母親vs息子 その1
「あっついなー…」
夏ってこんな暑かっけ?
ゆっくりと湯船につかってから風呂を出たから暑くて死にそうだ。
体を拭きながら鏡を見ると、自分の体が男らしくなってることに気付いた。
そういえば声変わりもしたし、だいぶ筋肉質になったよな。
風呂の熱で、薄く伸びきった玉袋には、はっきりと重たそうな金玉の形が浮き出ている。
「そういえば…」
友達がちんこの皮が剥けたとか言ってたっけ。
ずっしりと垂れさがった金玉の上にはまだ皮に包まれたちんこがある。
「剥いてみるか」
ひと思いに皮を根本に引っ張ってみると、ピンク色の亀頭が現れた。
鏡に映る俺の体は大人の男そのものだった。
「さて、そろそろ出るか」
ボクサーパンツをはくと、いつもより股間のふくらみが大きく見えた。
「暑いからパンツだけでいっか」
俺は脱衣所を出た。
「あんた、またそんな格好で出歩いて!
ちゃんと服着てから出てきてって言ってるでしょ!?」
また母さんの小言が始まったよ。
「うるせーよ!別にいいだろ暑いんだから!」
「風邪ひいたらどうすんの!」
子供扱いしやがって…。
洗い物をする母さんのケツに蹴りを入れた。
「なんてことするの!」
母さんは俺の顔をひっぱたいた。
痛かったけど、しょせんは女の力だ、たいしたことないと思えた。
鏡に映っていた自分の体と母さんの体を比べた…
なんだ、俺の方が全然強いんじゃないの?なんで今までビビってたんだ。
もう子供じゃないんだってことわからせてやるか。
俺は母さんの顔にビンタしてやった。
「いい加減にしなさい!」
母さんが俺の腕を掴んだ。母さんは俺を壁に抑えつけようとしたみたいだが俺の方が全然力が上だった。
俺は母さんを逆に壁に抑えつけてやった。
「子供扱いすんなよ!」
俺は何発か母さんの足を蹴った。
力の差は歴然で、母さんも蹴ってはくるけど、ほとんどノーダメージだった。
母さんがうつむいて蹴るのをやめた。
もう俺には勝てないって観念したのかな。
「わかった?
母さんより俺の方がもう百倍強いんだよ!
もう母さんなんか怖くないからな!」
そう言って最後の一発を入れようとして脚を上げた時だった。
「!!!」
母さんの脚がものすごい速さで俺の股間を蹴りあげた。
パンツのふくらみが一瞬でぺちゃんこにひしゃげた。
すぐに鈍い痛みが俺を襲った。
「うぅぅ……」
俺は金玉を抑えて床に転がった。
「ふー。ふー。ふー。」
下腹部がずんと重くなって、俺は立ち上がれない。
「母さんが怖くないって?
そんな弱点ぶらさげといて、私に勝てると思ってんの?」
母さんは仁王立ちになって俺を見下ろしていた。
「威勢のいいこと言ってた割にもう終わり?
母さんより百倍強いんでしょ?
早く立ちあがって強いとこ見せなさい!」
股間を抑える手には玉袋の感触だけで、金玉が感じられなった。
母さんの蹴りで腹まで上がっちゃったみたいだ。
俺は相変わらず動くこともできず、悔しさで涙があふれた。
「ちょっとやりすぎちゃったかな…」
そう言いながら母さんは俺の腰を叩き始めた。
「女に暴力振るうなんて最低の男だからね?
もう絶対しないこと。
それに、男なんてそこ蹴りあげれば一発だからね」
しばらくすると母さんは洗い物をしにキッチンへ戻っていった。
「歩けるようになったらとっとと部屋戻って、早いとこ服着なさいね」
金玉は降りてきたけど、俺は10分くらい床でうずくまっていた。
鏡で見たときにはあんなに強そうだったのに、
非力な母さんに金玉を蹴られただけで負けるなんて。
俺は悔しかった。