無情な判決である。
男は痴漢の冤罪によって有罪となった。
待っているのは“去勢”である。
この法廷、通称『去勢法廷』にいる人間は、傍聴人を含め
裁判官、検事、弁護士もすべて女性である。
法廷に分娩台に似た去勢用の手術台が運ばれてきた。
男は無理やり手術台に足を開いた体制で固定される。
女医が法廷に入ってきた。
これから男を去勢するためである。
女医はメスをとると陰嚢を切開した。
もちろん麻酔など使わない。
生の睾丸を掴まれ、陰嚢から引っ張り出された男が悲鳴を上げる。
女医は気にせず左側の睾丸を切除した。
女医は男の左の睾丸を切除すると、それを見せつけるかのように
男の目の前におかれている膿盆に置いた。
男は悲鳴を上げることもできず、絶望感に襲われている。
女医はさらに右側の睾丸を掴み引っ張った。
男は先ほど以上に大きな悲鳴を上げる。
男でなくなるのを拒む、最後の抵抗である。
女医は全く気にしない。
彼女にとって犯罪者の睾丸など何の価値もないゴミなのである。
女医は先ほどと同様に男の右の睾丸を切除し膿盆に置いた。
男は悲鳴を上げることもせず、うつろな目で自分の睾丸を見ていた。
男は何も悪いことはしていない。
それなのに男としての象徴、男としての尊厳を、大勢の女性の前で、女性の手によって問答無用で奪われたのだ。
会場のすべての女性から拍手が沸き起こる。
女性たちは今日も“有害な男”をこの社会から葬り去ったのだ。
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投稿:2014.07.13
有罪
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