圭介は空手歴8年の中学3年生。
先生「圭介と浩太は話があるから、ちょっと残りなさい。」
練習が終わると先生に呼び止められた。同じ時期に空手を始め、それ以来ずっと一緒に練習をしてきた浩太も残されたみたいだ。
先生「実は俺の知り合いで護身術教室をしている人がいるんだが、今度その人が主催の大会を開くらしくてな。中学生の部に2人だして欲しいと言われて、勝手にお前らを登録させてもらったよ。嫌なら他の奴らに頼むから。」
圭介「いいですよ。」
浩太「他のやつらを出して、うちの道場なめられても困るしね。」
先生「今回の大会は男女混合で、ルールもいつもと違うから。ほら、資料やるからよく読んどけ。他の格闘技の選手も出るらしいからいい経験になるだろ。」
俺と浩太は資料を受け取るとさっそく読み始めた。先生は事務室に行ってしまった。
資料を見ると俺たちの名前が載っていた。俺はAブロック、浩太はBブロックだ。
浩太「要はブロックのやつらを倒してお前に勝てば優勝か。」
圭介「それより、K1みたいなルールだな。1ラウンドに3回まで倒れて良くて、10カウント位内に起き上がらないと負けか。」
浩太「おもしろそうじゃん。」
圭介「え!金的ありでファールカップなしかよ!」
浩太「護身術教室主催だからな。まぁ女の子の蹴りなんて当たんねーよ。」
トーナメント表を見ると俺の1回戦の相手は女の子だ。浩太は男と当たるらしい。
さすがにファールカップなしなんて不安だけど、浩太の言うとおり、女の子の蹴りなんて当たんないだろうな。
結局は浩太と決勝で当たる気がする。
先生「おまえら、そろそろ帰れよ。道場閉めるぞ。」
先生に追い出されて浩太と俺は外に出た。
浩太「まぁ、がんばろーぜ。他の格闘技やってるやつらに空手の強さ見せるいい機会だろ。」
圭介「そーだな。じゃあ、大会で。」
そういって浩太と別れて俺は家に帰った。
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投稿:2013.02.28
「金的あり、ファールカップなし」1
著者 リトルジョー 様 / アクセス 17818 / ♥ 2