屋敷の主は表の顔はIT業界の風雲児であり政財界にも顔が利く存在である……そして彼はその立場を利用してプロジェクトStMR9の重大な部分を任されている一人でもあるのだ。
「君の髪の毛はこれになるのだよ……」
清楚でアジアンティストがある亜麻色の人工頭髪を載せている頭部のマネキンを持ち上げる。既にショウはマスクでガードされていた睫毛と眉毛、鼻毛はあるがそれ以外の個所の毛は毛根が消滅し、クリーンルームになっている作業室に運ばれていた……特殊な生体接着剤を付けられた人工頭髪をセットする医療スタッフ、別のスタッフは手術道具が揃えられたカートを引っ張り出し産婦人科にある診察椅子に載せられたショウをモニターで見る。
『始めるぞ……まずは健全な精子を絞りだす』
そうだ、精子は家畜同様に保存され好々爺の雌奴隷が持つ卵子に受精される……彼はかなりのイケメンだ。これだけで候補生時代にかかった諸経費を回収できる事もある、最も好々爺は兄妹(姉弟)や父娘とかの近親相姦が好みで孕ませるまで結合したまま放置することもある。赤子が無事に生まれると即去勢する事も珍しくない。
「(それで消えた愛人も多いか……)」
父親もその一人であり、自分は正妻の子ではない。学生時代は大人しく勉強にバイトに励んでいた……そんなときに正妻のバカ息子が気まぐれで起業したのが今の会社だ。やがて彼は合法ドラックに溺れ経営権を手に入れた私は頭角を現し、正統なる後継者になった……だが、政治家になる気はない。そこは正妻の弟に譲るつもりだ。映像にはショウのアナルに前立腺を刺激するためのバイブが指しこまれ、口枷にはまるチューブからは強力な精力剤入り流動食を流し込まれている。むろん無認可で大量投与により精子がつくれなくなるがどっちみち体内に移動するから精子はつくれなくなる。
「(運が悪い事に時間が無いのでね……)」
ショウの場合は両親が居ない事に加えて伯父が元韓国籍とは言え大物だ。そう簡単に手出しが出来ないのは彼は手口を知っているからだ……甥っ子を疎ましく思っていたのは本国に居る親類らに押しつけられたからだ。こんな事をしても大丈夫なのは金銭トラブルで裁判沙汰になっているので金蔓のショウの事は気に求めて無い。どっちみち裁判中に何人か死ぬから残った親類で和解になるとみているらしい……あの大物は表の顔は善人だからなぁ……。
『限界です』
「じゃあ始めてくれ……」
医師達がショウの男性器にメスを入れる……強制射精攻めになったショウは声を上げる、局部を麻酔にされているが意識があり鮮明なモニターに投影された自分の性器をメスで切り刻まれる恐怖はトラウマモノだ。精嚢を慎重に扱い体内へと入れていく。モニターには驚くショウの姿に医師が説明する。
『君の精嚢は精子がつくれなくなってね……なに射精する事は出来るが生殖機能は無い。他の四人も何れはそうなる』
その言葉に絶句して彼はただ天井にある無影灯を見ていた。
『その顔だと片思いの子がいたのかね?あきらめる事だな……君はもう普通の人生を送れないのだから』
医者は決められたようにショウの精嚢を体内へと入れ込んだ。
手術が終わり肉棒のみになり、精嚢があった個所にはガーゼが当てられていた。尿道にはカテーテルが挿しこまれ動けない様に手足がベットの隅にタオルで固定されている。翡翠さんがつきっきりで世話をしているがショウは突きつけられた現実に押しつぶされそうになる。
「仕方ないじゃん、両親は読み間違えたと言うよりも現実を改竄した韓国政府の被害者みたいなもんよ……」
「……伯父は迷惑だったのでしょうか?」
「と言うよりも、仮に立ち直っても本国に居る親類が出しゃばる事を恐れた。だからシーメールにすれば逆に手を出せない。万が一分かっても“性同一障害”の診断書を見せればだまされるわよ」
リンゴを剥き終えた翡翠は切り分けたリンゴを咀嚼しショウの口移しする。
「翡翠さんもそうなんですか?」
「私の場合は……」
彼女はメイド服を脱ぐとショウは唖然とした。明らかに人の手が加えられた巨乳と肥大化したク○がはっきりと見えたのだ。
「女の子の場合はこうやって逃げられなくするの……それでも逃げる子は達磨にされる」
「???」
「手足をちょん切って生活のすべてを他人が握る事になるのよ」
その言葉にショウは想像しただけで恐怖感に包まれた。
「私もあるアイドルグループの一員だったけど人気が出て誰かが不祥事起こしてね……多分もう私ぐらいしか日本に居ないかな?」
「それって?」
「他の面々はもういないって言う事よ……あの子らもそうなるかもしれない」
黒井は候補の書類を見ていた。何れも“社外持ち出し厳禁”や“機密書類”と言うハンコが押されており彼はこの書類を忘れないためにリュックの様に背負うハードケースを買った程だ。
「ほう、ショウはまだか」
彼は今回の計画で最後に改造されたから全身像の写真は無い。そこに携帯が鳴る。
「これは大先生……はい?」
それはショウを電車内で合わせると言う事であり、スマホに着用している制服やヘアスタイル等が画像で送られてきた。
「わかりました」
事務員を呼んで外出する事を伝えた。
-
投稿:2013.01.21
アイドルグループStMR9 Ⅲ
著者 kyousuke 様 / アクセス 8468 / ♥ 0