御堂 ユウキが失踪して一年後……事件は急転直下した。IT企業の不正経理捜査でガサ入れで押収されたサーバーからユウキを始め失踪している子供らの画像が発掘されたのである。
「……酷いっすね」
「サーバー管理者は知ってはいたがまさかシーメールとは思いもしなかったようだよ」
失踪事件をケイゾクしていた捜査員は信じられない現実を見る事がここまで過激なモノはないがユウキの父親は舌打ちし、あるディスクを捜査員に見せ自分が持っていたノートPCにセットした。それは勤め先の巨大な悪事であった。
「御堂さん」
「大切なもんを壊されたからにはそれなりに責務を言うやつですよ」
彼はうすうす感じていたかもしれない。それは自分の妻に手を出した男と逆恨みの末に妻とユウキを壊した女が支配する会社であったのだ。
司法取引でユウキの救出に協力した女性は項垂れていた。会社は身売りされ夫も自分も手錠をかけられた。
「……後始末はしてやるさ」
ユウキの父親はやれやれと思い、薄汚れ年季が入った白衣を身に纏い、警視庁の刑事らに連行される様子を見る。
「御堂博士……このたびは」
恐らくダークコロシアムの常連客であった政治家も冷静を保てない、脂汗が出ているのだ。そうあんな事が知れたら破滅である。
「ユウキの様な子供の為にもiPS細胞研究の規制緩和と戸籍法改変をよろしくお願いしますよ……この分だと与党も野党もぶっ飛ぶでしょうね」
「わ、わかった!政権を取った後には必ず!」
ユウキは知る由も無かった、父は医療遺伝子研究で名が知れた天才である事、そして祖父が昭和政財界のドンだった事も……野党の重鎮らは今頃土下座をしているだろう。
ユウキは父の母校である国立医大病院に入院している。
「ユウキ、どう?」
「おねーちゃん……きちゃった」
真っ赤になるユウキにハルミは喜ぶ。そうユウキは精密検査の結果、今の技術では男性としての成長が望めない……第二次性徴が女性として進んでおり体内に埋め込んだ精嚢も二度と精子をつくれない。そこで父はユウキのiPS細胞から子宮と卵巣を作り出したのである。むろん知れては論議を呼ぶが種痘も最初は論議を呼んだ……それが受け入れたのは納得したからだ。野党も与党も八百長でiPS細胞研究の規制会話と戸籍法改正を国会で通しておりユウキは女性として性別を変更……そして子宮と卵巣を移植、正常に第二次性徴である初潮を迎えたのである。
「やったあっ!」
「それにしてもユウキのアレとらないのか?」
「カウンセリングを重ねないとダメなんだよ」
ユウキのペ○スは残ったままなのは男性心理がまだ残っているからだ。
「あっ、パパッ!ねぇ、デカクリにして……」
浩介はあまり実家に長居すると間違いを起こすかもしれない……今だと確実に。
終
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投稿:2013.02.15
禁断の遊戯 4
著者 kyousuke 様 / アクセス 10402 / ♥ 0