朝が来た。ピンクと白のシマシマ、そしてモコモコ。
股の内側で皮膚が触れ合う感触にふと下をみると、大きな玉がふたつ。
これから取ろうっていうものに比べてしまうと逆に大きすぎる。これがここにこういう感じで皮膚として盛り上がるのか。
「おはよう、よく眠れたみたいだね。」
返事も忘れて咄嗟に出たのは、常日頃からの疑問だった。
「ここにこういう感じで居て、早いものでもう2年くらいになります。あの、女性ホルモンとか、そういうのはなかったんですか。」
訝っているのか、それとも挨拶しなかったことで機嫌を損ねたか。構わず続けた。
「ほら、注射とか、食事に混ぜたり、いろいろ。」
「今着ているものを見ればもう説明の必要はないだろうけど。」
「・・・」
「そんなこと仮にしたら、どうなる?」
「女性に近づきます。」即答。
「違う。」あちらも即答。
「小さくなるでしょ。」
「え、いや、それでいいんじゃないんですか?」
「だめだよ。小さくなると、作るところがなくなる。」
!
「そう、だから残すん・・・残したんだよ。」
「残らなくていいのは、君の意志だけ。」
!?
「残らなくていいのは、君の未練だけよ。」
「もうどっちでもいいですよ、さっさとやっちゃいましょうよ。」
「まぁまぁそう慌てなさんな。今日は君が一人になれる時間も用意してるし。ほら最後のナニとか、色々あるでしょ?」
決意のほどはともかく、今のところ体はどこもなにも変わっていない。
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投稿:2014.05.05
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