僕は俗に言う子役韓流スター……今は元と付けた方がしっくりと来る身にも慣れた。韓流スターが日本を初め世界を席巻しているのは嘘だった。誰が言い出したのか分からない、韓国は白が正しくっても黒が間違っていても正しいと言えば年長者に従う国民性でそれが韓流バブルを産み弾け飛び軒並み消え去った。僕の場合最悪の時にあるグループでデビューしたけど、メンバーの一人が不祥事と事務所の旅証違反でアッと言う間に干されて自然消滅、事務所は畳まれて僕の為に金を出してくれた両親は事故死した……生命保険はあっという間に親族にブン取られて、僕は日本に渡り帰化した伯父さんに頼るしか無かった。反日感情が高い一族から絶縁された彼は僕を何も言わずに迎え入れてくれた。伯父さんは劇団の主宰者で自身も役者として活躍している。反日感情さえ無ければ韓国でも活動出来たけど彼は祖国の芸能を見下しているから韓流スターも徐々に危ないと感じていた矢先に……彼の読みは当たり信頼がある旧友が弁護士をしていたのですんなりと僕が日本に住めた。
劇団のメンバーが声優をしていたから人が居て韓国語を知っている人が僕に日本語を教えてくれた。小学校も通えた……けど、僕はこのままでいいのか……そう思い始めた頃、公演に劇団に所属している少女だけでは配役が足りない事になり中性的な僕が代役をする事にした。伯父さんも舞台監督も厳しい人で外部の役者さんでも苦労する有名人だ。演劇の心得もあるし公演の時には僕は裏方の手伝いをしている、だから二人の事はよく知っている、公演まで時間が無い状況に二人は顔を合わせて会話し、他の劇団員も考え始めた。
「……よしやってみろ、ただし衣食住これから女児、ただし学校は下着のみ女児のモノを履いてもらう」
伯父さんの言葉に僕は頷く。元々演劇が好きで芸能界に入ったからどんな役でも……それが日本に来て演劇の世界を見て来た僕の結論だ。
女の子の衣類は劇団に所属するお姉さん達(数人熟年もいたけどね)が手配して貰い、部屋も彼女達と同室……役柄が性同一障害を患っている男児と言う難しい役柄だったけど“門前の小僧習わない経を読む”と言う如くにこなしていくけど女児の下着を履く事が慣れてきた時にペニスが充血しある時舞台稽古の最中に初めて射精した。
「……健全な男児にこんな無茶ぶりさせているからなぁ」
舞台監督のその時の表情は今まで見た事無い程に笑顔であった。
「しかたないわね」
舞台衣装のスカートに粘液がある液体からは栗の花に近い匂いが立ちこめ、茫然としているとその場でお姉さんの一人が舐め始めた……その日から僕はお姉さん達にフェラチオをされ映像に取られた……だけどそれも大切なことってわかっていた。伯父さんは僕に弱い所は見せないけど劇団を手伝っていると色々と分かる、劇団の人がAVに出ている事も分かっていた。そしてこれが犯罪って分かっていたけど……僕にはこの生活を失いたくなかった。
ある日僕は“捲営業”をする事になり、相手の自動車の中で緊張していた。誰もが知る大物役者の沢森 隼人の二世である沢森 一樹が相手で何度か撮影現場であった事がある。実はロリショタで劇団の仕事を取る条件に僕を指名して来た。伯父さんも迷ったけど彼の父親とは若い頃から苦楽を共にした仲で沢森さんが家庭を犠牲してきた事も分かっていた。
「伯父さん、僕が相手をすれば劇団に仕事が来る。見ず知らず同然の僕の事を引き取ってくれたから」
僕の言葉に伯父さんは深く頭を下げ、久しぶりに男の子の格好をして相手が待つ自動車に乗り込むと走り始めた。
「……君は整形してないのか?」
「はい……」
韓国の芸能人に限らず韓国人は整形をよくする、例え子供でも見栄えを良くするのなら……日本じゃ言語道断で非常識ってアイドルグループの仲間はよく笑っていた。だけど結局芸能人は客商売……外見が良くても魅力が無ければ消える、僕は身を持って知らされた。彼らはどうなっているのか……それどころじゃ無かった。
「その顔の魅力を引き出す前に……最も今の状況が良かったと思うよ」
「はい……正直、僕はあの国が嫌いです。母親が在日と言うだけでみんな差別する」
「そうか……じゃあ君はこのまま芸能界に浸かると向こうに居る親族が黙っていると思うか?」
僕は首を横に振る。親族は僕の親権を放棄したように見えるけど都合がよくなると主張するつもりだ。そうやって僕の両親を責めていた。自動車は高速に乗り会員制別荘地へと向かう。途中で自販機と駐車場、トイレがあるパーキングエリアにより僕は一樹さんと共に入る。日本は福祉が進んでいて殆どの商業施設や公共施設に多目的トイレがある……トイレって防犯上カメラを仕掛けるのが難しい場所で特に無人のパーキングエリアって好都合なんだ。僕はスポーツバックを持って多目的トイレに入り一樹さんは何食わぬ顔で自販機で飲み物を買う。彼って変装が上手で週刊誌の記者ですら気がつかない程だ。
「♪〜〜〜」
僕はビデオカメラをセットして脱いでいく、そこには女児のショーツのみになりスポーツブラとショーツに着替え夏色のワンピースに着替え、カラコンを付ける。
「君はそっちの方が似合っているよ」
一樹さんはニコッとほほ笑む。
別荘地につくと同好の者達が集まっていて僕は会釈をする。雰囲気的に権力者って言う感じの好々爺が僕を見る。
「ほほぉ……これはまたかわいらしいノォ」
「これで男の子とは思えん……御主は韓国のでらしいのぉ」
「はい」
「どうじゃ……完全に女の子とはならぬが似た様な事は出来るぞ……」
僕はそれがショタメールと呼ばれるモノと後で教えられた。
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投稿:2012.07.15
夢の果てに得たモノ 1
著者 kyousuke 様 / アクセス 9249 / ♥ 1