私の名前はリカ。
外科の開業医の父が亡くなった後、残された外科医院で一人細々と診療をしながら自由に暮らしているアラフォーの独身女医だ。
これは、17歳の男の子への睾丸摘出術を行った自戒として記録したものだ。
まずは彼との出会いを回顧したいと思う。
私が初めて彼と出会ったのは、ちょうど1ヶ月前のことだった。
知人が経営していたバーでアルバイトとして、働いていた。
初めて見た時は本当にきれいな顔立ちをしていて、女の子だと思っていた。
マスターである知人は「こんなきれいな顔立ちだけど、正真正銘の男だよ。でも今、流行の男の娘ってやつらしいんだけどね!」と言った。
改めて彼を見ると、白い肌を赤らめながら俯きがちにグラスを拭いている。
私は思わず「かわいいじゃない!歳はいくつなの?」と彼に声を掛ける。
「1、17歳で、で、です」と恥ずかしそうに答えた。
何でも、高校を中退し、家からも家出同然で飛び出してきたらしい。
LGBTが叫ばれている世の中でも、彼のような存在はなかなか受け入れ難いのが現実のようで、家族ともうまくいってなかったようだ。
仲のよかった同じ嗜好の、友人の家で寝泊まりし、その友人をつてに、このアルバイトにたどりついたとのことだった。
私は純粋な興味で「将来は性転換とかして、女の子になりたいの?」と彼に尋ねた。
「はい。まずはホルモンとかやっていきたいけど、お金もないし。。。」と答えた。
私は「ふ~ん。そうなんだ。ホルモンもいいけど、いっそのこと玉抜いちゃえば早いのに。」
「まだ17なんだし、オッサン化するまえに男性ホルモン止めると、そのきれいなままで入れる可能性も高いじゃん!」と笑いながら言った。
ハッと何かに気づいたような顔をしている彼の横で、マスターが「リカちゃんはね、お医者さんなんだよ。なんかあれば相談すれば~」と
ニコニコしながら彼に言った。すると、彼は改まったように「よろしくお願いします。」と言いながら会釈をした。
「うちの病院はここからすぐだし~気軽においで~」と笑いながら、私は彼に名刺を渡した。
その日は3人で他愛もない話をしながら、夜更けまで飲んで、そのまま何もなく家に帰って寝た。
その後も何度かバーに通い、彼とも色々な話をしながら楽しくお酒を飲んでいた。
すると3週間ほど経ったある日、病院の電話が鳴り、出ると相手は彼だった。
「折り入って、相談があるんですけど、お時間ありますか?」と深刻そうに告げた。
「あら~。どうしたの?私で相談に乗れるなら、歓迎よ。時間があるなら病院へいらっしゃい」と私は言った。
30分ほど経ち、彼が病院へやってきた。
「どうしたの?折り入って相談って?」私が尋ねると、彼は「た、た玉抜き手術をしてもらいたいんです。」と答えた。
私はびっくりして、「えっ!?」と思わず声を上げ、「冗談でしょう?」と彼に問いかけた。
「本気です。やっぱり、女の子になりたいし、なるならリカさんが言われたように男になる前になりたいんです!」と言った。
「いやいや、17歳に玉抜きしたなんてバレたら、医師免許どころか逮捕よ私。できるわけないじゃない。」と説明したが、
彼は「絶対誰にも言いません!こんなことお願いできるのはリカさんしかいないんです!」と泣きながら、頭を下げた。
「でも....」と私が何か言おうとすると何度も「お願いします!」とボロボロと涙を流して頼んでくる。
そんな彼を見かねて私はついに「わかったわ。やってあげる。1週間後の夜にいらっしゃい」と言ってしまった。
とはいえ、睾丸摘出なんて過去にやったことはないし、正直半分は自分の好奇心だったのかもしれない。
彼が思い直してくれることをかすかに願いつつ、海外の医療動画などを見ながら当日に向け準備を進めた。
そうこうするうちに1週間が経ち、手術当日を迎えた。
日中の診療を終え、病院を閉めた後、軽く夕食を取りながら彼が到着するのを待った。
夜9時になろうとした時、呼び鈴が鳴り、彼が到着した。
彼を出迎えながら「本当に気持ちは変わっていない?あとには戻れないからね。」に尋ねたが、彼の決意は変わらないようだった。
彼を院内へ連れて行き、奥でシャワーを浴びて手術着へ着替えるように伝え、私自身は手術室へ向かった。
15分後、手術着に着替えて出てきた彼を手術台へ横たわるように促す。
「じゃあ、まず陰部の剃毛から始めるから、台に仰向けに寝てちょうだい。」
横たわった彼の手術着をめくり下半身を露出させると、女性的な外観に見合わず、立派な睾丸と陰茎がそこにはあった。
睾丸は平均的な成人男性より一回りほど大きく、パンパンに張っていた。
シェービングフォームを付け、剃刀で剃毛を始める。陰茎を避けるため、手で抑えていたところ、みるみるうちに大きくなり
16~8センチはあっただろうか、血管が浮き出るほどに勃起し、上へ反り返っていた。
彼は恥ずかしそうに「すみません。」と言いながら、必死に勃起を堪らえようとしていた。
私は「こんなに立派なものがついてるのも、不思議な因果ね。。。」と言いながら黙々と作業を進めた。
元々、毛は薄いようで、あっという間に剃り終わろうとしていたその時、陰茎から噴水のように白濁色の精液が大量に噴出した。
「あっああっ」と慌てる彼をよそに私は「これが精子入の最後の射精ね。後悔はない?」と尋ねると、彼は手で顔を隠しながら、小さく頷いた。
剃毛が終わり、いよいよ摘出手術へ入る。射精後も勃起し続けている陰茎を医療用テープで腹部に貼り付け固定する。
そして、真ん中に10センチ四方の穴が空いたシーツを睾丸へ掛けた。
一呼吸おいて「では、睾丸摘出術を行います」と彼に告げ、陰嚢の真ん中のシワに3箇所、左右それぞれの睾丸に麻酔を刺した。
彼は刺さった瞬間は「うっ」と声を出したものの、落ち着いたまま横たわっている。
私は引き続きメスを持ち、手早く陰嚢の真ん中のシワに沿って、3~4センチほど切開を行った。
まずは左側の睾丸から摘出することにし、幾重にも重なった薄皮を切り開いていきながら、睾丸本体の露出を進めた。
まもなく、左睾丸が露出し、それを引っ張りながら、陰嚢の外へ取り出した。
直で見ると彼の睾丸はうずらの卵を2回りほど大きくしたくらいの大きさがあり、血が付いているものの青白く、凄い弾力があった。
観察もほどほどに、睾丸と精管を手早く手術用糸で結紮する。
そして彼の顔を見て「いくわよ。本当にいいのね?」と確認する。彼は私の目を見ながら、ゆっくりと頷いた。
結紮した部分の少し下にハサミを当て、ハサミを握った。肉を切る感触とともに青白い睾丸がポロッと取れた。
取れた左睾丸をトレーへ移し、精管の切れ目を3針ほど縫合したうえで、陰嚢の中へ戻した。
引き続いて、同様の手順で右睾丸の摘出にかかり、こちらもすぐに切除の前まで到達した。
また一呼吸ついて「残り一個の切除に入ります。これを切ってしまうと、本当に元には戻れません。いいですか?」とゆっくり彼に告げた。
彼も私の態度の違いに気づいたのか、「ありがとうございます。お願いします。」と目を閉じ、口にした。
私はそれを聞いた後、ゆっくりとハサミを握り、右睾丸を切り離した。
両睾丸を切除した後、精管を陰嚢の中へ戻し、切開部の縫合に取り掛かる。
ほんの10分ほど前まではパンパンの睾丸で膨らんでいた陰嚢もシャリのなくなった稲荷のように縮こまっていた。
縫合が終わり、医療用テープを患部に貼り付けて終了となった。
かぶせていたシーツを除け、固定していた陰茎を見ると手術前と異なり、こちらも力なく縮んでいた。
シーツを除けてから、患部周辺を清拭タオルで拭き、彼に手術がすべて終了したことを告げ、1時間ほど横になっておくよう指示した。
その後、台の上で起き上がった彼は若干の痛みを感じているような表情をしながら、私にお礼を言った。
「ありがとうございました。これで自分の中の決心がつきました。」と。
「そう。それはよかったわね。ただし、このことは絶対に秘密よ。あと、この取った睾丸なんだけど、状況が状況なだけに持って
帰らせるわけにはいかないわ。こちらで処分させてもらうわね?」と私は彼に伝えた。
「構いません。よろしくお願いします。」彼は手術着を脱いで、私服へ着替えながら答えた。
そして、私は彼を出口まで連れていき、彼の後ろ姿が見えなくなるまで見送った。
これがつい昨晩の出来事だ。
肝心の睾丸については自戒の象徴として、ホルマリンへ漬け、金庫へと仕舞った。
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投稿:2018.07.14更新:2018.07.14
とある女医の記録
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