俺には結婚を前提にお付き合いをしている彼女がいる。
名前は日々野 香苗、年齢は俺の2つ下で今年26歳になり、獣医として働いている。
結婚を前提に付き合っているので、二股は絶対に許されず、もしその様な事があったら即去勢と別れるからと言われており、俺もそれを了承していた。
付き合いだしてから来月でちょうど2年になる。
そんな時に抽選でたまたま当たった二泊三日の旅行に行く事になった。
場所は海が全体的に見渡せる、高級ホテルでこんな所に旅行に来れるなんて凄くラッキーだとその時は思っていた。
あんな事が起こるまでは、、、
◾️彼女との旅行
俺「ねえ、これ」
彼女に高級ホテルが当たった事を告げる。
彼女「うん?何?、、、わっ!?うそ!!えっ!?本当!?凄〜い🎶いつ?」
俺「なんか来月の三連休限定みたいだけど行く?」
彼女「うん🎶行く行く🎶わぁ〜っ、凄い楽しみ〜ぃ♡」
そこからは仕事の都合をつけながら、旅先で何処に行くかを話しあった。
◾️旅先
旅行の当日、2人は有給を使い朝から旅先へと向かった。
事前に下調べをしたスポットに向かい景色を楽しんだり、ご当地ならではの食を満喫した。
そして夕日も沈み俺達はホテルへと向かった。
ホテルの部屋もやはり高級なだけあり外の眺めも最高だった。
何時もと違う雰囲気を楽しみながら彼女を見て笑う。
彼女も外の景色を楽しそうに見つめ、ウキウキしていた。
彼女「凄い景色だね🎶今日は凄く幸せな1日だった♡ちょっとはしゃぎ過ぎて疲れちゃったw♡」
俺「今日はゆっくり休もうか🎶」
初日から予定を詰め過ぎたようで俺も足が棒になっていた。
その後2人はホテル内の温泉に行き各々ゆっくりの時間を過ごす事にした。
今回の高級ホテルに合わせてエステの2時間お試しセットが付いていたので、温泉上がりに行こうと彼女はウキウキしながら部屋を出て行った。
俺も彼女と一緒に温泉へと向かい、また部屋で会う事にした。
◾️温泉上がり
俺はゆっくり温泉に浸かった後、部屋に戻る途中に自販機で飲み物を買い近くのイスに座りながらゆっくりしていた時である。
知らない女性が不意に声をかけて来たのだ。
女性「あの〜ぉ、すみませ〜ん。少し教えて下さ〜い。フロントって、どっちに行けば良いですか〜ぁ?」
どうやら場所が分からなくて俺に聞いて来たみたいだ。
年齢は24、5歳といった所か、彼女より少し身長が低いが中々に可愛い子だった。
何処かで見た事がある気がしたが気のせいだろう。
お酒を飲んでいるのか顔が赤く火照っており、足元がフラついていた。
それに少し浴衣がはだけており、目のやり場にも困る。
周りを見渡しても俺しかおらず、聞く人がいなくて困ってるみたいだった。
俺は席を立ち進路方向を見て指を指しながらフロントの場所を説明する。
俺「ここを真っ直ぐ行って。突き当たりを左に曲がって、少し行くと階段があるので、」
女性「すみませ〜ん。わたし〜ぃ、方向音痴で〜ぇ、ついて来て貰って良いですか〜ぁ?」
“まぁ、仕方ないか。行く方も同じだし”
俺「分かりました。一緒に行きますか。」
女性「ありがと〜ぉ、ございますぅ〜っ。」
俺は空き缶をゴミ箱に捨て、彼女の前を歩きながらフロントへと向かった。
すると彼女が俺の裾を引っ張る。
女性「ちょっと〜っ、はやい〜ぃ。」
俺「あっ!すみません。」
“何で俺が謝ってるんだろう?”
確かに酔った相手には、少し早く歩き過ぎたかもしれないとゆっくりと歩く。
女性「わあっ!っと!」
彼女がはだけた自分の浴衣を踏み足が縺れたせいか、そのまま俺を巻き込んで倒れる。
俺「うわぁっ!っつ!!」
彼女が俺を押し倒す様に一緒に倒れる。
彼女はそのまま俺にのしかかったまま起き上がろうとしない。
酔っていて起き上がれ無いのだ。
俺は彼女を退かして、とりあえず起き上がる。
俺「大丈夫ですか?」
彼女はそのまま倒れたままだった。
仕方ないので手を貸して立たせてあげる。
女性「あははっwごめ〜んwありがと〜ぉっ🎶」
そして彼女は何とか立ち上がる。
するとそのまま俺に保たれる様に密着し、腕を組む。
女性「また、転けちゃうからw♡」
さすがに、コレはマズイと思い彼女を離す。
俺「ごめん、俺、彼女いますのでそういうのはちょっと。」
女性「うーん。ならおぶって🎶」
“更に図々しいなぁ”
俺は面倒になり彼女を置いて行こうとしたら
女性「連れてってくれるって言ったのにぃ〜っ、」
そのまま彼女が足から崩れ落ち尻餅を付き泣きだす。
酔っ払いにしてはタチが悪い。
仕方なくまた手を貸して立たせ、そのままフロントへと送る。
こんな所を彼女に見られたと思うと本当に心臓に悪かった。
何とか無事に女性をフロントまで送りそのまま部屋に戻る。
ふぅ〜っ、と大きくため息を付きそのままベッドに沈む様に倒れる。
◾️疑い
そのままベッドに倒れているといつの間にか彼女が帰ってたみたいで俺を揺らして起こす。
彼女「ねぇ?何してたの?」
彼女の声が少し怒っていた。
俺「ごめん。寝てた。」
俺はゆっくりと身体をおこし彼女を見る。
その顔は間違い無く怒っていた。
彼女「ねぇ?何してたの?」
俺「風呂入って寝てただけだよ。何で怒ってるの?」
彼女「ふ〜ん。じゃあ何でタッくんから女の匂いがするの?」
俺は少し考えて部屋に帰るまでの出来事を思い出す。
俺「あぁっ、さっき温泉から部屋に戻る時に、酔っ払った子がフロントまで連れてって言うから送っただけだよ。」
彼女は信じようとしなかった。
彼女「ふ〜ん。そん何で服に匂い付かないでしょ!何したの!」
俺「な、何って送る途中に向こうが躓いて一緒に転んだだけだよ。本当に何にも無いって。」
どうしてここまで信じてくれないのか分からなかった。
彼女「もう、嘘付かないでよ!!さっきこの部屋から知らない女が出て行くの見たんだから!!」
俺「なっ!!」
彼女が何を言っているのか分からず困惑する。
俺は本当にさっきまで寝ていて身に覚えが無かった。
“まさか、さっきの女か?”
と思うが今はそれどころでは無かった。
彼女の誤解を解くのが最優先だった。
俺「まっ、待ってくれ!本当に知らないんだ。本当にただ此処で寝てただけなんだって!信じてくれ!」
彼女が悲しそうに泣き出す。
彼女「信じたいよ。でも、信じられないの!!」
彼女が手に何かを持っている事にようやく気がついた。
“スタンガン!?”
俺「な、何持ってるんだ?そ、それ、どうする気?」
彼女「約束したよね、二股や浮気したら去勢するって。」
俺「まっ、待って!本当にちがっ!!」
彼女の手が俺を包丁で刺すかの様にスーッと伸び棒状のスタンガンの先端がピトッと身体に触れる。
そして俺の言葉を遮るようにバチバチバチッ!!と電流が身体を流れ一瞬意識が飛び動けなくなる。
俺「うがあっ!!」
スタンガンを当てられた部分が凄く痛い。
その部分を見ると服が黒く焦げ少し煙りがあがる。
俺「ま、、、れ、ち、、、ぅ、、」
スタンガンのせいか上手く喋れなくなっていた。
◾️浮気の代償
お風呂場まで彼女に引き摺られ移動させられる。
その間も必死に彼女に説明をしようとするが、呂律が全く回らなかった。
風呂場に着いた彼女は俺の服を脱がせ、口にハンカチを押し込む。
お風呂場は俺を寝かせても余裕がある程、凄く大きくトイレも付いていた。
彼女はハサミを持ちシャキッシャキッと動かしながら刃先を見る。
彼女「ヨシッ!」
自分に言い聞かせるように頷き、泣きながら震えた手で陰嚢にハサミを当てる。
俺はまだ彼女のやろうとしている事が信じられず、何かの冗談であって欲しいと願っていたが、次の瞬間それが確信へと変わる。
彼女の手が切る位置を確認し、何の躊躇も無くチョキンッ!と切り開く。
俺「あ、、ぁ、っ、!がっ!!、、んっ、っ、、ぅ、!」
俺”ヤバイ!ヤバイヤバイヤバイ!!”
俺の叫び声に耳を貸そうともせず、啜り泣きながら俺を去勢して行く。
切り開いた陰嚢から金玉を押し出しグーッと引っ張る。
身体から金玉が無理やり抜かれ、ゾゾゾッとした感覚と去勢される恐怖が身体をおそう。
ようやく身体の痺れが溶けて来て動けそうになるが、まだ身体に力が入らない。
何とか指先を軽く動かすので精一杯だった。
彼女「今まで、ありがとう。さよなら。」
シャキシャキッとハサミが動き精索を切断し、ズキズキと熱い痛みが強くなり金玉を切り取って行く。
俺「あがっ、、、ダっ、、メっ、、、まっ、あっ、、、」
口にハンカチを入れられているのと、スタンガンのせいで全く声が出ない。
何度かの開閉によりズタズタになりながらようやく一つの金玉が切断され彼女の手の中に俺の大事な一部が収まる。
彼女「まず一つ。」
ポツリと呟き手に持った金玉をトイレの中にポトっと落とすように捨てる。
ポチャッ!と音と共に金玉がトイレの中に沈む。
また彼女が俺の方を向き直し残ったもう一つに手をかける。
彼女の冷たく細い手が残された最後の金玉を優しく外へと押し出す。
チッチッチッチッチッと嫌な音がし彼女の手を覗くとそこにはまたスタンガンが握られていた。
ようやく後少しで痺れが取れ動けそうになったのに、またあれを喰らったらと首を必死に横に振りやめるようにお願いをする。
もちろんそんなお願いを彼女が聴いてくれる筈も無くスタンガンが俺に音を立てて近づく。
バチバチバチッ!!
俺「んがっ、あァっ〜ッ、、!!あっ、、ァっ、、」
今まで味わった事の無い衝撃が身体を貫き襲う。
俺が予想もしなかった所にスタンガンが当てられ意識がサーっと遠のく。
それは外に出た金玉に直接スタンガンを押し当てられそのまま電流を流されたのだ。
金玉が弾け飛んだような衝撃と痛みが身体を襲い凄い勢いで身体が跳ねる。
そのまま視界が真っ白になり暗転する。
◾️目覚め
バチバチバチッ!!
俺「がっ、はぁっ!、、」
スタンガンを当てられた痛みで目覚める。
いつの間にか気絶していたようだった。
気絶する前の事をゆっくりと思いだしながら瞬きをし、チカチカする視界を戻す。
どうやら金玉にスタンガンを当てられたせいでそのまま気絶してしまったらしい。
思い出したせいか股間からはジンジンと何かが膨れ上がるような痛みとそこにポッカリと大きな穴が空いたような感覚が広がる。
きっと金玉はもうダメだろうと言うのが直ぐに分かった。
下腹部からはズキズキとした鈍痛が込み上がる。
彼女が悲しそうな顔で俺を見下ろしていた。
俺は顔を出来る限りあげ自分の股間を恐る恐る覗く。
そこには今まで見慣れていた物が一切無くただ毛が少しはえているだけだった。
きっと彼女がおちんちんを切るのに邪魔な毛もある程度ハサミで切ったのだろう。
そこに有ると思っていたおちんちんと金玉は俺が気絶している間に彼女に取られてしまったらしい。
彼女「何か言う事はある?」
悲しそうな顔で頬に涙の後を残したまま俺に尋ねる。
俺「な、ん、、で、ち、、う、の、、に」
大事な所を失った悲しみとその痛み、何故こんな事になってしまったのかを考えながら喋るが、スタンガンの痺れで上手く喋れなく泣きながら彼女と股間を見る。
彼女「どうして?どうして、ごめんなさいと言わ無いの?反省して無いの?それとも自分は悪くないと思ってる?」
俺の身体を引っ張り便座の中を覗かせる。
便座の縁に手を取り何とか身体を支える。
少しでも力を抜くとそのまま倒れてしまいそうだった。
彼女「それ何か分かるよね?」
便器の中は血で赤くなりながらも、その奥に丸い2つの塊と細長い形状の物が沈んでいるのが見えた。
間違い無く彼女に取られたおちんちんと金玉だった。
彼女が便器のレバーに手を添える。
後は彼女がレバーを引くだけで俺の大事な所が流れてしまうだけだった。
彼女「何か言う事はある?」
俺はプルプルと震える身体でおちんちんを便器の中から取ろうとし、便座から右手を離そうとした時身体がグラつき倒れそうになり、身体を支える為また便座をぎゅっと握る。
今の状態ではどうする事も出来なかった。
俺「ち、が、、う、お、ぇ、がぃ、やぇ、て、、ゆ、りぅ、し、、て、」
手をプルプル震わせながら、自分の大事な部分をジッと見つめ流され無いように祈る。
涙で目の前が滲み鼻水を垂らしながら、便座の中にポロポロと涙が溢れ落ちる。
彼女「そう。反省した?」
俺「ち、ぁ、、う、、う、ぁき、し、ぇ、な、、ぃ、ご、か、い、、ら、」
どうしても彼女に信じて欲しくて、頑張って彼女の顔を見ながら伝える。
彼女はそんな俺を呆れた顔で見つめ返してため息を1つ付き、また悲しそうな顔をした。
彼女「そう。わかった。もういいわ。反省してるなら許してあげるつもりだったけど、、、」
彼女の細い手がゆっくりとレバーを引く。
俺「まっ、て、、や、め、てぇ、、、」
彼女「大事なおちんちんと金玉にお別れしなさい。」
グポッ!ジャーーーーッ!!と音を立て水が渦を巻きながらおちんちんと金玉を飲み込み流れる。
俺はその動きに焦りつい右手を伸ばそうとして体制を崩し倒れてしまう。
彼女「流れちゃった。」
彼女が寂しそうにぽつりと呟く。
俺はその言葉を聞きながら彼女を眺めながら、信じたく無い気持ちで頑張って便器を握り身体を起こし、便座の中を覗く。
そこには綺麗な透明な水があるだけで俺のおちんちんと金玉の姿は何処にも無かった。
俺「あっ、、、うぁぁっ、、うっ、どぅ、し、、て、」
綺麗になった便器の中を覗きながら、ボロボロと涙を溢す。
彼女「今まで、ありがとう。大好きだったよ。さようなら。」
彼女は悲しそうな顔でそう言い残しドアを開けその場を去って行く。
俺「まっ、て、、、ご、か、ぃ、、、ん、だ、、」
俺の言葉は彼女に届く事も無くパタンとドアは閉じる。
まるで彼女の心が完全に閉じたように重く無音の状態が続いた。
俺は何もする事が出来ず、ただ今の状態を受け入れる事も出来無いまま、声を出して泣いていた。
◾️ドッキリ
彼女がドアを閉めて暫くして、ガチャっと部屋の扉を開く音がした。
彼女が部屋を出て行くのだと泣きながらに理解した。
俺”こんな別れは嫌だ”
俺は少し痺れが取れてきた身体で、ドアを開き彼女を追いかけようとへばり付きながらドアに向かう。
ドアのトビラに手が触れた時、外の方から彼女の悲鳴とドサッと荷物が落ちる音が聞こえた。
俺は急いでドアを開け痺れて動け無い身体を動かし上半身だけ部屋に出る。
彼女がドタドタと走りながら俺に駆け寄り泣きながら俺を抱きしめる。
彼女「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。」
泣きながらぎゅっと優しく俺の身体を包み込む彼女から何時ものように甘く俺の好きな香りがした。
何があったのかは分からないがどうやら俺の誤解は解けたようだった。
彼女の俺を抱きしめる力が強くなり、嗚咽を漏らしながら泣いている。
俺は何とか動かせる左手を彼女頭に乗せて軽くポンポンとする。
彼女も少し落ち着いたのか、俺を抱きしめる力を緩めグシャグシャになった顔で俺を見る。
彼女「ごめんなさい。うっ、、わたし、わたし、うっ、、」
また彼女が手で顔を抑える様にして泣き出す。
気がつくと彼女の後ろに誰か立っていた。
その方向に顔を向けると男と女が笑いながら立っていた。
女はやはり先ほど酔っ払っていた女性で何やら看板を持ってクスクスと笑っていた。
そしてその看板を持ちあげ一言告げる。
女性「ドッキリ大成功!!」
楽しそうにクスクスと笑う女に対し殺意が湧きながらギロっと睨む。
男は後ろの方でヘラヘラと笑いながらその様子を動画に撮っていた。
俺「や、め、、ろっ、、、と、る、、な、、」
男「んっ?何?おっ!?マジか!?コイツちんこ無いじゃんwww」
男が俺の股間にカメラを動かしながら言う。
女「えっ!?うっそwあはっw本当だw何?彼女に取られたのwうける〜っwあはははっw」
女の方も男の言葉に興味を持ち俺の股間を覗く。
俺「お、ま、え、ら、、の、せぇ、、だ、ろ、、」
俺は何とか手を動かし股間を隠す。
良く見ると2人はある動画配信で観たことがある。
こいつらは何時も誰かを貶めたり、騙したりするような動画を取りそれを面白おかしく投稿している2人で、今回もその企画としてこのふざけた企画をしたのだと直ぐに理解した。
男「はっ?俺らはただドッキリ仕掛けただけだし関係ねぇーしw取ったのはそこの頭がおかしいお前の女だろw」
確かにそうかも知れないがこいつらはさえいなければとつい思ってしまう俺がいた。
女「玉無しヤローが何か言ってるんですけど〜wあはははっw」
俺“こいつらのせいで”
身体が動くのであれば間違い無くこの2人を殴り殺していたかもしれない。
すると彼女が、俺が倒れ無い様にゆっくりと立ち上がり男の方に近寄る。
男「うん?なんだよ?あぁっ!?」
彼女がポケットからスタンガンを取り出し男に当てスイッチを入れる。
バチバチバチッ!と音がして男が小さな悲鳴と共に崩れ落ちる。
女「ちょっ!何すんの!?」
そう言って彼女に近づいた女にもスタンガンを当てスイッチを入れる。
女もキャッ!と言う小さな悲鳴と共にドサリと倒れ落ちる。
彼女「貴方達のせいで、、。、、、ってやる。」
彼女が小さな声で身体をプルプルと震わせながらボソボソと呟く。
その声は良く聞こえ無かったが、彼女が何をしようとしているのかは直ぐに理解出来た。
彼女は男と女を1人ずつ引きずってお風呂場まで運ぶとまたトビラが閉まりその後は2人の泣き叫ぶ声と啜り泣く声が響いた。
ようやく身体が動く様になった俺がお風呂場に向かうと白髪になった男とトイレの便器に顔を入れ啜り泣く女がおり、その間で彼女が立ったまま男を眺めていた。
◾️男と女の仕置き
俺「か、カナ!?」
震えた声で彼女の名前を呼ぶ。
彼女は俺の声に気が付きゆっくりと此方を見る。
彼女「あぁっ、タッくん。今、終わったよ。」
誰に呼ばれたのか分からなかったらしく、俺だと分かると疲れた顔でニコッと笑ってからそう言ったのだった。
そして彼女は血で真っ赤に染めた手を綺麗に洗い流しお風呂場からゆっくりと出て来た。
男は仰向けで倒れながら天を見て何かをボソボソと言い続けていた。
何があったのかは大凡理解出来るが白髪になる程の恐怖を感じたのだろう。
彼女はタオルで手を拭いてから、俺をギュッと抱きしめる。
彼女「ごめんなさい。私、タッくんを信じてあげられなかった。もう、タッくんに迷惑かけたく無いからお別れしよう。」
彼女の抱きしめる手に力が入り、声以上に震えているのがわかった。
俺はそんな彼女を優しく包み込むように抱きしめた。
暫く2人で抱き合った後、彼女が俺の身体を離す。
その顔には涙の後が見えた。
彼女「今までありがとう。さようなら。」
そう言って去って行こうとする彼女の手を掴もうとするが、スルッと掴みそびれてしまう。
まだ思う様に歩けない身体を頑張って動かし彼女に近づきながら話しかける。
俺「待ってくれ、俺にはカナしかいないんだ。」
彼女「でも、私、、、ごめんなさい。」
何かを言いかけた彼女は言葉を飲み込みそそくさと退散する様に荷物を手に取る。
俺「カナ!待ってくれ。結婚しよう。俺は絶対にお前を裏切らない。これからも絶対に、、なっ、だから、、、」
彼女の足が止まりチラッと此方を見る。
完全には振り返らずに横目で俺を見る。
彼女の中ではきっと色々な感情がひしめき合っているに違いなかった。
彼女「、、、ごめんさない、、」
俺「まっ、待って、、、わっ!」
そう一言だけを呟き彼女は走るように部屋のトビラへ向かう。
俺は走って追いかけようとしたせいで、2、3歩進んだ時に足が縺れドタッとその場に倒れこむ。
彼女は此方を振り返り俺が倒れた事に気がつくと、急いで駆け寄ろとするが直ぐに足を止めそのままトビラの方に向かい出て行ってしまったのだった。
俺「まっ、てくれ、、、俺を、1人にしないで、、くれ」
何でこうなったのか分からないまま、床に何度も頭を叩きつけながら泣く事しか出来なかった。
そのまま俺は泣き疲れいつの間にか眠ってしまったのだった。
◾️その後
気がつくと俺は、いや俺達は3人同じ病院に運ばれており、気がつくとベッドで眠っていた。
男は完全に精神が崩壊し、まともに喋る事すら出来ず幼少期に精神が戻っている様だった。
女の方はと言うと他の部屋にいる様で、色々と喚き叫んでいるようだった。
そのせいで警察が毎日のように俺の所に通い事情聴取を受ける羽目になった。
俺は2人のおふざけのせいで去勢され、その代償に2人は仕置きされた事をある程度掻い摘んで説明をした。
数日が過ぎ警察も来なくなりこの件はそのまま世間に報道される事も無く終わったのだった。
そして俺は退院をして元の生活を送る事になった。
少し違うのはトイレに行く時は個室に入るようになった事と、俺に奥さんが出来た事だった。
彼女はあの事件の後仕事を辞め実家に帰っていた。
そこに俺が迎えに行きプロポーズをしたのだった。
プロポーズの仕方はカッコ良いものではなく、どちらかと言うと責任を取れと言った内容に近かった。
彼女もそれが罪だと了承し結婚をする事になった。
それから数年が経ち俺達は養子を取り、今も幸せに暮らしている。
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投稿:2020.04.05
ドッキリ(駄作)
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