俺はパン職人だ。
今日も朝から特大のバゲットを焼き上げて売りさばいたところ。
俺のブツと同じカタさとデカさの名物バゲットは、巷でも大評判だ。
さて、これから夕方の仕込みも終わったし、
しばらく生地を寝かせておくか。
休憩しようと首をゴキゴキ鳴らした俺は、
店の裏口から声をかけられた。
「ごめんくださあい」
振り返れば、メロンみたいな胸をブルブルふるわせながら
若い姉ちゃんがしなをつくっている。
俺のブツもスゲエ迫力だとは言われるが
このメロンもそうとうのもんだな。
「なんだ姉ちゃん。朝焼いたバゲットは売り切れちまったぜ。
また晩メシ時に表から来てくんな。
どうしても俺のブツが欲しいなら、取り置きしてやっからよ」
「あらん、嬉しい。じゃあ、おねがあい。
でも、そうじゃなくってえ。私、これを買ってもらいたくって来たのお」
そう言って女はキャピキャピ笑いながらバスケットから包みを取り出した。
俺のバゲットに似た感じの形だが、俺のブツより一回り大きい。
少しムッとしながら女に尋ねる。
「なんだこりゃ?」
「うっふ〜ん。特大のサラミソーセージよ」
「サラミぃ? 別に間に合ってるぜ。
うちではプレーンのバゲットしか作ってネェからな。混ぜモンは邪道だ。
それに、女房も俺のサラミで満足してるからな」
ガハハと笑うと、女は気を悪くする風でもなく自信満々で言った。
「それはコレを見てから言ってえ」
布をめくられてテーブルの上に置かれたブツを見て、俺は顔を青くした。
確かにこれは、サラミだが、立派なサラミではあるが、
ナマナマしすぎて今にも汁が垂れそうな、ビクビク震える生きのいいサラミだ。
正直、コレだけのデカいイチモツは、
肉屋の親父のトコにもぶら下がっているのを見たことがない。
「こ、こんなモンどうしろってんだ?」
「これをねえん、あなたのバゲットと交換してもらいたいのお」
女は、両腕で胸を挟み込むようにしながら、
俺の前掛けの下の膨らみに目をやった。
「バカ言え。俺は自分のブツで用は足りてる。
そんな誰のモンかもわからねえ、小汚ねえナニと交換なんかしてたまるかい」
「でも、おっきいほうが、女のコにはもてるわよお」
「フ、フン! 俺様の女房は俺のテクにぞっこんさ。
今更他の女どもに群がられたって、嫉妬されて俺が困らあ!」
俺は腕を組んで負け惜しみを言った。
「うふふ、でもおたくの奥さん、角の魚屋さんと浮気してるわよねえ?」
なんだって!?
俺は頭を麺棒で殴られたような衝撃を受けた。
嘘だ、嘘だ!
ああ、でもこの前、八百屋の女房が、俺を見ながら訳知り顔で魚屋の話題を振ってきた!
「チクショウ…あの野郎!」
怒り狂う俺に悪魔の囁きが聞こえる。
「コレ、魚屋さんのカツオより、大きいわよお」
「買ったっ! いくらだ!」
「うふふ、だから、あなたのバゲットと、コ・ウ・カ・ン。
あ、でもお昼ご飯のパンもオマケして欲しいナ」
「ようし、まかせな。生まれ変わった超特大サイズの、
焼きたてホカホカの湯気の出るバゲットを食わせてやろうじゃねえか。
ドッシリ重くてカチコチだが、口に入れるとトロけるブツだ、覚悟しとけ!」
「いやあん、たのしみ!」
俺はその場で服を脱ぎ捨てた。
女はサラミを入れていたカゴからいくつか道具を取り出す。
光るナイフの刃にチラリと目をやった俺を見て、女は言った。
「だいじょうぶよお、痛くないから」
「て、てやんでい! 痛みなんか怖がっちゃいねえよ、バカにすんな!」
俺は腕を組んで天井を向き、虚勢を張った。
ケツにプスリと何かが刺さった気がしたが、俺は怖くて下を見なかった。
いや、怖くない!
ただ、自分の汚ねえケツやらナニやら見ても楽しくねえから見ねえだけだ!
「いくわよお」
サクリ、と音がした。
「アヒッ…!」
突然またぐらが軽くなって、なんかもれた。
まさかションベン漏らしたんじゃあと、おそるおそる下を見ると、
女がアソコの毛に顔を埋めて、チューチュー吸っていた。
くわえられてるようにも見えるが、口の中に入っている感触はない。
女が鼻を鳴らしながら、口元から白いのを垂らしているのが見えた。
良かった。
いや、良かあないが、もし垂れているのが黄色かったら俺は悶絶したし、
もし赤かったら、気絶して卒倒していたかもしれない。
いや、これから溢れるのがうっかり目に入っても困る。
俺は再び上を向いて、ギュッと目を閉じた。
怖くない。なにも怖くない。
チクチク、アソコに針が立てられて、縫い合わされているような気がするが、
ぜーんぜん怖くない。
「終わったわよお」
ブツブツ呟いていると、いつのまにか全部終わって、
股間にずっしりとした重みが戻ってきていた。
いや、前より重い。
「…おお!」
そこには、喉元に届くぐらいビンビンのサラミ…
いや、俺の新しいバゲットがそそりたっていた。
「ちょっと注意があるんだけどお、これって前より少しビンカンなのよねえ」
「なんだって?」
確かに、前の俺の使い込まれた持ち物とは違って、
グロテスクな形とサイズの割には、赤ん坊みてえなきれいなピンク色をしている。
まあ、中古の汚らしいナニをくっつけられるよりマシだが…
「おい、困るぞ。いくらデカくても早漏ってんじゃ…」
「心配しないでえ。ビンカンなかわりに、
一度カチコチになったら、10時間はカタくなりっぱなしなのお」
女が胸を押し付けてきて、メロンで俺のバゲットを挟み込みながら、
ピンク色の先端を指先でなぞった。
「ヒアッ!」
考えられないくらいの早さで俺は果てたが、
タイミングよく女が口を付けて全部飲み込む。
一発抜いた後も、俺のバゲットは変わらないカタさのままだった。
これなら、たしかに戦えるかもしれん。が、しかし。
「10時間てのもまた極端だな」
「うふふ。奥さん喜ぶわよお」
「しかし、これじゃあ店にも出られん」
「あらあ、いいじゃなあい。その膨らみ、ステキよ」
俺は服を着なおし、シャツの襟から突き出している先端に、ナプキンをかけてみた。
「クスクス、高級レストランのシェフみたい」
俺も可笑しくなって笑った。
「よし、少し待ってろ。今パンを焼いてやる」
俺は、新しいナニのサイズに合わせた新生バゲットを焼き上げ、手渡した。
女はご機嫌で一口かじると、顔をほころばせながら、
一度には食べきれないと言って、俺のバゲットを、二本とも、
持ってきたサラミの代わりに布で巻いてバスケットに入れ、持って帰った。
俺は新生バゲットを大々的に売り出し、驚く客達に売りさばいた。
バゲットと俺のブツが同じサイズのことを知っているやつらは、
今日は息子が張り切っているのかと、ニヤニヤ笑っていた。
俺が正直に、息子がデカくなったんだと教えると、
みんな冗談のつもりで、爆笑していた。
だから、そんな奴らには、ちらりと首もとのナプキンをめくって
先っちょを見せてやる。
みんな、あっけにとられた後、まさかそんな、と顔色を変えた。
何人かの男どもは、どうやって大きくしたのかを聞いてきたので、
女の事を教えてやった。
バタバタと慌てて探しに行ったので、
運がよければ奴らも恩恵にあずかれるかもしれない。
その晩、家に帰ると、女房は狂乱した。
グチャグチャにかきまわされて、よだれを垂らしながら
隣近所に響きわたる大声で叫びまくった。
「ああ、あなたスゴイ! スゴイの! ステキ、ダメ、またイッちゃう!
アアン! こんなの魚屋さんなんてメじゃないわ!」
「やっぱり、魚屋の野郎と浮気してやがったのか!」
「違うの、違うの! あんなのただの遊びよ! 全然本気じゃないの!
あんなシシャモの干物、あなたの特大バゲットと比べ物にならないでしょ!
私にはあなただけ! 愛してる! 愛してる! アハン、ソコ、ソコォ!」
俺はまだ怒ってはいたが、しょうがないから許してやった。
だって、正直なところ、ちょっとつらい。
ひとこすりするたびにドピュ、ふたこすりするたびにドピュ。
確かにカタいままだから、やろうと思えばいつまででも戦えるが、
あんまり絞られるんで俺は涙目だ。
魚屋憎しで女房を盛大にやりこめてやったものの、もう限界だった。
ヒイヒイいいながらベッドに転がった俺の腹の上で、
ようやく時間が来たのか、バゲットが縮んでいく。
縮んでいって、縮んでいって…見えなくなった。
あまりの縮みように、俺は女房と二人で、アソコの茂みをかきわけて探したが、
出てきたのは女房のマメより小さなパンクズだ。
しかも、ポロリと取れて、コロコロ床を転がって行った。
「まさか…使い捨て?」
呟いた女房の言葉を聞いて、俺は目の前がマッシロになった。
朝になって目が覚めると、ベッドの横には誰もいなくて
クローゼットの中もカラッポになっていた。
それから、俺の店の商品はクロワッサンになった。
もちろん、俺の持ち物と同じサイズだ。
フクロは残っているから、嘘じゃない。
嘘じゃないったら、ない!
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俺は魚屋だ。
今日も朝から特大のカツオを仕入れてきて売りさばいたところ。
そんな俺に、メロンみたいな胸をした若い姉ちゃんが声をかけた。
「ねえ、パン屋の奥さん、旦那さんのところへ戻っちゃったそうね」
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投稿:2013.04.01
押し売り
著者 自称清純派 様 / アクセス 9931 / ♥ 2