※ Part2の続きになります。
【ケース2:雄管轄課・雄管轄官、聖愛の場合】
ここは雄相談所と呼ばれる場所である。去勢されたクソみたいな奴らが、執行官から好感を買われなかった者が、誰からも好意を受けずに生きていくために相談しに来る場所だ。
まあ、基本的には社会復帰する雄が多いし、相談しにくる雄は珍しいんだが、全員が全員相談しに来ないわけではない。
「今の時刻は一一時ね。……あと三〇分で閉まるわけだけど……」
「あっ……やめっ……」
隣で、私の弟はバイブで虐められている。ただ、弟はペニスが付いている。精通を迎えたものの、私が雇う事にしたため、付いているのだ。
付いている、といえば、皮と亀頭の間に超小型リモートバイブが三個付いている。勿論、今のレベルは強。バイブが皮と亀頭を刺激してくるため、弟の顔も緩んで、喘ぎだす。
「全く、情けのない弟君ね」
「しっ、仕方な——」
気持ちよさそうにしている弟の顔くらい気持ち悪いものはない。——とそんなところに。
「えっと、雄相談所はここで良かったですか?」
「はい、ここですが」
男だ。おっさんだ。
「今日はどのような相談でしょうか?」
「えっと、再就職がしたいのですが……」
「そうですか。——では、雄認定証を提示してください」
「は、はい」
雄認定証というのは、去勢された男性全てに与えられた電子的なカードである。暗証番号が付けられたその認定証は、原則として去勢された男性全てが掛けなければならないため、掛けていると女性に馬鹿にされたりすることが有る。
ただし、会社によっては——というか、殆どの会社が雄は「必ず見える場所に掛ける必要はない」としている。つまり、ワイシャツの下の下着に掛けてもいいのである。
「はい、雄認定証ありがとうございました。カード番号55981ですね」
お気付きの通り、名前なんて雄には与えられない。これも、『原則』だが。
「それで、本日のご相談は『再就職』のことに関してですね?」
「は、はい……」
「ああ、前科はないのですね。——ですが、今はバイトくらいしか無いと思われます」
「バイト……」
「ええ。私の知人にある有名なコンビニ店の店長がいるんですが、聞いてみましょうか?」
「ぜ、是非!」
おっさんは、拳を握って言った。
私からしてみれば疲れることなんだけど、まあこれも仕事だしね。
「ところで、そちらの男の人は?」
「私の弟です」
「弟さんですか。……顔、緩んでますけど、何か有ったんですか?」
「いや、何も無いですよ」
「そうですか」
おっさんはそう答えると、納得したような素振りを見せた。
と、そうしているなかで、私は友人が店長をしているお店から初めて、なんとかおっさんのバイト先を見つけてあげることが出来た。一応、この近くのコンビニである。
友人のコンビニ、その友人の友人のコンビニ、その友人の友人のコンビニと転々としていって、なんとか見つけることが出来た。所要時間、三分だ。
「——見つかりましたよ」
「ありがとうございます!」
「……どういたしまして」
「では、私はこれで……」
「ええ、お気をつけて」
雄に敬語を使うのは政府の命令——否、方針だ。
私が気遣った後、雄のおっさんはこの場所から去った。そして、弟虐めを再開する。
「イッた?」
「お姉ちゃ——」
「あら、ベトベトじゃないの」
「こ、これは……」
「嘘つき」
「あぅっ……」
バイブがつけられている皮と亀頭の間その上から、つまり皮から亀頭の方を握ってみたところ、弟は凄い反応を見せ、一発で絶頂を迎えた。
「気持ちよさそうにして、変態?」
「違——」
「違わないわ。貴方は間違いなく変態よ」
「お姉ちゃん、やめてっ——」
「ダメよ。男が女に逆らうなんて、もうこれからの世界じゃ無理」
「うっ……」
バイブは強のまま。
去勢されるよりはマシなんだろうが、私の弟の気持ちになって考えてみると、男って悲しい人生しか生きれなくて可哀想。
「女に生まれてよかった」
「あっ——」
私の弟は、私の仕事なんて補佐していない。弟がしているのは、私の性欲の受け皿。
——やっぱり、雄の相談を受けるのは嫌じゃないかも。
私はそんなことを考えながら、弟の硬くなったペニスをしごいて、また頂点へとイカせた。
※ Part4へ続きます。
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投稿:2014.08.04更新:2014.08.04
去勢が合法化された世界。 Part3
著者 フェードアウトC.T 様 / アクセス 7168 / ♥ 0