私はかつて警察で潜入捜査官をしていた、退職前に大陸系マフィアの日本拠点を一網打尽して、後処理した後に退職し今のダーリンと結婚した。彼には死別した前妻の遺児が居たけど関係は良好でダーリンと私の間にできた次男も可愛がっている。
「律子ママさん、行ってくるよ」
義理の息子は私が母親になった以来、そう呼んでいるけど仕方ないと思う。彼の母親は一人しかいないから、よく結婚を承諾してくれたと思う。
「宗太もママを守るんだぞ」
「うん」
ダーリンは広域捜査官で長男は地元の警察官、キャリアにも成れるけど色々と聞いて性格上逢わないのでノンキャリ……でも彼の母親はキャリアの失態で事件に巻き込まれたからだ。玄関で見送って何時も思うが仕方ない。次男は結婚して直ぐに懐妊、出産して今や小学三年生。こんな事情と複雑な一家で素直にそだっているが少し弱々しいのが気になる。昔の“職場”で柔道か空手を習わせる事も考えている。私には恨みを買っている人がゴマンと居るし認識してない奴も含めると……特に退職前の潜入先は理屈が通じない人種だからなぁ。ダーリンも仕事上彼らの様な人々を相手にする事が多いから苦労していると思う。だから家族が狙われる可能性が高い……そりゃあ機密データ管理はちゃんとしていると信じたいが人間欲にくらむとなんとヤラと言うのはいやっと言う程知っている。
その日の夕方、宗太の居場所を示すGPS付携帯は公園を示していた。念のために家のPCで家の鍵に付けているキーホルダーに仕込んだGPSも作動させるとやはり同じ公園。おかしい、彼はこの時間帯にここにはいかない筈。私は直ぐに公園へと向かう、ぞこは防犯協会がお墨付きを与えている個所で安心しきっていた。ただ時間帯によっては無人になる事もある、スマホの画面で反応を辿ると複合遊具の中を示していた。
「え?」
それは宗太の携帯とキーホルダーが付いた家の鍵、しまった!
「!」
私は気が付いた時には強い衝撃を受けて気を失った。
気が付いた時には私はやはりと思った。目の前に居る男はあの時から少し老けているが嫌な目つきは当時のまま。
「老けたわね、李……出来ればもう少しソフトな感じでしてほしかったわめ」
今の私は全裸でベットに縛りつけられご丁寧にベットがある床が垂直になっている仕組みがある。
「アンタガ潜入捜査官を辞めて……」
「九年よ、しかたないもんね、職場の規定だったから」
「面子をツブサレテニゲマワル日々は屈辱ダッタアルネ」
「アンタ、“同業者”さえも嫌われていたからねぇ、よく賞金首になって無事ね」
日本では懸賞金指定になるのは余程の事だが他の国では組織犯罪のボスや幹部は賞金首になり易い。
「ツヨガッテモイイノカ?」
「宗太は何処なの?あの子には……」
そうだ、あの時とは異なり今は大事な息子が居る……一番恐れていた事、それはあの時から知っていた。
「……」
李は指を鳴らすと筋骨隆々の身体を見せつけるかの如くのブーメランパンツのみの男二人に腕を掴まされた状態で宗太を連れて来た。
「くっ……あの時から変わってないわね」
宗太を見て直ぐに分かった、胸には包帯が巻かれ男児には不自然な膨らみがはっきりと分かる、その上にオムツを穿かされている。自分は数日は眠らされている事は確かで潜入捜査中に対立していた組織の長の息子をこんな風にして辱めた事を目の前で見ていたからだ。彼が属する組織は薬物と人身売買の他にもこんな事をして稼いでいた。
「ワカッテイるね、だけどワタシハカレガダシタ条件を守ってカレハ自分の意思でこうなる事をノゾンダね」
いや、彼は私を完全に眠っている間に宗太の意思である事を誘導したのだ。肉親にこれ以上危機が及ばない事を承諾させれば幾らでも稼げる、李は今は亡きボスと共にこの手を駆使して対立する同業者や組織を潰し、時には捜査官の身内や親しくしていた近所の子供ですらしたと言う。その為か私が潜入捜査官をしていた時には潰された組織に居た李に恨みを持つ構成員数人が協力してくれた程だ。
「宗太、なんてことを」
「ママ、ゆるして……こうしないとお兄ちゃんやパパまで危険になる」
大方、宗太の友人まで巻き込むと脅せば堕ちる。李はハッタリをかますのが天性的に上手かった。特に子供相手なら確実に落せる、それは人身売買や売春には欠かせないスキルだ。
「そんなにボスを獄中死させた私を憎んでいる訳ね、ダーリンや貴宏さんを敢て狙わずに……」
宗太まで巻き込んだ理由は分かる、それはボスは李を義理の息子としたのは彼が九歳の時だ。しかしそれは表向きの話で真の目的は愛人……李は第二次性徴が出るまで女装を強いられていた過去があり僅かな期間でも未だにそれは苦痛になり歪んだ性癖になっていた。
李は国際指名手配こそされてはいたが私や宗太を誘拐出来る状況から察して組織の息がかかった外国籍船舶を転々としていた、彼の仕事は規模こそ縮小したが日本国内から他の犯罪組織が誘拐した人間を連れ出して調教や肉体改造する事は船舶内部でも資材や人員さえ手配すれば出来る。大陸の本拠地は未だ健在で本国幹部も李の技量を見極めて匿っているのだ。李は後が無い状況と言うのも考えられる……李は共産党の幹部を排出する名門一族で彼の曾祖父は建国以前から活動していたと言う、しかし彼の父親が党内権力争いに敗れた。彼と同性代の親族は海外に逃れて帰化した者もいるが李はそれが出来なかった。父親の裏工作をしていたのが獄中死したボスであった。
「私と宗太にナニをさせる気?」
「キマッテイルアルネ、宗太のDNAモツ赤子を産ませウルあるね」
宗太の息が荒くなっている、無理もない母親の全裸なんて九歳の男児には刺激が強過ぎる。オムツには異常な膨らみがハッキリと分かる。
「……あの薬を」
「ソウアルネ……精通してない彼にはキツイアルヨ」
「!!!」
「鍼灸師に射精封じの針をしてあるのよ、久しぶりね三井 律子、今は御堂川だったわね」
極彩色の生地に鳳凰をあしらったチャイナドレスを着た女性、かつてカリスマ美容整形女医として名を馳せていたが不正や医療ミスが問題になり事実上の業界追放、李の組織に身を寄せており私とは愛人の座を競い合ったライバルである。彼女もまた別の容疑で指名手配されている。
「ふふっ、精通した精子で懐妊するなんて贅沢ね」
私とほぼ同じ年齢であるが美容整形医の前に女であることを意識してか彼女のボディースタイルは抜群によく、チャイナドレスがそれを彩り男を虜にする。流石に専門家とあってため息が付くほど美しいが心はドス黒い。彼女が宗太が穿いているオムツを取ると肉棒には純金製の針が刺さっていた。
「誘拐して今日で三日目、この針は誘拐して直ぐに施したのよ」
「ドクター、もう潰しタノデスカ?」
潰した?私の表情を見た李は云う。
「アンタとはマッタクカンケイナイ、カンリュウクズレのアイドルの始末もしているね」
そうだ、人身売買の商品になるのは様々な理由がある。私や宗太の様に組織が態々手を回して誘拐するケース、女や商売でトラブルになって本人やその家族や恋人を誘拐、具体的に言えばサラ金の返済不可や組織の女、即ち“商品”に手を出したり妊娠させたり……ただここまで至る事になるのは普通の市民であって。組織と繋がりがある人や利用できる立場や役職を持つのなら末端を束ねる幹部判断でしない。李はその幹部らを束ねる幹部長であった。
「アンタニハスデニ排卵誘発剤をトウヨシテイル、日本未承認だがモンダイナイネ」
ベットが倒れると構成員らは業務用TVカメラと集音マイクを持ち、天井にある照明が点灯、私は眼を閉じた。
「ママ、がまんできない」
宗太のおちんちんが私の秘所に入り込み、ご無沙汰だった発情機関は一気に官能の炎を発した。よく見ると腰回りに何か着けている。
「彼の肛門にはディルトーが入っているのよ、ノンケの男をMにするのは簡単なのよ、貴方は知っている筈よ」
ドクターの言葉に私は愕然とした、李は両刀使いで幼少の頃から接していたから人を快楽へと貶める事はしっていた。常に肛門にディルトーやバイブを挿入させたまま過ごさせると自然と肛門を広げている遺物感に対処するべく締め付けない様に足が内股になり背骨を弓なりにしてお尻を突き出す格好に自然となり、女体の構造に近い格好へ。座る際にもバイブやディルトーの突き上げから逃れるべく足を揃えて横座りになる。私はそれを彼女から教えられた事がある。
「い、いやぁあああああっ!」
親にとって残酷な事実、潜入捜査の時にそのような少年や青年を見てゾッとしたが息子がそうされていたとは……ある意味目の前で殺害するよりも残忍である事は確かで李はこの様な手段でボスの寵愛を受けつつも組織内に居るライバルらを蹴散らし従えていたが当然恨みを抱き、私の潜入も敢て気がつかないふりをした者も多く本国出身の幹部も煙たがっていたが数少ない日本をよく知る有能な幹部である事は事実だ。実際に私と宗太を誘拐するには今の李やその配下のみでは出来ない。
「宗太……ごめんね」
私は宗太の“ペニス“から来る圧迫感に耐えきれずに雌の喘ぎ声を出すしかなかった。
「うふふ、針を外すわよ」
射精する回路を解放された宗太のペニスは自分が九年前に居た胎内の感触により、濃密な初精を出し続けた。射精した後も堅く私は気が狂いそうになる。
数日後、私と宗太は大型犬を運ぶ織の中に閉じ込められ私の足には包帯が巻かれており足の筋を切除された事をあの女医から言われた。脱走を防止する為ならここまでするのは当然な事だ。
「そう……」
宗太が言うには昨年の梅雨に駅前から自宅に行く国道で彼女が乗る自動車が水たまりを跳ね上げ宗太にかかった。彼女は“拠点”になっているマンションに宗太に風呂に入らせその際衣類からフルネームを知り、李の配下に調べさせた。で、私との関係は偽って過去の事件の関係者となっていて再会すると危ないから内緒にしてほしいと約束したらしい。恐らく顔写真があるID付や戸籍を買っているのだろう……他人になり済ましての生活波今の社会なら警察の世話にならない様にすれば出来る。昨年は色々と忙しく宗太の事は少し疎かになっていた。
「貴方は悪くはないわ……大丈夫よ」
手の感触が宗太の肌触りが女性になりつつある事に私は顔に表情に出さない様にする。
「それで、パパやお兄さんを守る為に……」
そしてあの日、宗太は信頼していた彼女のマンションを訪れて眠らされており携帯とキーホルダーにGPSが仕込んでいる事を知って私を誘き寄せ、李の部下が誘拐した訳だ。初めて出会った日から計画を練り、本拠地や友好関係がある同業者やらの調整やら交渉、李の配下だけじゃここまで出来ないからだ。宗太の条件を承諾したのは初めからダーリンや宗太の兄を誘拐する計画はない、それこそ警察組織に居る協力者にもリスクが生じるからだ。李は狡猾であるが同時に警察を極度に恐れている、真偽は定かではないが警察幹部が父親にありもしない犯罪をでっち上げ陥れたらしく彼は一人前になるとその復讐に幹部の孫を誘拐、ペニスを切断しそれを送り付けた……その事を考えると宗太の判断を読み切ったドクターの功績が大きい。彼は拠り所を無くす事を異常に恐れているのは今でも同じ、否酷くなっている。
「ママ……」
「大丈夫だから、宗太……彼らには逆らわないで」
今の私にはこれしか言葉がかけられなかった。微かな“希望”はまだある……。
程無くして私は宗太の初仕事の映像を見せられた。服装から見て誘拐された当日のままでマストアイテムの青色のランドセルを背負い、嫌な応でも小学生とわかる。やがて李の指示だろうかランドセルを置き、上半身裸になりランドセルを背負う。カメラは舐めらしい動きで宗太を映していく。宗太も戸惑いの表情を撮影する辺りはやはり客に向けたPVなのか……李の事だ、宗太には男としての誇りを砕く為に性行為をさせるだろう。私には商品を作らせるのでそんなに酷い事はしない筈だ。やがて宗太はハーフパンツを脱ぎ、ブリーフ姿になる。やはり膨らみを中心にカメラレンズを動かしている。そしてボンテージ衣装を着た少女二人が来て革手袋で包まれた手で愛撫していく……いや良く見ると彼女達の股間が盛り上がっている、まさか。
「あの双子は一昨年から失踪している一家の双子よ……高校生の長男は運よくマダムに飼われているけど中学生の長女はラバー愛好家で飼われて今は繁殖奴隷……双子の方は買い手が直前になって御縄になって、売り先無くなって仕方なくこっちで使っているわ」
髪の毛とかは適度に毛先を整える程度にすれば地毛でのセミロングにする事も可能だ。説明するドクターも関与しているだろう。
画面はブリーフを降ろされ双子の片方が巧みに宗太の両腕を掴み、一人が躊躇せずに宗太のペニスを触れる。この年齢でも勃起する事は私も現役時代に幾度も見ているが宗太の成長をこんな状況で実感するとは。
「この薬覚えているよね、筋弛緩剤の一種で塗り込めば幼稚園児の穴でも大人のペニスを飲込める……ただし神経は麻痺させない」
歯磨き粉のチューブを見せるドクター、これも日本では未承認であるが規制が緩い外国では色んな事情により流通しているし、日本でも個人輸入やらで手に入るが使用に関しては自己責任だ。中には類似品やら粗悪品もあるが李の事だ、商品管理に直結する事には金と手間を惜しまない。これも私が現役時代に彼に接していたから良く分かる。
「彼のアレの大きさはわかっているでしょ……身体が」
映像にはマスクを被り全裸の男が映し出される。少し老いた感じも見受けられるが筋骨隆々、身体には何か所か刃物による傷の縫合跡や銃痕がありこれだけでも彼の半生を窺い知ることが出来る、それが李だ。双子は宗太を分娩台に載せると手足を固定する。こんな商売なら用意しても不思議ではない。李はあの薬を指に付け宗太のアナルに塗り込んでいく、私も経験しているから分かる事だが徐々にムズ痒くなり誰もが指を入れる……画面の宗太も少量とはいえ手を拘束された状態では地獄の痒さになる。私ですら李にアナルを犯してと叫んだほどだ。そして白衣を着た初老の男性が宗太のペニスに純金の針を打ち込み、李が手で刺激しても出る筈の初精は濃縮されている。彼は分娩台に載り宗太の口にペニスを差し込む。
「因みに誘拐して水を一切与えてないわ」
そう精液やおしっこを飲込ませる癖をつける為に敢て水分は与えずにする、ドクターが言うには脱水症状になると点滴をさせるか水を飲ませて再び放置するか手荒な事をする。宗太の口を蹂躙したペニスは白い液を出し、彼は喉を鳴らして飲込んだ。まだ李のペニスは勃起したままである。
「いよいよね」
李は分娩台から降りてそのまま柔らかくなった宗太のお尻の穴にペニスの先を付けるなり一気に挿入した。半分だけ剥けた宗太の鈴口が金魚の口の様に動いた。李は宗太のGスポットを探り当て集中的に攻め、宗太は喘ぎ声を出していた。その後李は何回も射精しており、彼のペニスが自然にしぼんだ時には宗太の菊門は雌の穴になっていた。私はこの状況に押しつぶされそうになっていた。
更に数日後、宗太は胸の包帯が外れて改めて豊胸された事を思い知らさせれる。しかし男性機能を維持する為に調合された薬剤も投与されているとは言え限度がある。日々変わっていく身体に不安がる宗太を抱きしめるしか出来なかった。この船の行き先は恐らく日本と中国の領海線上に点在する海洋都市群……中国が海洋資源開発を進めていたが国内情勢の悪化に伴い政府や軍との関係がある犯罪組織の根城になり海賊の根城やら密貿易中継地点、はたまた偽装難民の拠点となっている。領海線上にそっている上に大規模、しかも両国政府の関係上中々ガサ入れが出来ない。別名シナ九龍と言われているのも頷ける。厄介なのは今でも拡張されていて全容が掴めない、李はここにも潜伏していた事は想像がつく。
「大哥ニカオヲダサナイトイケナイアルネ」
日本のヤクザで言えばアニキに該当する人物、恐らく彼の口利きなくては私と宗太の誘拐は出来なかった筈だ……アジアエリアを管轄する幹部は即ち組織の頂点に立つ可能性が高く、この事を考えると李は一応一目置かれていると言う事になる。
やがて船は沖合に停泊しシナ九竜から迎えの小型船に私達は檻ごと載せられ、自殺を恐れているのか李の慎重には恐れ入る。
「ママ」
「……大丈夫」
他の商品と共に小型船はシナ九竜の袂に作られた港へと接岸した。
「李、元気にしているじゃないか」
「徐大哥、この度は……」
「で、彼女が日本支部を壊滅させた元捜査官か。お陰で陸じゃ相当の騒ぎになっている、お前を生け捕りにすればどんな罪でも司法取引するって言う噂すらあるぞ」
今の中国は弱体化しており、特に環境汚染により越境汚染の発生源や癌や重金属汚染による障害で問題になっている。日本からの技術援助がなければ成り立たない状況であり裏社会にも影響が及んでいた。
「ボスをコロシタオンナデス」
「気持ちは分かる、あいつとは盃を交し、同じ修羅場をを潜った中だ、あの時もあいつは最後まで俺に助けを求めなかった……仇敵の子供まで誘拐するのはやり過ぎだ。警視庁は既にお前の犯行と断定して国際指名手配に罪状が追加されたぞ」
港にて二人の会話が続く。
「クッ」
「総本家への申し開きを考えておけ、この二人は俺が預かる」
日本語で話しているので私にも分かる。
李の元を外された私達は徐の部下達により風呂に入浴させられていた。海上資源開発基地だけではなく中国で建造されていた豪華客船数隻も係留と言うか一体化されていた。徐の事は私も知らない人物であるが先程の話から察して相当な大物幹部である事は確かだ。風呂から抱え上げられ全裸のまま徐の元まで連れてこられた。
「宗太」
宗太はチャイナドレスに身を包み、徐の足元で女の子が座る仕草をしている。
「ミセス.ミツイ、確かに李のした事はやり過ぎだがこちらにも損害が出た事は事実、とは言えこのまま帰す訳もいかない」
「……」
「勤めを果たせば命の保証はする、李は間もなく消えるだろう」
徐の言う通り、彼は数ヵ月後大量の覚せい剤による急性中毒を起しある繁華街で通り魔事件を起し警察により射殺された。その頃になると私の胎内には宗太の遺伝子を持つ双子が居て安定期に入るとアナルセックス専門娼婦になり、宗太も”鈴音”と言う源氏名で徐の接待要員として男の慰み者になっていた。
「男女の双子ですね」
こんな場所でも最新鋭の医療器具が集まっているのは元々軍事的要衝で運用出来るし、組織犯罪は商品管理の為なら金に糸目はつけない。私の胎内に居る双子はどうなるのか……それは分からない。宗太も身体のラインが女性になりつつあったが生殖機能は維持されてはいたが明らかにペニスは委縮し反比例するように精嚢は肥大化していた。
「徐の旦那、出産ショーは出来るかどうかはわからないよ……促進剤は負担になる」
「そうか、ショーの内容は考えておく」
徐の横には複雑な表情を浮かべた宗太が居た。胸も尻もはっきりと分かる程膨らみ、顔つきも少女ぽくなり、髪の毛は恐らく女性構成員がしているのか手入れもされている。
「ママ」
後ろ髪を引かれる思いで宗太は徐に連れられて私が居る部屋から出た。命令は絶対である、ここは処分するのは困らない場所だ。死体もあっという間に沈み腐敗する前に自然へと還される。
やがて私は公開出産ショーにて双子の赤ちゃんを出産、健康優良児であり買い手も付いた。しかし私の卵巣は腫瘍が見つかり切除された、これは大陸系犯罪組織が見せしめにする女性の去勢であるが今はこれをする事はない、生殖細胞はES細胞として売買されるからだ。ただ私の様に年増であればリスクを考えて切除する訳。
「では、鈴音の自然生殖不可能去勢となります。説明をしましょう」
元々は偽乳児奴隷と言う少年や少女を赤ちゃんのように奴隷の生活能力を奪う際の一連の手術にある身体改造の一つで男児はペ○スを勃起させてしまうがそのままの姿で楽しむ変態も居るがリアリティを求めて海綿体を刺激して射精出来るまで削り取る。生き恥を曝す最も酷なやり方だ。サンプルとしてオムツにロンバース姿の二人の少年がステージ中央に連れてこられ乳母役と思える女性がオムツを取るとクリペニスよりも小さなペニスが曝された。宗太や産まれて来た乳児もあんな風になるのか……私は出産後の身体で意識が途切れた。
数日後、私はA.S.E.A.N.軍の特殊部隊に救出、徐はどうも台湾の諜報機関に属する潜入工作員であの後日本軍も参加して海九龍始まって以来の大規模なガサ入れを実施、複数の犯罪組織を一網打尽して多数の奴隷を保護した。
「もうしわけありません」
「いえ、まさか貴方が……」
徐は表向きはA.S.E.A.N.特殊部隊により射殺されたとマスコミに発表されたが写真は偽装だ。徐の本当の名前である王さんの手腕で私と宗太は台湾軍の病院に入院する事が出来たのである。
「息子さんはリハビリが必要ですが男性機能は回復できます」
「そう」
気がかりなのは双子の赤子だ。
「気にする事はない、育てようじゃないか」
「ダーリン」
「首相府も考慮するって言っていますよ、この度は警視庁と広域捜査局の不手際でこうなってしまったのですから」
ダーリンの横に居たかつての上司はやれやれと言う表情を見せた。この分だと軍まで動かしたのだろう……。
「律子ママの為に水谷さん相当無茶をしたんだよ……」
長男は呆れていると言う事は事件発生時から彼の下で動いていたらしい。
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投稿:2013.12.24更新:2014.01.13
捕らわれた元潜入捜査官
著者 kyousuke 様 / アクセス 16231 / ♥ 3