「…これが、本年度のカナハシ第2小学校の全男子児童250人の名簿ですね。」
3日後に控えたブルマ検査を前に、名前の前に付いている、色別の文字での男児のリストへの振り分けに職員たちは大忙しだ。
このリスト作成と、その振り分け基準は、ブルマ法関係者と検査官の間だけでの機密事項とされており、外部に流出させることは厳禁となっている。
まずは青色リスト。
これは、合格圏の子供たちが振り分けられる。
「黄色リストに振り分けられるのは…と。これは…前年度検査では合格だったけど、今年の検査の結果次第では、不合格になる可能性のある子…と。」
「この黄色リストの子の8割から9割までがブルマになるのよ。」
同僚の紗代が、画面を指しながら言った。
朱美は、画面に初めて見る色でのリストがあることに気付いて、上司である淑恵に問いかけた。
「…この、緑リストって、どういう意味です?6年生に大勢いる。初めて見たんですけど。」
「…この子たちはね。検査の結果を問わずに合格の子たちなの。」
淑恵は、その基準は、女子に好かれる性格の子であること、学業、スポーツで特に優秀な成績を残した子であることを基準に、今年から設けられた制度であると告げた。
「体が小さい女の子は、膣が細くて浅いでしょ?大きなおちんちんだと痛いから、絶対嫌だっていう人だって大勢いるのよ。…あ、この制度が導入されたことは男の子と教師や保護者には内密にしてくれという、上からのお達しよ。成績表を操作するために賄賂を贈ったり、教師が成績でえこひいきして、好きな子を合格させたり、嫌いな子をブルマにするのを防止するため。あくまでも、建前は、硬さで合格、膨張率や亀頭の育ち具合で合格、ということにしますから。検査官たちにも申し伝えてくださいね。」
「あ、このピンクのリストはどういう意味ですか?…1年生の子がいっぱいいるんですけど。」
別のモニターを操作している加奈子の問いに、淑恵は答えた。
「親御さんが、検査結果や本人の意思に無関係で、ブルマにしてくれと望んでる子。…ブルマを宣告される本人には、あくまでも、検査基準を満たさないので不合格と通知するの。」
…ちょっとかわいそうかな。
加奈子は、そう思った。
しばらく見ていると、赤のリストがあって、そこに振り分けられる4年生以上の子がちらほらいることに朱美は気がついた。
前年度リストと比較してみると、全員前年度には青色リストに分けられていた。
「…赤いリストの意味はなんですか?駿河主任。前年度までずっと青いリストだったのに、今年から急に青から外されてる子たち。」
詳しく調べてみると、その数は、全員で20人だった。
淑恵は、朱美の問いに、こう答えた。
「親御さんや、本人の意思に関わらずに、最初からブルマになるって決まってる子たち。」
「ですから、どうして今年から急に外されたんですか?」
「…クリックしてごらんなさい。」
淑恵に言われるまま、朱美はリンクをクリックした。
そこには、こういう表記がなされていた
理由その1・著しい不良行為及び弱者への暴力行為と、それに対する反省や悔悛の意思が見られない者
理由その2・女子への著しい性的嫌がらせを繰り返す者
理由その3・ブルマへの著しい性的嫌がらせを繰り返す者
以上の条件を一つでも満たす者は、無検査で強制的にブルマとする。
「他者への思いやりを持たない者に対しては、他者の痛みを持ってそれを思い知ってもらうのです。特に、かつて自分と同じものを持っていたブルマの心を踏みにじるようなふるまいをする者たちは、男としてはそれだけで言語道断です。思いやりの心を持たない存在は、それだけで社会の秩序を破壊する不良分子でしかありませんし…ね。いくら、男性としてほかに優秀なものを兼ね備えていても、そういう資質を持った人間には、それだけで価値がないのです。猶予期間、観察期間を経てなお悪癖を治そうとしないのであれば、男性としての夢も将来も、この時点で全部跡形もなく破壊させていただきます。我が子をたしなめなかった親も同罪です。去勢される様を見せつけさせていただきます。」
「…社会秩序を正すための措置、ということですか?」
朱美の問いに、淑恵は返した。
「簡単に言えば、その通りですね。弱者への思いやりの心を持つ、ということは、強者に威張らせない、弱者を付け上がらせるといった馬鹿げた理由からではないのです。強者もやがて、弱者となり得るのです。その定めから逃げおおせる者は、その生を突然断ち切られでもしない限り、この世の中には誰もいません。それが、年月による老いであるということもあろうし、病であることもありましょう。事故によってある日突然…と言うこともありましょう。そうして、自分が弱者へと転落した時、弱者となった我が身を守るのは、弱者への思いやりの心を持つという世の理なのです。その理を理解できない者、しようとしない者に対しては、体と心の双方にそれを刻み付けることによってでも、それを教えこまねばなりません。」
そこで言葉を区切って、淑恵はさらに続けた。
「彼らが虐げているのは、弱者でも、女性でも、ブルマでもありません。…弱者となり下がった近い将来の自分自身なのです。」
言い終わった淑恵の双眸には、凛とした輝きが宿っていた。
その頃、別の場所では、5人の悪ガキが、全裸にひんむかれたブルマの転校生を取り囲んで囃し立てていた。
彼女は、膨らみかけたばかりの小さく硬い乳房を、彼らに代わる代わる乱暴に揉みしだかれた揚句、立ちションを強要された。
そして、当然の如くに失敗して、下半身をびしゃびしゃに濡らし、うずくまって泣きじゃくっていた。
「おっぱい膨らんでて、チンポも玉も無いくせに、何が自分は男だよ!!」
「立ちションだってできなかったじゃんか!」
「もう絶対に、自分が男だって言うんじゃねーぞ!!」
そのうちの一人は、自分の股間のものを、ブルマの転校生に見せつけながら言った。
「どーだ!俺の股ぐらについてるもんがうらやましいか!!大人のみたいだろ!?球もチンポも合格圏だから、まずちょん切られることなんてねーんだぞ!!」
「どうせ、赤ん坊みたいな粗末なもんしか付いてなかったからちょん切られたんだなあ!!」
「明日も明後日も、手前のパイオツ、揉みまくってやっからなあ!!」
5人の嘲りはさらにヒートアップしてゆき、ブルマの転校生は、揉みしだかれた胸の痛みと屈辱と、そして新たな喪失感とで、声を張り上げて泣き叫び始めた。
…この5人が、5人揃って、3日後のブルマ検査の日に、合格圏間違いなしの股間のものを問答無用で跡形もなく切り落とされて泣き喚いていようなどとは…男の子でいられるのは、あとたった3日であろうなどとは、当人たちは誰一人として全く考えてもいないことであった。
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投稿:2011.05.11更新:2011.05.29
検査リスト
著者 真ん中 様 / アクセス 20019 / ♥ 5