・偽りのモノにされる前の話
一学期終業式が終わり僕は憂鬱であった……IV(イメージビデオ)の撮影があるからだ、現役中学生モデルの姉で味を占めた母親が男児小学生の僕まで売り出そうとして所属事務所との契約書にサイン、僕もモデルをしているが衣類系量販店のチラシ程度……売りだそうとしているのだ。今の仕事は嫌いだ。友人を無くすから……だけど母親は意に介さず仕事を押し付ける。
「待っていたよ、悠君」
小学校から少し離れた公園にてにこっとした表情で出迎えたのは担当マネージャーの篝さん、元モデルで今は僕のマネージャーをしている。
「業界の偉い人は君も注目しているの……」
「いやです」
「どうして?」
簡単だ、僕は女の子に間違われる事が多い。思春期に差し掛かっている自分にとっては男っぽくなりたいと思ってスポーツクラブに通いたいけど母親は嫌がっていた。色々と理由つけがあるが今の美貌を維持したいのだろう。
「でもねぇ……」
「今度無断で仕事取ってきたら今の仕事……辞めます」
「え……」
「母親は自分の夢を押し付けているだけです」
「分かったわ、だけど……ここまでどれだけ……」
「どんな段取りがあったが知らんけど、ぼくには関係無い!子供ですがぼくだってやりたい事があるんです!」
篝さんは言葉に詰まり僕は無言で公園横に止めてあった自動車に乗り込む。モデルをしていた兄がとっと県外の全寮制高校に進学した気持ちも分かった。
「えっとね、撮影は一週間……場所は沖縄にある会員制リゾートホテルなの」
篝さんが運転しながら必死になって話す。
「だから?」
「チャンスなの!」
「……所詮、客の見込みを甘くして経営難になったからPRも兼ねていると」
篝さんもドン引きするがIVの使い道なんて決まっている、そのユーザーが今回のホテルに宿泊するなんてあり得ない。
「……厳しいわね」
「……常識です」
車内にてムすっとした表情をする僕に篝さんはため息をつく。
数時間後、僕と篝さんは沖縄の地を踏んでいた。飛行機から降りて篝さんはスマホを操作し話しこんでいたが先程終わった。
「撮影終わったら本当に話を聞いてくれますね?」
「うん、社長もママにも連絡が付いたから……本当にいいの?」
「芸能界に入れても長続きしないから……僕の様な子供なんてゴロゴロいるし」
「でも」
「あんな事もしても変わらなかった……」
それは昨年の事だ、何時のも用に大手アパレルメーカーでもあるワイクロの撮影の時に予定していた女児モデルがドタキャンになって女顔に近い僕が代役をする事にした。無論自分はする気も無かったが母親のごり押しでもあるし僕にはチャンスだと言って説き伏せたが……変わりもしなかった。だから今回はハッキリと言う、もうこんな仕事はしたくない。
・偽りの性へと
案の定だ、初めは無難なリゾートウェアだったのが次は海岸での撮影になると短パン型水着に着替え、次はビキニ型……カメラが舐める様に撮影していくが僕は愛想笑いをして無邪気なガキを演じていた。
「いいねぇ〜〜初めてIV撮影とは思えないよぉ」
「はぁい、ありがとうございます♪」
監督さんすら騙す演技につくづく嫌になる……が、仕方ない。
「お疲れさん、悠君が好きなモノ」
「ありがとうございまぁす♪」
ポカリが入った水稲を投げ渡した篝さんにも愛想を振りまく、表ツラすら良ければいいのだ。海ではしゃいでいたので喉が渇き、一気に飲む。
「あれっ……」
急な眠気に襲われ、閉じ行く瞼の隙間から篝さんの悪意に満ちた笑顔が見え、僕はそのままビーチチェアで寝てしまったのである。
「……!」
僕が目を覚ました……ホテルの一室、自分が着用している衣類がワンピース、その内側には女児のショーツにスポーツブラを着用している。
「お目覚めだね……悠ちゃん」
篝さんがにこやかに言う。
「実はね、悠ちゃんが簡単に仕事を辞めて貰ったら困るのよ……借金がね」
「!!!」
「ずいぶんと無理しているから自宅まで差し押さえられるわねぇ……下手するとお兄さんまで類が及ぶよ」
指を鳴らすと母親と中学二年の姉が下着姿で屈強な男達にまるでペットの犬を散歩させるか様に首輪をされて入ってくる。
「もう二人が身体売っても利息だけで精一杯だったの……幸い昨年の貴方の女装姿を見てある御仁が興味を示してねぇ……」
悠は逃げ出そうとするも足が竦んでいた。篝さんの背後にいるガウンを着た男性が余りにも恐ろしい存在と分かったからだ。
「ひょほほぉっ、元気な子だ……わしの事は御仁ともご主人様とも呼んでも構わんよ」
「な、何するんだよ!」
「アナルセックスだ……即ち肛門にわしの肉棒を差し込む。拒否してもよいがその場合は中国か中東で手足をチョン切られてしまうぞ……」
「ひっ!」
「二人とも妹の門出だ……手伝え」
母と姉は下着を全て取ると乳首には金色のリングがぶら下がり股の先端にも光っているのが見えた。
「お主はこれから男の子ではなく、男の娘、“男の娘”だ……即ち妹言う事になる」
「い、いやだぁああっ!」
母親はしっかりと悠を背後からつかみ姉は弟が穿く下着を下ろした。
「大丈夫だ、これからは母娘三人の生活を見てやる……」
こんな状況でも勃起する皮被りの幼い肉棒に御仁は銜え込んだ。
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投稿:2015.07.20
偽性(ぎせい)
著者 kyouske 様 / アクセス 12257 / ♥ 3