何日も熱が下がらなかった。
独り暮らしで病気になると心がけ折れてしまいそうになる。
最初の一日は寒気から始まり次の日から発熱、また次の日は体の節々に激痛が走った。
電話を掛ける気力も体力も無くなっていた。
もしかしたら学校の担任や友達が様子を見に来るかも知れないとわずかな希望をかけていたが一向に来る気配が無い。
『ヤバい…死ぬかも…』心の中でそう呟き余りの辛さに意識が遠退くのを感じていた。
何時間寝ていたのだろう…体の節々はまだ痛むが熱が引いたのだろう、頭はスッキリと清々しい。
時間の感覚が全くつかめず、いつになっているかを携帯のディスプレイで確認する。着信履歴に2件メールが5通来ている。日付には2月20日と表示していた。寒気がしていたのは2月17日だったので4日間も寝ていた事になる。
立ち上がろうとするとバランスが崩れて尻餅を付く。4日眠ってたせいか少しバランスを崩して尻餅をついた。
布団の周りを見ると寝汗は酷いが粗相はしてないようだった。4日も寝込んでいたので垂れ流しでも仕方無いと思っていたのでそこは不幸中の幸いだった。
そんな事を考えていると急激な尿意に襲われた。
まだうまく立ち上がる事が出来ないが、少しずつ慣れて歩けるようになった。トイレに入り排尿すると
ボタボタボタボタボタボタボタボタ
異変に気付く、いつもは放物線を描き便器に当たるハズのオシッコが自分の太股をつたって床に垂れていた。急いで止めようとするが一向に止まる気配がない
長い排尿が終わりトランクスとパジャマ代わりのジャージがびちゃびちゃになって気持ち悪い。
『漏らした…のか?』
何かおかしいと自分の目で自分の股間を見ると股間にあるはずの一物が無いことに気付いた。
脳が数秒フリーズして動きも止まる。
頭が覚醒してきた。
まず、本当に自分の一物がなくなっているかを確認するために股間を覗くが自分の求めているものと違う雪な様に白い土手と割れ目が見える。
自分の手で確認しようと、その土手に手を触れると、プニプニとした土手に縦の割れ目、割れ目の上の方に小さな突起がありその下を触ると漠然とそこが自分の尿道である事がわかった。その下には男を受け入れるための…
ジャージの上から胸を撫でてみると、僅かに胸が膨らんでいる事に気付く。
急いでトイレの鏡で確認する。
そこには、小さく丸い輪郭に雪のように白い肌少し小さめの鼻に桜色の可愛らしい薄めの唇にクリクリとした大きく開いた目があった。
元々が中性的な顔立ちをもっと女の子らしくさせた顔がそこにあった。自分の顔に見えない事も無いが、やはり違和感を覚える。
「嘘だろ…」
その時に自分の声の変化にも気付いた。
声変わりの前の少し高い可愛らしい声になっていた。
少しずつ冷静になっていくか自分の頭で最初に思い付く事は何かの病気じゃないのか?病院に行くべきか?しかし、男が女になる病気なんて聞いた事がないし、もしかしたら実験動物の様に扱われていくのでは?という考えも出てきてこれからどうしていくかを考えていると
ぐうぅ〜〜〜〜
自分の腹の音で空腹に気付き4日間何も食べて居ないことを思い出した。
空腹だと食べ物の事ばかり考えてしまい頭まわらなくなっていた。
何か無いかと食べ物を探すと、カップラーメンもレトルトカレーもなかった。
仕方なく何か作ろうと冷蔵庫を開けるとキャベツの芯と色の悪い豚肉、いつの物かわからない虹色の食パンが入っていた。
ジャーの中には黄色くなったご飯が少し
「食えるものが一つも無い…」
まさか、何も食べずに飢え死にもいやだ…
仕方なく外に買い物をしに行く事にした。
濡れたジャージとトランクスを脱ぎ、タオルで拭いていく、自分の股間をタオルで拭くと電流の流れたような衝撃が股間に流れる。
自分に流れた衝撃に驚きながらもう少し…もう少しだけ味わっていたいと思う衝動にかられるが、なんとか理性で制御した。
気を取り直して着替えに移る。
まず、トランクスを履きジーンズを履くとウェストはゆるゆるなのに尻の辺りはパッツンパッツンに伸びている。少し踵を踏む程度なのであまり身長は変わっていないのだろう。
上はジャージを脱ぎ黒いトレーナーを着る、しかし肩幅が小さくなったのか、手が出てこなかった。トレーナーが大きいせいか、胸はあまり目立たなかった。
「よし、行くか」
自分に言い聞かせる様に言い買い物に行く事にした。近くのコンビニに食べ物を買いに行くと、コンビニでクラスメートの高田に偶然出くわした。
「お前、ポンか?どうした?なんつーか、顔変わった?整形?学校まで休んで…サボりか?」
ここで説明しておこう、俺はクラスメートや友達にポンと呼ばれている。最初はタヌキを連想して嫌だったがみんながそう呼んでいるので仕方無く受け入れている。
「風邪引いて寝込んでたんだよ。寝込んでたらいつの間にか4日も経ってたんだよ。4日間も何も食べて無かったからやつれたんだろ?」
「そうだったのか?担任が昨日電話したのに電話に出ないから明日来なかったら様子見に行くって言ってたぞ?」
「そっか…大丈夫、明日はちゃんと出るよ」
「今気付いたけど、声もなんかかわいいぞ」
「風邪で鼻声なんだよ…」
「そうなのか?鼻声ってより女みてーな声だぞ?」
「気にするな、どうせスグに治る(ハズ)」
「そうか?まぁ、体に気を付けろよ?明日学校に来いよ?じゃあな」
「おぉ明日な」
高田と少し話しをしてまた、食べ物を物色し始める。
結局買ったのは、パスタサラダとサンドイッチと紙パックの紅茶を買って行った。
自分の家に着いてコンビニで買ってきた物を食べながら明日の事を考える…
学校に事情を説明した方がいいのか、それとも隠している方がいいのか…
散々悩んだ末に出した結論は
「学校に事情を説明して事が大きくなる嫌だし…いつも通りに生活するか」
そうと決まれば明日に向けて今日は早めに休む事にした。
風呂をわかそうとしたが、面倒なのでシャワーで済ます事にした。
トイレで服を脱ぎ鏡を見てみると自分にソックリな半裸の女の子がコチラを見ていた。
胸は僅かに膨らんでおり、その頂点に桜色の突起がちょこんとのっていた。
生で初めて見た女の体が自分の体なんて悲しい事だが、今自分の見てる女の子は紛れもなくAVやエロ本に出てくような女よりも可愛らしかった。
自分の股間の突起と胸の頂点にある乳首が尖っていくのを感じていた。
そして、頬を赤く染めている鏡の中の自分に手を伸ばそうとして鏡に触れ、我に返った。
『そっか…自分なんだもんな…』
そんな事を考えたら急に醒めてきた、さっさと身体を洗って寝る事を思い出し、頭を石鹸で洗い始めた。
本当なら髪の毛はシャンプーの方がいいのだろうが、頭を洗うのにシャンプーを買うのが面倒で身体と同じ様に石鹸で洗うようにしている。
身体も石鹸で洗っていく。
腕、足、背中、と順調に洗っていき今度は胸をスポンジで洗うとくすぐったい様なむず痒い様な感覚に襲われる
「ぁ…っ…っっ………ぅ……」
笑いをこらえながら胸からお腹にかけてを洗っていく。
最後に一番繊細な場所を洗うとする
無修正の画像を何度も見たことがあるが、どれも黒ずんでグロい貝みたいな物だったが、今見ているのはピンク色で今まで見てきた物と明らかに違っていた。そして、ある事に気付く
「生えてない?」
男の時は生えていたのにこな身体になったら生えてない事に気付く。
「17になっても生えてこない物なのか?」
自分にあまり知識が無いせいかあっさりとそうなんだろうと認めてしまう。
『スポンジで洗っていいのか?』
そんな事を考え始め手に十分泡をのせて洗い始める。「あ……うぅ……あぅ…」
両手で優しく洗っていくが微妙な電流が身体をはしっていく。その電流をもっと強く感じようと、力を少しずつ加えて行くと一層強い電流が身体をはしっていく。
「もう…止めなきゃ…っ…うぅっ」
ぐちゃぐちゃと卑猥な音が部屋に響いていく。
「止めなきゃっ…くぁ、っ」
自制が効かなくなり自分を責め立てていくと…
チャーチャーチャーチャチャッチャー
とダースベーダーのテーマ曲が聞こえる。
「っぁ…ハァハァ…先生だ…」
急いで身体についた泡をシャワーで流し、身体をさっと拭いて風呂場から出て携帯に出る
「ハイ、もしもし?」
「お、お?ポンか?」
「ハイそうです」
「なんか声がおかしくないか?」
「風邪ですよ…」
「風邪?大丈夫か?」
「えぇ、大丈夫ですよ、4日間寝込んでましたけど」
「風邪なら一言学校に連絡を入れてくれよ、俺も何度も電話したんだし…」
「4日間全く意識が無かったんですよ、」
「…本当に大丈夫か?病院に行ったのか?」
「いえ、行ってないですけど楽になったんで大丈夫です。」
「そうか?明日学校に来れるか?」
「ハイ、ちゃんと明日は登校します」
「そうか…無理はするなよ?」
「わかりました。」
「じゃあ、また明日な」
「ハイ」
ピッ
今日は色々驚いたりして精神的に大分参ってしまったのでフトンに入ってからスグに眠る事ができた。
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投稿:2014.11.03
謎の病原菌
著者 賢者 様 / アクセス 11179 / ♥ 3