蒸し暑い夜だった。
「くそっあのハゲ」
さっきまでバイト先だったスーパーの店長。油の乗ったハゲ頭に海苔みたいな髪が貼り付き、死んだ魚の目にそっくりの黄疸がった目をしたやつだ。
勤務態度が悪いとかで俺をクビにした。
三日しかたってないのにだ。
確かに態度にでちまったのかもしれねー。あんなヤツに頭を下げるくらいならやめた方がましだ。
俺は公園のベンチに腰を下ろし、三本目の缶ビールを開けた。
「ちくしょう」
ビールがぬるい。
「じゃあねー」
女の声がした。
若い女の子が2人、手を振って別れる。
1人が自転車を押して公園に入ってきた。
俺はとっさに木の影に隠れた。1人でひと気のない夜の公園でビール飲んでいる中年男はカッコイイものではない。
女の子は立ち止まると辺りを見回した。
そして、自転車を止めて公園内のトイレに入って行った。
なんだ。便所かよ。
俺は木の影から出るとトイレに近づいた。
へへ。驚かしてみようかな。
トイレは薄暗く唯一の蛍光灯は切れかかって、不規則に闇を作り出していた。
女子トイレから水の滴る音がした。
俺はズボンを下ろして、チンポを出した。
女子トイレには個室便所が三つ。一番奥の扉が閉まっていた。
物音を立てないようにそっと近づく。
俺は硬くなったチンポを扱いた。
フフ。扉を開けたらぶっかけてやる。
そんなことを考えていた時だ。
「オッサン何やってんだよ?」
突然、後ろから男の声。
「え?」
振り向くより早く、後頭部に衝撃が走り、俺は意識を失った。
「うっ、ううっ」
「あ、起きたみたい」
女の声が近くでした。
どこだ?
俺はぼやけた目をこすろうとした。
あれ?
手が動かない。いや、足もだ。
俺は慌てて顔起こし、周り見回した。
「むううおぉう」
なんだよこれ。そう言おうとしたが、言葉にならない。
口の中にゴムボールかなにか埋め込まれて、粘着テープで顔ごと固定されていた。
「無駄無駄」
「動けないよ。おっさん」
男の声だ。
俺は右手に力を込めたが手首がビクともうごかない。見ると両手、両足、腰に革の拘束具がはめられベッドの枠に鎖で繋がっていた。
しかも着ていた衣服はなく、全裸にされていた。
「もむうう」
離せと叫んだつもりが、顎が開ききって言葉にならない。
「アハハハッ」
複数の笑い声。
四、五人の男女がいるようだ。
女がベッド脇のハンドルを回すと上半身がベッドごと起き上がる。
両手をバンザイしたまま。上半身がわずかに起きた。
男が三人。女が二人。
夜店で売ってるようなお面をつけていて顔はわからないが、声の感じから自分より若い。
「女の子のトイレに入ったらだめだよ。おっさん。ははは」
「しかもチンポ扱いてどうするつもりだったんだよ。あん?」
「まじキモイ。ヘンタイ」
「おじさん。これ見える?」
ヒョットコのお面をつけた男がビデオカメラを再生してみせた。
そこには、女の子を追って女子トイレに入りズボンを下ろしてチンポを扱く俺の姿が映っていた。
「えーっと? 松山コウジってーの? あんた?」
忍者のお面を着けた男は、バイトをクビになった時に返された履歴書を手にしていた。
「三十一歳かよ、もっと老けてみえる」
「このまま警察に突き出しても良かったんだけどさ。俺たち正義の心が人一倍あっちゃってぇ。代わりに逮捕してみました。ははは」
ヒーローモノのお面の男が高い声で笑う。
「それでは裁判を始めます。有罪だと思う人?」
アニメのお面を着けた女が挙手を促す。
「ハイ」
「ハーイ」
「じゃあ、全員一致で有罪決定で〜す」
「早っ。ははは」
「それじゃ、刑罰どうする?」とネコのお面の女が言った。
「それはやっぱり極刑でしょう」
ヒョットコ面の男が声を低くして答えた。
俺の全身から汗が滲んだ。恐怖だった。こいつらだったらやりかねない。
「あれ、おじさん怖がってない?」
「本当だ震えてるー」
冷汗で体がガタガタと震え出した。
「なんか反省してるようだし。どうする?」
アニメ面の女の問いに、ヒョットコ面が腕組みをして、少しの間、沈黙。そして、五人だけでヒソヒソと話合いをはじめる。
「よし、おっさん」
ヒョットコは、俺の股間を指差した。
「そのスケベチンポを勃起させないようにガマンできたら許してやるよ」
「そうそう。ガマンできるように特訓してあげる」
ネコ面はそう言うと、いきなり着ていたモノを脱ぎ始めた。
ショーツとブラだけになり「コーフンしたらダメだからね」と言った。
「要するに勃ったらダメってやつ」
忍者が笑ながら言った。
俺は目を瞑ろうとした。
「コラ。目を瞑らない」
アニメ面の女が、俺の乳首を摘まんだ。
「あう」
思わずチンポが反応してしまった。一度始まると自分の意識じゃ止められない。
「ははは。チョー敏感くんじゃね」
「キモイ。男のくせに乳首でかんじるの?」
アニメ面は両方の乳首を摘み上げた。
「おおん」
俺は思わず声をあげてしまった。
「こいつマジでキモイ」
ヒーロー面の男が吐き捨てるように言った。
ネコ面の女が、「サービスしてあげる」と言って下着も脱いで、ついには裸になった。スレンダーな体つきには似合わず、大きな乳房が女の色気を出していた。
そんな豊満な乳房を忍者面が後ろから抱きついて揉みはじめる。
「ああ…」
大きな乳房が忍者面の手で形を変え、ネコ面の女は腰を折ってお尻を忍者の股間にすりつける。
忍者面はズボンからボロリとイチモツを取り出した。
俺のよりふた周りは大きい。
そして、バックからネコ面のオマンコへ突っ込んだ。
忍者面はネコの女の両手を掴み、ピストンを始める。
「あん。ああん。あああ!」
ネコ面の女と忍者面の男の交わりを見せつけられ、さらにアニメ面に乳首を愛撫されて、俺のチンポはビンビンに勃起して、透明の液体を垂れ流した。
ヒーロー面の男がネコ面の女の前に立って、ズボンからペニスを出すとネコ面の女の口へ突き立てた。
「むうう! んんー」
ネコ面の女は口とバックから交互に突かれ苦しそうな声をだす。
俺がネコ面の女に釘付けになっていると、股間に痛みが走った。
見ると、ヒョットコ面の男が注射の針を陰嚢の皮下に刺していた。
手術でもするようにゴムの手袋をしている。
「むうううう!」
「おっさん。ガマンできないなら罰だって言っただろ」
ヒョットコはメスを手にし、陰嚢を縦に切り開いた。
痛みは薄っすらとしか感じない。さっき打った注射が麻酔かなにかなんだろう。
「お前にはキンタマ下げてる資格はねーな」
そう言うとヒョットコ面は人差し指を陰嚢にツッコミ、何かを探る。
「オオオオオ」
腹の中を鈍痛が襲った。
するとボロリと二つの睾丸が体外に現れる。
「ホラホラ。チンポ勃ったまんまじゃキンタマとっちゃうぞー」
そう言ってアニメ面の女は、乳首を舐めた。
ひいい。キンタマが外に出てるぅうう。
俺は頭が真っ白になっていた。
「こんなことされてんのに元気だな。いいのか?男じゃなくなるよー」
ヒョットコ面は指で俺のキンタマの硬さを確かめる。
「おもぉう!」
下腹から腰に鈍痛が走った。
「痛い?」
ヒョットコ面はグリグリと俺のキンタマを痛めつけた。
「ぐぅうおおおん!」
俺はたまらず声をあげた。
「こいつ泣いてる」
「ははは。ホントだ。このまま潰してやろうか?」
やめてくれー。俺は首を横に振った。
「痛いのヤダ?」
ヒョットコ面の問いに俺は首を縦に振った。
「そ。じゃあ」
ヒョットコ面は俺の睾丸を一つ摘み、ハサミでちょん切った。
「ははは。カンタン」とアニメ面が歓声をあげる。
ヒョットコ面は俺のキンタマを摘まんで小瓶に入れた。
俺は何が起きたのかしばらく分からず某然とした。
小瓶に入っている白いウズラの卵のようなモノが、俺の片方のキンタマだという事に気づいて、「おおおぉ!」と嗚咽した。
ヒーロー面と忍者面は激しく、ネコ面の女にチンポを出し入れし続けている。
「他人のセックスみて興奮してる場合かな?」
そう言ってヒョットコは俺のチンポを指で弾いた。
「んんん!」
びゅっと透明の液体がこぼれた。
自分の意思と反してチンポはますます悦んでしまう。
忍者面の男が、ピストンを早める。
「そろそろイキそう。中出ししちゃおうかなー」
「んんん!」
それを聞いたネコ面の女がジタバタしている。
お構いなしに忍者面は、激しくピストン。
「あーイクイク!気持ちイイ!」
俺の目の前で忍者面は見せつけるようにビクビクとネコ面の中に射精した。
「お、俺もイキそう。口に出しちゃうよ」
ヒーロー面もそれに続きネコ面の女の喉にチンポを激しくピストン。
「見て、こいつ羨ましいみたい」
アニメ面の女が俺のチンポを指で指した。チンポはギンギンに勃起し、先っぽをドロドロに濡らしていた。
「はは。見るだけでガマンしてろ」
ヒーロー面がネコ面の喉奥にビクビクと射精した。
「おじさん。あんた全然ダメだな」そう言ってヒョットコがもう一個の睾丸を引っ張り出し、ハサミを当てた。
「オオオオオー!」
俺は両手両足に力を込めて必死逃げだそうと抵抗したが、なす術もなかった。
「だから無駄だって」
ヒョットコ面は糸を切るように簡単に、俺の睾丸と体内とを繋ぐ索を切断した。俺のキンタマがあっけなく切り取られてしまった。
「はははは」ヒーロー面が笑う。
「はーい。お、と、こ、終了ー。お疲れ様」そう言ってアニメ面の女は乳首への愛撫をやめた。
「もー!。二人ともメチャクチャするから大事なところ見逃したじゃない」
ネコ面の女が乱れた髪を束ねながら起き上がった。
すると股間から精液が漏れ出て、「ああん。もう!」といって、慌てて手で押さえる。
「おっさん、残念だったな」
「もう、悪さするんじゃねーぜ。ははは。」
「それじゃ…」
ヒョットコ面が言いかけるのを制しながら「あーっ!ちょっと待ってよ。私だけいいとこない!」とネコ面の女が声を荒げた。
そして、「最後にデスバンドしよ?」と言った。
「えー。それはかわいそうじゃない?玉とったんだしいいじゃん」
アニメ面がなだめるようにネコ面の肩を抱いた。
「ヤダヤダ。ゼッタイヤダ」
「しょーがねーなー」
「おっさん。悪いな、俺らのせいだ」
ネコ面の女はグリップのだけの銃のような器具を手にした。
「ふふ。これはね、業務用の結束器」
「ところ構わず勃つようなチンポは、これで縛って根元から使い物にならなくしちゃうんだから」
「んんん!」
やめでー。
ネコ面の女は白いプラスチックの輪をチンポに通した。
引き金を絞ると、輪が閉まり始める。
うぃぃぃぃん。
「ん!んんんんー!」
ぎぎぎぎちちぎち。
「おごおおおおーーー!」
し、まるぅぅ!チンポの根元で締まっていぐぅ!
千切れるぅぅ。
「かわいそうだし、もう楽にしてやるか」
ヒョットコ面のその声を聞いたあと、俺は再び意識を失った。
目が覚めると、俺は元の公園に戻っていた。
夜は明け、通勤のサラリーマンが道を歩き、犬の散歩をしている中年女が公園を通って行く。
俺は何事もなかったかのように服を着せられ、ベンチで寝ていた。
「うぐっ」
股間に痛みが走った。
昨夜の記憶が蘇って、顔から血の気が引いていく。
「そんな! うそだろ!」
痛みを堪えて公園の便所へ。
個室に飛び込み「うそだって言ってくれぇ…」と言ってパンツを下ろした。
「ああ!」
チンポが無い。
陰毛は綺麗に剃り落とされ、チンポの根元だったところに白いプラスチック製の輪が嵌っているだけで、それより先がないのだ。
鋭利な刃物で切断されたようだが結束バンドで殆ど出血は無い。
そしてその下には、フニャフニャの皮が垂れていた。
俺は恐る恐るそれに触った。
「ひぃぃいいいー!無いぃぃ!タマがぁ」
陰嚢は包んでいた重りを無くして、枯れたホオズキのようだ。
さらに、トドメとばかりにヘソと股間の間に、「去勢済」という文字が大きく描かれていた。
こすっても落ちない。皮膚の奥まで刺青されていた。
「おはよー」
「アヤおはよー」
「おっす」
「ふあ〜ねむ」
「みんな昨日はオツカレ」
制服姿の五人の男女が登校する生徒の流れに合流して行く。
「あれ?あいついないね」
公園の中を見渡しながら、少女が口を開いた。
「病院でも行ったんじゃない?」
「あの体じゃ恥ずかしくてどこにも行けないよ」
「一人でいても死ぬことはないさ。止血もしたし」
「案外、まだそこのトイレで泣いてたりして」
「ありえるー」
「あははは」
彼らはそういって公園から離れていった。
了
-
投稿:2011.09.23更新:2011.09.23
トラップ
著者 エイト 様 / アクセス 15950 / ♥ 7