟であることは僕の誇りだよ。」
弟のポルクとともに、カストルは今や国内有数の豪邸に住まうことができるようになった。
その後も幾累々の屍を作り、良い戦績を収めた彼は、「戦神の子」カストルと称されるようになる。カストルはこの世の全てを手に入れたような幸福感に酔いしれていた。
しかしながら、彼の肉体は万能、というわけにもいかなかった。戦闘時においてのカストルは傷つけば傷つくほど凄まじい士気上昇を起こし、身体にもより筋肉が増え、強靭に鍛えられていく。そうして敵を皆殺しにしていくが、クールダウンが間に合わないのだ。
ゆえに戦闘状態が一段落すると、カストルは何とか興奮状態を鎮めようとするのだが、結局その一日は一睡もすることができないほど、身体が落ち付いていられなくなる。
また、戦いで気分が高揚するのと比例して、カストルは性欲も強くなるようになった。戦闘が終わると宿営地には必ず彼専用の管理売春婦が数名準備しており、カストルは獣のように彼女らを貪った。しかしいくら柔らかい膣内を犯そうが、彼の性欲が底を見せることは少ない。しかも、一人もカストルの子を孕んだ者がいないのだ。
挙句の果てには味方の若い少年兵をテントに連れ込み、ようやくそれで満足いくという暴君ぶりを見せつけるようになったカストルだったが、そのことについて、文句を言える立場にあるものはいないのだった。
そんな折、カストルの武勇伝を恐れた敵国が盗賊を雇い、学堂の遠征学習中で出掛けていたポルクを人質に捕まえてしまった。
既に兵を一万は従える身分になっていたカストルだったが、誘拐犯の要求を飲み、単身で彼らの指定した国境地帯へ赴く。
連戦連勝のカストルは奢っていた。たかが盗賊の類など、今の自分に適うはずもない。そうたかをくくっていたことで、彼の運命はここからおおきく逆転することになる。
言われたとおりの場所に到着すると、そこには戦争によって壊された人っ子ひとり気配のない廃墟が広がっていた。
「おい!言われたとおり一人きりだぜ?俺の弟を返してもらおうかぁ!?」
カストルが怒鳴った瞬間、突如地面がさく裂した。いや、地面だけではない。周囲の建物の残骸からも、無数の爆風がカストルを中心に巻き起こった。
流石のカストルも轟音に鼓膜は破れ、熱風で肌が溶けるように爛れていく。肉に何かの破片がたくさん埋まっていくのを感じて、カストルは意識を失った。
カストルが目を覚ましたのは敵国に運ばれた後だった。残っていた廃墟が一瞬で吹き飛ぶほどの爆薬が一斉に点火されたにも関わらず、カストルは生きていた。しかしまったく無事という訳ではない。
「あ・・・ああっ、ああああっ!ないっ!!」
首を起こしたカストルはあまりの光景に驚愕した。手足がない。両手両足ともに、全て付け根からなくなっていた。
カストルは素っ裸でムシロの上に転がされていた。淀みのない筋肉の鎧を纏ったカストルの胴体、そのすぐ横には生焼けの炭と化した手足の亡骸が添えられている。
「起きたか、あれだけ派手に吹っ飛んだというのにまだ生きているとは、やはり神の子というのは本当のようだな。」
高官らしき男が近衛兵を引き連れカストルを見降ろした。彼こそ盗賊を雇ってカストルを襲わせた張本人だった。
一挙に人間としての形を奪われたことに対し、頭の中が真っ白になるカストル。しかし空白の時はそう長くなかった。
(ふ、ふんんんああああ!身体が、疼くうううう!!?)
突然、カストルの身を筆舌つくしがたい興奮が襲う。当然のことだった。なにせ、カストルの肉体は傷をつけられるほどに己の感情、欲情を高ぶらせる体質へ変化している。
手足が吹き飛ぶというカストル自身前例のない重傷に、彼の身体がどんな状態になるのかは火を見るより明らかといえよう。
心臓が胸からせりあがって飛んでいきそうな快感に連動して、彼はその雄々しい一物をべっとり濡らしながら、人前でそそり勃たせてしまった。
敵の目の前での痴態、カストルは一生の不覚をとったと思ったが、すぐにその屈辱感すら快感に溶けて、新たな興奮を生み出す。
「おやおや、これは驚いた。貴殿はひどく下賤な下半身をもっているのだな。」
その場にいた皆がカストルを嘲った。英雄と呼ばれるようになってから久々に、カストルは人に見下されたのだ。それなのにそれですら、今の彼にとっては快感以外の何物でもなかった。
興味を持った兵士の一人が血管浮き出る陰茎を握る。カストルのペニスは魔薬を使う前からだいぶ大きかったが、連日の性交使用により、女性の最奥を十全にえぐるための最良な凶器に進化していた。大の男が三人ずつ右手で握って、それでもまだ亀頭が上から突きだす大スケールである。
「出したいんだろ?ほらほら変態野郎、自分で腰振ってんじゃねえぞ!?」
敵兵が呆れかえるなか、カストルは彼らがペニスを扱きだすのも待たずに、無我夢中で腰を浮き沈みさせている。どれだけ抑制しようとしても歯止めが利かないのだ。
(腰が、疼く、チンポがかゆい!!出したい出したい出したい!!)
男たちの手が作る硬い筒に目掛けて、己の巨根を突き入れては戻す。3人の兵士もまた、あの神の子と謳われた男の精を無様に絞り出してやろうと扱き方を早めた。
やがてカストルのペニスからは、天井に届くほどの白い柱がほとばしった。
「うっひゃああ!こりゃあ、活きのいい種汁だぜ!たっぷりでやがったぞ!!」
息つく間もない射精のたびに、巨大な亀頭が収縮し二倍にも三倍にも膨れていく様子には、カストル自身ですら驚きを隠せなかった。
「にいちゃん・・・。うえええん!」
「あっ、ぽっポルクッ!み見るなっ!!」
縄に縛られたポルクが兄の前に引き出される。兄は天に放った自分の恥液にまみれていた。
ポルクは精通を迎えていなかったので、それが自分の兄に対しての何かの拷問かと思ったらしく、泣きじゃくりながら、生きた肉の塊となった兄の胸に顔を埋めた。
「兄弟、感動の御対面というわけだ。涙ぐましいねえ。しかし私たちがお前たちをわざわざ国に返すと本気で思っているのか?」
高官の合図で周囲の兵士たちが剣を抜く。ポルクは兄にすがり寄り、震えてしまって声も出ない。
「ま、待て!!」
カストルは精一杯、全身を駆け巡る煩悩を跳ねのけ声をだした。
「助けてくれ!何でもするから、どうか助けて・・・・。」
「神の子が命乞いか!これは面白いな、よし、ならばチャンスをやらんでもない。」
高官の男はカストルとポルクの兄弟を市内に晒した。カストルは全裸勃起したままだ。痛みを感じず、無敵であるカストル自慢の体躯は大勢の衆目にさらされ、激しく紅潮した。
「あれが神の子だって?なんだいあの筋肉達磨は。俺たちに見られて真っ赤じゃないか。」
「チンポから滝みてえに漏らしてやがる。小便か我慢汁か、わかんねえな。」
「アソコの大きさは確かに英雄クラスだな。手足斬られて、興奮するんだとさ。」
こんなときに限って、破れた鼓膜も再生し終え、カストルには敵国民の呟きがよく聞こえるようになった。案の定、その罵声のおかげで火のような興奮は加速した。
「あっ、ああっ、見るなっ! お前ら見るなっ・・!」
町の真ん中まで引き回されたカストルは箱の上に下ろされた。後ろから背骨を反りかえるよう強制され、勃起したペニスがよく見えるよう、腰を突きだした格好にさせられる。
「親愛なる国民諸君、長年この国を苦しめてきた、かの男を私たちはついに捕えたぞ!」
拍手が沸き起こる。
「さて、もはや文字通り、こやつは手も足もでない身体となっているが、これではまだ我々の復讐は終わらないのではないだろうか?そうだ、こいつはまだ、とんでもない武器を持っている!」
男はカストルの巨大な一物を踏みつけた。カストルはもうそれだけで限界を迎え、射精に至る。
「見よ!この薄汚い濃厚な汁を!この図太く淫らな男根は、いずれか後に新たな神の子を孕ませる!ならばこの国の為、こいつをどうすれば一番よいか!?」
そいつのでっかいチンポを斬っちゃえ!と、幼い男の子が叫んだ。その声を口火に、カストルの去勢を望む声が上がる。
カストルは自分を見失いかけていた。手足がない、更にこれから雄の象徴をざっくり取られてしまうというのに、彼の脳みそは沸騰寸前だった。
自分の肉体にたった一つ残ったアイデンティティ、男性器という部位を失う。その時駆け抜けるであろう快感のことを想像するだけで、カストルは耳から血が噴き出してしまいそうだった。恐怖が次第に薄れ、ついにカストルは快楽の忠実な奴隷になった。
「ごめんなさい!にいちゃん、ごめんなさいいい!!」
兵士がカストルの重々しい陰茎を箱の上に押さえつけ、その傍でポルクがナイフを握っている。
実の弟が兄の去勢を執行する。残虐な宴が始まろうとしていた。
「お前の手で、兄のしまりない男根を片づけるのだ。そうすれば、兄弟そろって母国に帰してやらんでもない。」
ポルクは荒く息をしながらカストルの股間にナイフを持っていく。しかし固まって動けない。鼻水と涙で顔をよごしながら突っ立っている。
「ポルク!俺なら大丈夫だ。チンポなんて、また生えてくる!お、俺は、神の子だから、な!」
「はっはっは!!聞いたか!また生えてくるんだそうだ!遠慮しないで斬ってやれよ。」
もちろん、植物ではないのだからそんなことはあり得ない。嘘をついてまで弟の手を促すのは、カストルが待ちきれない為だった。己からナイフへと腰を突きだし、その巨根は期待感で完全に湿っていた。
兄の嘘をポルクは信じた。死んだ目でポルクがナイフを動かす。ちょっとずつ、皮が切れていくと、カストルは身をよじって暴れようとした。気持ちよすぎる為だった。それ自体が射精するように、みっちり割れた腹筋がリズミカルな波をうつ。胴体に残された筋肉が動くたびに、彼は肉を裂いて生まれいでる快感に鳴いた。
カストルは尻の下に温かく柔らかいものが現れたのを感じた。あまりの気持ちよさに、彼は脱糞したのだ。
「くせええ!この淫売野郎が!」
去勢されながら、尿も糞も何もかも垂れ流しにするカストルは、顔が今にも溶けだしそうな恍惚とした表情をしていた。何もかもがどうでもよくなっていく。10数年、股にぶら下げてきた自慢のイチモツが失われていく奇妙な感覚に、カストルは浸食されていく。
やがてナイフは太い尿道を寸断した。神の子カストル、唯一無二のペニスは腹部から切り離され、ただの汚らしい屑肉となった。
カストルはどうなったかというと、彼は本当に耳から血を流し、鼻血を濁流のように流しながら、今生で最後の絶頂に色狂っていた。
(あ、俺・・・こんな大勢の前で、筋肉いっぱい張り詰めて・・・弟にチンポぶったぎられて、すっげ!すげええ!!気持ちいいイいイッ!!すげえっ!)
痛みが全て、興奮に変換される。そんな状態のカストルが拘束を解かれ地面に解放された。
腰を浮かせ、うねり動くその姿は、人間と思わせないほど淫美であった。
「へっへ、そんなに物足りねえならよぅ、いっちょ俺たちの息子の世話もしてもらおうか?」
兵士がカストルを抱えあげると、いきり勃った肉棒が容赦なくカストルの空っぽになった腸内を犯した。口にも肉棒が咥えさせられ、徹底的に凌辱される。嬉しさのあまりカストルはいよいよ狂い死ぬかと思った。
「て、敵衆だあああ!!」
その時、にわかに叫び声が上がったかと思えば、怒涛の集団となった大軍団がカストルとポルクを取り戻すため、なだれ込んできた。
慌てた兵により、カストルは汚濁にまみれたまま捨てられ、そして弟とともに自国の軍に保護された。
その時点でカストルは、そのまま軍を退役することになる。
残念ながら手足を失ってはもう戦えないし、去勢されたことを理由に、家督を継ぐ権利も財産を有する権利もなくなってしまった。築き上げた財力は現在、全てポルクの持ち物である。
月が綺麗な夜、豪邸のベッドに裸で一人転がされているカストルの前に、いきなり男が現れる。それはあの日カストルの運命を変えたあの呪術師であった。
「お前の結末を見にきたぞ?へえ、おおむね予想通りだったな。」
「お、おまえっ!頼む!!身体が疼いて仕方ないんだ!!助けてくれ!!」
にやにやしながら、呪術師は服を脱いだ。カストルはその熟れた雄の肉体に興奮し、期待に満ちた目で呪術師を見やる。
「そんなにがっつくなよ。すぐ犯してやる。」
久方ぶりに、硬く張り詰めたものが自分を満たしていくのを、カストルは存分に味わった。
自分にもう生えていない雄々しいペニスが肛門を貫くのは、宦官にされたカストルにとって至福の時だ。
豊かな胸筋の頂上で硬くなった乳首をつねられると、カストルは陸上げされた海老のように身をのけぞらせた。
「そう言えばお前、女をいくら抱いても孕まないことが不思議じゃなかったか?実はあの薬を肉に塗りこんだ時点でな、お前の大事な金玉は死んでたんだよ。」
体内に残った前立腺を槍のような亀頭で突きさされ、カストルがあえぐ中、呪術師は告白を続ける。
「あとな、お前のでかいチンコは俺が回収させてもらったぜ。いい酒ができるんだなあ、これが。」
今となっては何故か懐かしい、己の巨根が丸ごと浮いた酒瓶を見せつけられる。カストルの肛門がより強く呪術師のペニスを締め付けた。お返しとばかりに、呪術師はカストルの身体を脱腸するのも構わず掘って弄ぶ。
「あっ、ああっ!!すげえっ!おまえ、ほんとは何者なんだっ!!?」
「俺か?俺は悪魔だよ。お前らみたいな馬鹿な人間騙して、魂を汚して自分のものにするのが仕事なのさ。」
お茶目にカミングアウトした後、悪魔は邪悪な種をカストルに植え付けた。これでカストルの魂は完全に穢れ、正式に悪魔のものとなったのだ。
(あへえええ・・・・俺、悪魔に種付けられたんだ、なのに、チンポの切り株がっ!あっ!うあああああ気持ちいいイッ!!)
「それじゃあ、暇になったらまた来るぞ。次の標的を探しに行ってくるわ。」
媚びた目で悪魔を見送るカストルは、手足のない筋肉質な胴体をばたばた振った。その姿は狂った豚のようであった。
「にいちゃん、あの・・・。」
ポルクが兄の寝室に入ってくる。カストルの傍に寄ると、下着をずりおろしてペニスを出した。
「おちんちん、変なの・・・にいちゃんのチンポ、斬っちゃったときもこんな感じだった。」
(一丁前に勃起しやがって・・・、お前のせいで、俺は悪魔のものになっちまったぜ?ああ、最高の気分だ!!)
興奮を押し殺し、カストルは自分の目の前で弟に自慰の仕方を教える。まもなくポルクは精通を迎えた。
初射精の瞬間、ポルクの脳裏によぎったのは、英雄であり逞しい男だった兄を、自らの手で無様に去勢するシーンであった。
「にいちゃん、ごめんなさい!ごめんなさい!」
「いいぜ、気にすんな。」
正面からの噴射で、カストルの身体は弟の精液まみれになった。弟に汚される、激しい興奮がカストルの脳を犯して灼いた。
身も心も悪魔に捧げたカストルは、いつの日か逞しく成長した弟が自分を犯してくれるようになるのではないかと、ひそかに期待したのだった。
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投稿:2011.05.08
「神の子」と呼ばれた豚
著者 モブ 様 / アクセス 11482 / ♥ 1