昭和の時代(1980年代後半)自身の20代半ば前、妄想と現実を30年近く前に書いた作品です。
4又かけてた青春時代の代償、7割書いてあきらめたものを令和と交錯しながら描き直しています。
完成することがあればどこかにとは思っています、校正などしてないので当時の書きなぐりのまま誤字脱字、読み辛いとは思いますがお付き合いいただければ幸いです。
小説前半より抜粋 プロローグにしようかとも考えていた部分です。
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蝉の声が五月蝿い、7月も半ば過ぎ。
店から朝帰りしてシャワーを浴びた俺は、バス通りから少し入った公園にたどり着きベンチに座る。今朝の逝けそうで逝けないもやもやがまだ続いている。
ジーンズのポケットからハイライトを取り出す、店のマッチで火をつける「ふぅ」
新宿の町はなぜこんなに薄汚れているのだろう。
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公園には幼児と母親、夏休みなのに小中学生はいない、たぶん塾かプールにでも行っているのだろう、滑り台の横で可愛い幼子を見つめている女、淡いブルーのブラウスにひざ上の白いスカート、少し汗ばみ白いブラジャーの線が良く見える、俺よりは少し年上なのだろう、20代後半かと値踏みしてみる。
肩までありそうな少し茶髪のパーマのかかった髪を後ろでまとめている、ゴムをほどけば娼婦のようになるんだろう、色気も香る、昨日は夫あるいは別の男ととセックスしたのだろうか。
俺は視観する、程よい胸のふくらみ、少し太めの腰周りに張り付くような少しタイトなスカート、その中の白い臀部から太腿そして足首にいたるラインを。
股間が硬くなる。
一服が終わるころには親子は砂場に来て遊んでいた、赤と黄色がメインのスコップに何かのキャラクター絵柄の小さなバケツ。母親は砂を詰めてお山を作っている。造る傍からお山を壊そうとして転んだ幼子を起こそうとした時、母親のスカートの中が丸見えになる、「ピンクだ」
目が合う、一瞬の間。母親は何かを幼子に言いながら後ろも振り返らず公園を出ていく。
虚しい。
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昼の時間、普通なら寝ている。今日は半年ぶりのお休み、兄貴に言われた気の重い任務をしなければ。
財布からテレホンカードを取り出す、公衆トイレの横にある電話ボックスの前に立ち…またベンチに戻りたばこに火をつける。
・・・何度これをしているのだろう。
自販機で買った缶コーヒーを飲みながら、決心がつかず時間を過ごしていると、小便がしたくなった、「あ~ぁ、昨日飲みすぎたな」
すぐ横の男性用トイレに向かう、個室を空ける、いたずら書きだらけの個室・・・・・おまんこの絵・・・・・・
和式便器は程よく汚れている、トイレットペーパーを付ける金属は誰かが蹴飛ばしたのかひしゃげている。
もう慣れたと思いつつベルトをはずし、ジーンズとトランクスを膝まで下げて、しゃがむ。
金隠しに少し近づくと勢いよく一気に小便が出る。
そしていつものように勢いがなくなると陰嚢に温かい小便は23の筋になりお尻の方に垂れていく。
ポケットティシュを取り出して、だいぶ生え揃った陰毛の上からティシュで拭き、トランクスとジーンズを穿く。ティシュは必需品か、後悔で苦しくても涙も出ない。
電話をしなくては、いずれいつかは・・・子供のころの注射の順番待ちを思い出す。
緑色の大きな電話機にテレホンカードを差し込む、ピポパポピポ・・・・・・・・・
呼び出し音が鳴った、「はい佐伯建築事務所です、聞きなれた加代子の声が返った来た」
心臓の鼓動が聞こえる。
「久しぶり・・・加代子元気か?」
「健ちゃん・・・」涙声であとが聞き取れない。
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投稿:2020.04.07
プロローグ
著者 幸(仮) 様 / アクセス 3636 / ♥ 0