あれからお互いに接することがないまま高校の卒業を迎えた。
俺の体のヒロミちゃんはずいぶんと髪も長くなり男でも女でもないような中性的な見た目に変わっていた。
気持ち胸がふっくらしているようにも見える。
いったい俺の本当の体はどうなっているのか気になっていた。
卒業式当日
慣れた姿で最後の制服を身に纏い俺は卒業式に向かう。
ヒロミちゃんの体の俺は就職も決まってはいなく進路も未定のままだ。
俺の体のヒロミちゃんはどうやら進学の道を選んでいた。
そして、学校につくと机の引き出しに1通の手紙が入っていた。
ヒロミちゃんからだ。
...今日で会うのは最後だと思います。この先はお互いに違う人生をこの体で進むことになります。もう戻れないのも諦めています。
いろいろありましたが最後に話したいことがあります。式が終わったらあのときの屋上で待ってます...
そのように手紙に書いてある。
無事に式は終わり1人で例の場所へ向かう。
まだヒロミちゃんは来ていなかったがあの日の事を思い出しながら途方にくれていた。
空を見つめているとヒロミちゃんは静かに俺の後ろまで来ていた。
肩をポンポンと叩かれ振り向くと
「私は女になります。日程も決まってます。」
いきなりそう告げた。
「どういうこと??」聞き返した。
「あの最後に話した次の日から女性になるための治療をしてきました。」そう言いながら俺の手を持ち上げ俺の体のヒロミちゃんの胸にあてがった。
中学生の大きくなり始めた位の膨らみが手のひらに感触を伝える。
「ホルモン打ち続けて少しずつ大きくなったの。」
「俺の体。。。男なのに。。」
「もう目の前の私の体には戻れないのがわかるの。でも女性として生きていきたい。だから高校を卒業したら体を女性に変える事にヒロミ君のご両親は納得してくれたの。」
「そんな。。。」
「その前にヒロミ君今の私のあなたの体を見ておきたいんじゃないかと思ったの。だからついてきて。」
手をとり歩き出すヒロミちゃん。
そのまま近くのホテルへ連れてこられ二人で中に入った。
無言のまま脱ぎ始める。脱ぐ姿は女性っぽいが体は男である。
「私の体も裸になって。」
そう言いながら俺も脱ぎ始め全部をさらけ出した。
「私たちはもうこの体で生きていかなければいけないの。そして今日で自分の体は見納めにして悔いの残らないようにしておきたいの。」
「う、うん。」
「そしてこれが最後のチャンス戻れるかもしれない唯一な方法を思い付いたの。」
息を飲み込みながら「なに?どうするの?」と聞き返した。
「私は初めてのセックスを自分の体にするとは思いもよらなかったわ。。でも試してみるのもと考えたの」
俺は戸惑いながら俺の体のヒロミちゃんの下着を脱がした。
「ごめんなさい。ホルモン治療で小さくなってしまったの。でも私の体から処女を奪ったのだからこれで、おあいこね。」
そう言いながら慣れた手付きでチンポをしごき始め勃起させる。
小さいっ。。前の時の半分位か。。
「早く横になって」強引に押し倒されヒロミちゃんは小さいちんぽを自分の体のマンコにあてがった。
「いくよ。これで体が入れ替わってもらえることを祈ります。」
グッと押し込まれ股間に異物が入ってきた感覚がある。だが普段自分で自慰行為しているときの方が大きいものを入れているせいか快楽はほとんどなく腰を振り続けるヒロミちゃんの感じる自分の顔だけが目に入った。
結果はなにも変わらなかった。お互いにそれを認識したがやっぱり戻ることは出来ないと言わずとしてわかりあった。
そのままヒロミちゃんは腰を振り始め俺は無言でそれを見つめていた。
次の瞬間あそこのなかでビクビクと痙攣のように動く元の俺のチンポの振動があそこで感じた。
「ちょっ!中に出してっ妊娠したらどうするのさ、元にだって戻らなかったし」俺は言った。
「大丈夫よ。安心して。もうたまたまは付いてないから妊娠することは絶対にないのよ。」
自然とその言葉で涙が出た。
泣きながら元の俺の体の下半身を確認するように触りまくった。今言われて気づいたがスッキリとした股間になっている。普段なら垂れ下がっている玉袋もスッと後ろまで無駄なく伸びきっていて垂れ下がる気配など全くなく絶頂を迎えたぺニスはしぼみ始め親指より小さいくらいまで萎んだ。
「次の月曜にこの男性器がなくなります。最後の望みだった事をしたけど戻れなかった。もう、諦めて。私も諦めてあなたの体で女性になります。」
「わかった。今までごめん。もう帰るね。」
そう言い残し俺は先にホテルを出た。
泣きながら家に向かう。
家につくと母親が遅かったわね。卒業おめでとう。と迎え入れてくれる。
「あなた進路も就職も決まってない事をどう考えてるのか知らないけど、私が縁談の話を決めてきたから来週月曜にお見合い連れていきますからね。」
ここでも衝撃な話をされわかりましたと母親にいい自分の部屋で塞ぎ込む。
月曜日
今日は俺の体が女性器に作り替えられる手術の日でもあり、縁談見合いの日でもある。
俺は複雑な気持ちのまま母に連れられ見合いに向かう。相手など誰でもどうでも良かった。こうしてる間に俺の体は。。。
見合いは俺たちを残し両親は帰宅した。
ろくに返事もしないまま全て「はい。」と答えていると縁談が成立していたらしい。
そのままその日は二人で過ごす事となり用意されていた綺麗なホテルに連れていかれる。そのまま男に抱かれる俺。。
頭のなかでは自分の体がどうなっているのか気になったまま目をつむった。
目をつむるとお互いに自分の体で向き合うヒロミちゃんと俺がお互いに近づくように歩きそこに立っていた。
そしてそのまま手を合わせ、来た道とは違う方向へそのまま真っ直ぐ歩き始めた。
「お姉ちゃんっ!」
妹の声がする。
お姉ちゃん目が覚めたよっー
看護師がやってくる。
「お姉ちゃん!わかる?頑張ったね。無事に手術成功したんだよ。本当の女の子になれたんだよっ」
頭がボーッとしながら理解はできていないが妹がそう言って俺はハッとした。
自分の体に戻ったんだ。。
嬉しい良かった。
安堵したのか疲れたのか悪い夢を見ていたのかそのまま眠りについた。
目が覚めたのは1カ月後だった。ここまで目が覚めない事は珍しいようでもう意識が戻らないと思われていた。
その意識の無いまま過ぎた1ヶ月で手術の傷は完治していた。
自分でも何が起きているかどこが現実なのかわからないまま時が過ぎやっと自分の体を確認することができた。
鏡に写る自分の姿に今までの出来事が夢だったかのように思えた。
現実に戻される言葉が降り注ぐ。
「明日カテーテルを抜きますからトイレのリハビリしましょうね。」そう言いながら看護師はいなくなった。
俺は現実を確かめるべく鏡の前で病院服を捲り股間を鏡に映した。
そこにはチューブだけが刺さっているなにもない股間が写っている。
うそだっ!そう言いながら股間を触り確認する俺のチンポと玉は無くなっており少し毛が生えているあそこの奥に傷口の癒えた閉じた割れ目だけがそこにあった。
割れ目の奥には作られた膣が閉じぬよう異物を差し込んであり固定されている。
夢と思っていたこの事は現実だった。
自分の体に戻っても女として生きていかないといけない事に俺は絶望した。
その後ヒロミちゃんは自分の体に戻っているのであろうが、あれから連絡も取れず住んでいた家もなくなっている。
ヒロミちゃんはどのような人生になっているかは不明だ。
ただ、この先俺は自分の意思とは違い女にされた体と一生向き合っていかなければならない。
それでも俺は男として生きていくことを決意しこれから先を生きていく。
その後
ヒロミちゃんは不明のまま憶測では好きでもない男と結ばれ自分の体と向き合っているだろう。
ヒロミ君は女性ホルモンから男性ホルモンに切り替え作られた膣は手入れもしないまま穴は閉じた。男として女を抱けぬまま、座ってしなければいけないトイレを社会生活で苦に感じている。ヒロミ君は彼女ができては下半身を知る度にフラれることを繰り返し悶え苦しむ人生をおくっている。
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投稿:2020.09.11更新:2022.04.09
男の俺と女の俺 4 戻る体 終わり
著者 よーこ 様 / アクセス 4837 / ♥ 4