ある森に、一匹の狼男が居た。
全身を銀色の毛並みに包まれ、狼の頭を持った獣人である。
人間の成人男性の倍もの身長があり、分厚い筋肉を有し生殖器も大きく、まさに雄の中の雄といった立派な体躯を持っていた。
もともと、狼男自体の個体数は少なく、群れを組むこともないので彼は産まれてから一匹で生きてきた。
そんな彼に訪れた生まれてはじめての発情期…
彼を襲う強い性欲は、すぐに雌へと向いた。
しかし、狼男に雌は居ない、本能的に彼は対象を人間に定めた。
人間の通る道を覚え荷馬車を襲い、女性が居たら犯し、居なければ馬車を引く馬を犯した。
こうして彼は、何度も繰り返し馬車を襲った。
しかし、人の噂は早いもので、早くも狼男討伐のため騎士団が派遣された。
騎士団と知らずに馬車に襲い掛かった狼男はすぐに周りを囲まれ、退路を塞がれてしまった。
しかし所詮は人間と獣、優劣は明らかで、十数分もしないうちに騎士団の大半が地に伏した。
すると、一際豪華な馬車から、雌独特の臭いを放つ騎士が降りてきた。
この騎士団を統括する貴族の女性で、同時に騎士の称号も得た女騎士であった。
こいつは雌だ…彼の思考に再び性欲という雲がかかった。
この性欲が後の惨事を引き起こすとも知らずに…
彼は剣を抜く相手と対峙しながらも自らの逸物をいきり立たせていた。
その勃起した逸物の大きさは成人男性の腕と同じ大きさであった。
彼の思考は、相手をどう倒すかではなく、どう犯すかという自身の勝利が前提の思考であった。
もちろん、彼が正常な思考で戦闘を行えば勝負はあっという間に狼男の勝利で終わっていただろう。
しかし、性欲に支配された思考が狼男の行動を一瞬鈍らせた…
女騎士は、素早く前進しながら剣を横に振った。
狼男は一瞬送れて後ずさったが、勃起した長大な逸物は前方に向いたままで、相手の剣戟によって横に裂け、大量の血液を吹き出させていた。
相手の剣を避け切ったと思っていた狼男も、不意に襲う股間の焼けるような熱さと激痛に自らの逸物を必死に押さえて大声で叫び、耐える他なかった。
女騎士にとっては相手の失態は願ってもない好機である。
むしろもう勝敗は決したといって良いが、仲間がやられた借りもあった。
女騎士は剣を鞘に納め、相手の大きな体目掛けて体当たりを行った。
狼男は体当たりされても体勢を立て直す余裕などなく、逸物を押さえながら仰向けに倒れてしまった。
女騎士は狼男の股座に近付き、西瓜ほどの大きさの睾丸を思い切り踏みつけた。
雄の象徴であり最大の急所である睾丸を踏みつけられれば、狼男も逸物のことを忘れたかのように手放し、相手の足を掴んで大きく叫んだ。
狼男の叫びを聞き、女騎士は兜を取り狼男を見下し言った。
「これから野犬の去勢を行う」
人間と狼男は言葉こそ通じないが、狼男は何かを悟ったように首を左右に振り必死に相手の足を大事な睾丸からどかそうとした。
しかし、逸物を横薙ぎにされ、睾丸をひとつ踏みつけられている狼男の力は弱弱しく、鍛えられた女騎士を退かすにはいたらなかった。
女騎士は宣言通りに去勢行うため、踏みつけた睾丸へと徐々に体重を掛けていく。
徐々にではあるが、地面と足の間で睾丸は歪んでいき、狼男に内臓を潰されていく激痛と生殖器官としての悲鳴を響かせ。
元々内臓ゆえに強度の低い睾丸はミチミチと悲鳴上げ、歪な形状へと変形していった。
狼男は最早なす術なく睾丸破裂を待つのみとなった。
狼男の生殖本能が子孫を残すためと破裂寸前の睾丸から精子を運び出し強制的な射精を行わせるが、二つに割れた逸物の根元から力なく精液が垂れるのみで、精子の目的である受精を果たせず、狼男の股間の毛を滑り落ち地面へと落ちて土の養分となっていくのであった。
何秒たったであろうか…狼男にとって数時間、数日間に感じられる激痛の嵐にも終局が訪れた。
女騎士の足が睾丸中心部を貫通してるかのように押し潰していると、急に肉の潰れる小気味悪い音があたりに響き渡った。
睾丸の大きさゆえであろうか、大きく「グヂュリ」と音を立てて狼男の睾丸のひとつは永久に機能を停止した。
あまりの激痛に、狼男は泡を吹き、気を失っているようであった。
女騎士は微笑み、仇は取ったぞ、と仲間達の遺体へ向けて零した。
しかし、狼男にはまだひとつ睾丸が残っていた。
「きっちり処分しないと、悪さをするからね…」
そういって女騎士は考えた、どう苦痛を与えて睾丸を破壊させるか…と。
時間はたっぷりある、狼男はまだまだ起きそうにないのだから……
完
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投稿:2014.01.23
狼男の末路
著者 dodo 様 / アクセス 11505 / ♥ 2