射精責任
遠くもないけど近くもない未来の話。
この時代、日本では長年にわたって続いている合計特殊出生率の低下によって、総人口は6,000万人台まで減少している。
ピークだった2008年の1億2,808万人のおよそ半分だ。
もちろんその時々の政権は、少子化対策として育児支援制度の拡充をはじめ、あれやこれやと対策を図り、講じてきた。
しかし、そのどれもが抜本的な問題解決に結びつくことはなく、失敗に終わったと言っても過言ではない。
それらの対策が失敗に終わった背景には、社会の変化がいくつかある。
1つ目は、失われた30年と揶揄されていた時代から続いてしまった格差社会。貧富の差が拡がり、高所得者の冨は巨大化する一方、中流階級は減少し貧困化が進んでしまった。
2つ目は、男尊女卑だった社会意識がいつのまにか逆転したこと。男女平等が強く訴えられたことに端を発するも「なんとなく男性より女性を優遇しておけば炎上しない」といった社会の風潮が進んでいってしまった。
3つ目は、男性が女性との交際をリスクと捉えることが激増したこと。女性は丁重に扱われる一方、男性に対する扱いは雑なままとなり、それが司法判断などにも影響し、男女間のトラブルでは男性が負けることが当然と化してしまったためだ。
4つ目は、恋愛をせずとも性的欲求を満たしやすくなったこと。インターネットへのアクセスが誰でも簡単にできるようになったと同時に爆速的に拡大したアダルトコンテンツによって、多くの人は自慰行為で済ませることが増えた。
5つ目は、セクシャルマイノリティに対する寛容さの拡大。LGBTQ+という言葉とその当事者への理解が拡がり、同性間での恋愛や性行為等に加え、同性婚もありふれたものとなり、一般化していった。
6つ目は、結婚と子育てに対するネガティヴなイメージが蔓延したこと。低所得化が進むなかで、その時代ごとの若者の多くが自身の自由を追求し過ぎるがあまり、結婚や子育てを“自由が奪われるもの”と捉えるようになってしまった。
ここで挙げたものはほんの一部だが、こうした社会変化に法整備が追い付かず、日本における人口減少に歯止めが掛からなかったのだ。
ところが、この現実に気付いた時の政権は、新たな少子化対策を打ち出したのだった・・・
ーーーーーー
「また月曜日なー」
「おう!じゃあなー」
俺はユウタ。
都内でもそこそこの進学校に通う17歳だ。
今、同じ高校に通う親友でクラスメイトのタクトと家の前で別れたところ。
俺もタクトも同じフットサルチームに所属している。
今日は土曜日で、参加していた地域のフットサルチームでの練習帰りだ。
あっ!部活動なんてものは父さんが学生だった頃まではあったらしいけど、今の時代にはない。
「ただいまー」
「お帰りなさーい。お風呂沸いてるから入っちゃいなさいよー」
「はーい。一息つけてから入るー」
俺も年ごろの男子。笑
やっぱり溜まるものは溜まるわけで笑
そしてどうせ汚れるなら風呂に入る前に済ませたい笑
俺は自分の部屋にあるベッドへと横になり、パーソナルデバイス(昔でいうスマホとかガラケーみたいなもの)を手に取ってお気に入りのサイトを開いた。
【この先はアダルトコンテンツです】
【あなたは視聴する権利をお持ちですか?】
いつも表示されるこの注意書きはいつも華麗にスルー。
【はい】を選択して、そのまま次の画面に進む。
「さて、今日のオカズは〜」
良さそうなものを漁りながら利き手で股間を弄り始める。
そういえば放課後も練習三昧だった今週は、火曜日に抜いたきりだ。
そのせいもあってか、早くも俺の股間にある男の象徴は、ガッチガチでビンビンに勃起している。
とりあえずそれを窮屈なところから解放するために、サッカーユニホームのズボンとボクサーブリーフを足首まで下げた。
「やべぇ!気持ちぃぃ〜」
利き手で長さ18.7cmある自慢のムスコを絶妙な強さで握りしめて、前後にシコシコとシゴく。
亀頭の先端にある鈴口からはもう我慢汁が出てきた。
俺は体質なのか割と我慢汁が出やすい。
我慢汁が出てくると仮性包茎なのもあってシゴくたびに包皮と亀頭の間でクチュクチュと卑猥な音を立ててしまう。
♪シコシコ
♪クチュクチュ
勃起していない通常時は12cmぐらいのムスコ。
長さ太さともに自慢のムスコで、友達とスパ銭に行っても隠さずに堂々と股間でブラブラさせている。
昔は“見栄剥き“とかしてた人もいたらしいけど、今はみんな皮被ってるから俺もスッポリ被せたまま笑
でも、皮はちゃんと剥いて綺麗に洗ってます笑
「あ〜気持ちぃぃ〜」
結構イイ感じに気持ちよくなってきた。
ん?あれ?
パーソナルデバイスに見慣れないオレンジのドットが点滅している。
まぁいっか!
「ぁあ〜。ん、ん〜」
恥ずかしいけど、卑猥な声が微かに漏れてしまう。
そうこうしている間に軽い寸止めを2回したし、そろそろイこうかなと思ってシゴく手を早めた。
♪シコシコ
♪クチュクチュ
「んぁ〜、ヤバい、そろそろイキそう」
と思ったのと同時に
【未成年者及び非権利者による違法アクセスを検知しました】
初めて見る警告文が表示された。
それと同時に
♪カシャッ
♪カシャッ
♪カシャッ
「え?何?!」
と思っているといきなりビデオ通話の呼び出し音が鳴った。
さらにそのパーソナルデバイスのスクリーンには
【10秒以内に応答してください。応答されない場合は自動で応答します】
と表示された。
俺は慌ててパンツを上げようとした。
しかし、パーソナルデバイスが手から滑って顔面に落としてしまった。
「痛たたたたたっ」
そうこうしているうちに
『こちらは警◯庁サイバー犯罪撲滅課です。◯◯ユウタさんでお間違いありませんね?』
ビデオ通話が始まってしまったのだ。
仕方なく俺は
「はい。◯◯ユウタです」
と答えた。
すると
『◯◯ユウタさん。この通話は自動で録画されております。現在、あなたのパーソナルデバイスからアダルトコンテンツへの違法アクセスが検知されています。検知に伴う警告文と同時にインカメラとアウトカメラでの撮影、スクリーンショットが行われましたが、その10分前からインカメラ、アウトカメラ、スクリーン内の録画が行われており、それらがこちらへ自動送信されました。状況と内容から違法アクセスは間違いありませんね?』
「え?!なんですか!?それ、、全部見られてたんですか?!」
『すでに状況及び内容は確認済みです。違法アクセスされましたね?』
「あ、、あの、あ、はい。アクセスしました」
『わかりました。確認のためにお尋ねします。今後にも影響しますので明確にお答えください。今は何をされていましたか?』
「えっ!?いや、、、その、、オナニーです。。」
『アダルトコンテンツへ違法にアクセスしながら自慰行為をしていた。わかりました』
とビデオ通話先の警察官が言い終わるのと同時に、俺の部屋に別の男性警察官1人と女性警察官2人が入ってきた。
『手を上げなさい。あなたを射精責任放棄およびアダルトコンテンツ未成年者違法アクセスの疑いで逮捕します』
と言われた。
その警察官らの後ろには母が呆気に取られた表情で立っている。
そう。
俺は18歳になっていない未成年であることに加え、何年か前からの施行された「射精責任法」に抵触したのだ。
「射精責任法」とは少子化対策のために国会で議論された「射精管理法案」の最終形で、簡単にいうと自己の快楽のためだけに射精することを違法とするものだ。
射精は本来、子作りのために行う行為であることから、男性は自身が子作りのために射精する責任と子作り以外では射精を制す責任を持たなければならない。
すなわち射精は権利ではなくなり、子作りのための義務的行為となってしまったのだ。
ただ、すべての男性が射精する権利を有していないのではなく、すでに子を儲けた男性と不妊治療中の男性はその義務を免除され、射精する権利を有することになる。
それ以外の男性は、夢精を除く如何なる射精も子作りのためでなければ射精責任を負わなければならない。
そう。
射精は権利ではなくなってしまうのだ。
とは言っても年頃の男子はみんなバレないようにシコっている。
中には寸止めまでで我慢するやつもいるらしいけど、寸止めだけでは終われないやつの方がきっと多い。
昔は“男の子はおちんちんを触りながら・射精しながら成長して生きていくもの”と言われていたそうだけど、今となってはは男として生まれることは性欲との闘いでしかない。
『お母さまは部屋の外でお待ちください』
母はそう言われ、部屋の扉が閉められた。
『早くその勃起を鎮めなさい』
「そんなこと言われても射精しなきゃ無理です」
『射精は責任が伴うものであり、あなたには射精する権利はありません。鎮められないのであればあなたのペニスにこの鎮静剤を注射します』
「そ、そんなの無理です。お願いです。注射は勘弁してください」
泣きそうになりながら俺がそう答えたのには理由がある。
男性なら分かるだろうけど、射精の直前、あと一歩のところで寸止めされ、ムスコは吐精しようとMAXに勃起している。
その上、見せられた注射器は、早茹でスパゲッティぐらいはありそうな太さの針と俺のムスコと同じ程度の大きさがありそうな大きなシリンダーだ。
そんなものが刺されたら絶対に俺のムスコが壊れてしまうことは容易に想像できるのだ。
『分かりました。では5分以内に射精せずに鎮めなさい』
「わ、わかりました」
心臓がバクバクというかドクンドクンと鳴っている。
ムスコも吐精しようとビクンビクンと脈打っているが、幸いにも極限の緊張状態からか少しずつ萎えてきた。
ただ、下半身丸出しの哀れな姿を警察官3人に見られていることが恥ずかしくて仕方ない。
『5分経ちました。完全には鎮まっていませんが、まぁ良いでしょう』
女性警察官のうち1人がそういうと、男性警察官から腕を掴まれ、もう1人の女性警察官が持ってきた手錠を嵌めた。
しかし、その手錠は様子が変だ。
手錠が両手首に嵌められたが、真ん中のチェーンの中央から下に向かってもう1本チェーンが垂れている。
その先にも手錠のような輪っか付けられている。
ー これはなんだ? ー
そう思っていると女性警察官は俺のムスコと金玉袋をいっぺんに掴み、その根元に3つ目の手錠を嵌めた。
さらに円筒形に近い金属製のまるでペニスのような形をした何かを当てがおうとしている。
ー これ、貞操帯?! ー
そう悟ったときには、女性警察官が我慢汁でヌルヌルになった半勃起状態の俺のムスコをその貞操帯に無理矢理にでも収めようとしていた。
「い、いててて」
『痛くないですよ。あなたのペニスは少し大きめなのでキツイかも知れませんが我慢しなさい』
「い、痛いです」
女性警察官は俺の言葉を無視し、強引に俺のムスコを貞操帯に収め、根本の手錠とガチッと固定し鎖錠した。
さらに両端を金属製にした短めのビニールチューブのようなものを俺のムスコの鈴口に当てがいはじめた。
俺はムスコの先端の内部から伝わる異物感と、それが尿道を擦る痛みで悲鳴をあげた。
「い、痛いです!!何するんですか!?」
『しばらくの間、この貞操具は外せません。排尿時に貞操具が汚れないようにするためのカテーテルを入れます。あくまで排尿時のためのものなので、膀胱まで到達はしません。ペニスの先端から2〜3cmだけ入れて固定しますので、動かないでください。これだけカウパー腺分泌液が出ているので痛くないと思うのですが』
「え、で、でも。。」
そうこう言っている間に両手首と外性器を手錠で繋がれてしまった。
『これから署に連行します』
そう言われたが、ズボンとパンツは足首から脱がされた。
「え?下半身裸のままですか?」
『はい。ご自宅の目の前にパトカーを停めているので、多くの方の目には触れないでしょう。それに射精責任放棄は見せしめも必要です。あなた先ほど何をしていたか自供されましたよね?』
「はい。でも、、」
『それでは行きましょう』
俺はオナニーはしていたけど、イッてはいない。
射精まではしていないのに射精責任放棄の疑いで逮捕なんて。
そう思いながら自室を後にすることになった。
部屋の外にいた母は両手を覆いながら泣いていた。
玄関を出ると
「ユウター!?!?お前大丈夫かよ?!」
タクトが俺の家の前で停まったパトカーの向こうから声を掛けてきた。
- 頼む!見ないでくれ -
きっと騒ぎを聞きつけて来たのだろう。
俺は羞恥心からきっと顔を真っ赤にしていただろう。
タクトの顔をチラッと一目見たが、返せる言葉もなく、俺は俯きながらパトカーに乗った。
<警察署>
警察署に着いてからは下半身丸出しのまま取り調べが行われた。
アダルトコンテンツへの違法アクセスの自覚はあるのかとか、今までも違法アクセスをしていたのかとか。
さらに今までに夢精以外で射精をしたことはあるのかとか、オナニーはどれぐらいの頻度でしているのかとか、性的対象は男性なのか女性なのかなどを聞かれて、答えさせられた。
もう逃げられないと思って、一応すべて本当のことを話した。
『あなたは今回、射精こそしていなかったものの射精することを目的にアダルトコンテンツへ違法アクセスしたことを認めました。加えて、これまでに数えきれないほどの射精をしていることを認めたことから、少なくとも刑が確定するまでは貞操具の着用が義務付けられ、外すことは例外なく認められません。また再犯の可能性があることから釈放はできず、明日の朝、収容施設へ送致します』
絶望感しかなかった。
少なくてもいつもなら、あの後にビュッビュルと射精して、快感に浸りながらスッキリできていただろう。
しかし、警察署に着いてからは自慰行為防止のためとして青くて耳がない猫型ロボットの手のような手袋をさせられている。
結果3回の寸止めで終わってしまい、俺の中では吐精したい思いと今後どうなってしまうのかという不安が渦を巻いている。
留置場ではなかなか寝付けなかったが、気付いたら寝落ちしていた。
<翌朝>
ムスコが金属製の貞操帯の中で、屈強にもイキリ勃とうとするので、苦痛で目が覚めた。
俺は貞操帯の中でもなんとか朝勃ちをしようとするムスコに困惑していた。
しかも勃起するとムスコそのものも痛いし、玉袋が貞操帯に引っ張られるので、さらに痛む。
とりあえずおしっこをして朝勃ちを鎮めるしかないと思った。
カテーテルが挿入されているため、おしっこをする感覚も違和感しかない。
- はぁ〜、俺のチンコ返してよ ー
そんな風に思った。
『91番、出発する。出なさい』
輸送用の車に乗せられ、着いたところは真っ白な清潔感ある施設だ。
その中の治療室のような美容室のような場所に連れて行かれた。
ここには俺と同じように射精責任法に違反した人間が集められ、更生させるための場所らしい。
『おちんちんのいじり過ぎは注意ですよー』
そう言いながら管理官は笑いながら近付いてきた。
管理官と言っても20代前半ぐらいの若い男性だった。
『君は◯◯ユウタくんですね。私はここの管理官をしている◯◯と申します』
そう言いながら俺のムスコを貞操帯の隙間から触ってきた。
その刺激に俺のムスコは敏感に反応し始めてしまい、、
『ハハハ。さすが若いだけあって敏感だね。でもまだ子供を儲けていない君はまだ子作りのための射精以外はダメだよ』
「す、すみません」
『大丈夫!これから子作りのための射精をたくさんできるから!』
「え?」
そんな顔で管理官の顔を見ていると
『あれ?知らなかったかな?射精責任法に抵触し、再犯の恐れがある人は子種を保存して、男性器そのものは切除するんだよ!』
と満面の笑みを浮かべて話す。
俺は慌てた。
「え?!チンコとキンタマ、取るんですか?!」
『うん。君ぐらいの男の子はこっそりオナニーして射精していること、それぐらい国も分かっているし、こっそりしているからこそ見逃しているんだよ。でも、公になってしまったときに嘘でも誤魔化せば見逃せるけど、認めてしまったら調書にも残るし、取り調べが可視化された現代においてはそれ相応の対応が必要なんだよ』
俺は、そう言われて絶句した。
いくら射精させてもらえるとしても自慢のムスコに加えて金玉まで取られてしまうなんて思ってもいなかった。
まだ女の子とのエッチだってしていない。
童貞のまま一生を終えるなんて。
それに自慢のムスコなのに。
昨日、取り調べを受けたときに素直に本当のことを話してしまったことを後悔し始めた。
「な、なんとかならないんですか?」
『まあまあ!気持ちは分かるけど、男としての象徴だもんね!切除したあとのチンポとタマタマはプラティネーション加工して勃起した状態か萎えた状態で壁掛け用のインテリアにはできるけどいる?』
「そうじゃなくて、チンコとキンタマ取らないことはできないですか?」
『んー。前例はないかな!』
「じゃあ子を儲けたあとの射精する権利はどうなるんですか?」
『残念だけど、射精責任を放棄した者に射精する権利はないよ』
「そんな。。」
『とりあえず状態を確かめるので貞操具を外すね』
「あ、はい」
カテーテルを抜くときはチクっとする感じで少し痛かったが、解放された喜びと先ほどの刺激からかムスコが元気なってしまった。
『凄く立派だね!長さも太さも立派!綺麗な色だし、勿体ないね!』
「本当にお願いです。俺のチンコとキンタマ切り取らないでください」
『んー。たしかにこれだけ立派なチンポだしね。もうエッチして気持ちよくなることも、オナニーすらもできなくなっちゃうもんな』
「俺、まだエッチもしたことないし、オナニーだってしたいんです」
『そうだよね。でも、ごめんな!俺は君のこの立派なチンポとタマタマを切り取るのが仕事みたいなもんだからさ』
「そんな・・・」
もう何も考えられなかった。
『性液を採取するときは極力衛生的な方が良いからチンポ洗うために皮剥いても良いかな?』
「あっ、はい。仮性なので剥けます」
『恥垢が溜まってるね!あっ!昨日、オナニーの途中で捕まっちゃったんだっけ?』
「・・・はい。」
『だからか!チンカスすごいもん笑』
「すみません。オナニーのあとにお風呂に入るつもりだったので」
『大丈夫!君はもう自分のチンポを握ることは一生涯できないけど、これから俺が射精させてあげるから任せてね!』
「・・・。」
管理官は、桶にお湯を張って足元に置いた。
そして俺のムスコの皮を剥き、ぬるま湯で丁寧に亀頭とカリ首に溜まった恥垢を洗ってくれている。
俺のムスコはずっと勃起が収まらないが、その様子ももうそう長く見られる光景ではないと思うと涙が溢れてきた。
『泣かなくても大丈夫だよ!』
「すみません。でも」
『男の子は生まれながら手を下げれば届く位置にチンポがあるからね!それが無くなってしまうと思うとつらいよね。でも自分がルールを破ってしまったせいだし、諦めよう!』
「そんなこと言われても・・・」
もうこの法律を作った政治家や世の中を恨むしかないと思った。
今や人口減少は日本の問題だけでなく、世界中の問題であり、射精責任法はほとんどの国が導入した。
『じゃあ次はお尻も洗うから前屈みになってね』
「えっ?お尻もですか?」
そう言われたので、俺は管理官にお尻を向け、前屈みになった。
管理官はアナルに何かを入れたと思ったらそこから肛門内に水が入ってくる。
『そこに便器があるでしょ?少ししたら排泄してね!排泄し終えたらウォシュレットでお尻洗ってね』
「はい。わかりました」
お腹がギュルギュルしてきた。
水だと思っていたがあれは浣腸だったようだ。
俺は思いっきり便器で排泄し、ウォシュレットで洗った。
そして、また浣腸をされを何回か繰り返した。
『よし!じゃあそろそろチンポから精液を採取するね!』
「・・・はい。お願いします」
管理官はタオルで俺のムスコを拭いたと思ったら、何やら器具を持ってきた。
『これからこの透明の筒に君のチンポを入れます。そして、お尻にこの電極を入れるね!』
「はい」
管理官は俺のムスコを透明の筒に入れ、アナルには黒く小さめのナスのような電極を入れてきた。
アナルが少し痛い。
「すいません。お尻の穴が痛いです」
『じゃあ潤滑剤をもう少し足すね!でもあと少しで入り切るよ!』
そう言ったと思ったらキュポンっと電極がお尻の中に収まったようだ。
痛みが和らいだ。
『じゃあ始めるね!できるだけ力抜いてね!』
「え?あ!うゔぅー」
てっきり管理官が俺のムスコを扱いてくれるのかと思っていたが違った。
電極が前立腺を直接刺激し、電気的に射精させようとしているのだ。
全く快感なんかない。
そして、全身の毛穴が開き、脂汗が出てきている。
そうこうしている内に
『1発目出たね!気持ち良さは感じられないかも知れないし、射精の感覚もあまりないかも知れないけど、子作りのための作業だから我慢してね』
「ゔぅーんーぅー」
俺は射精したことを自覚できなかった。
気持ち良さはない。
むしろ電流だろうか。
その苦痛に耐えることに必死だ。
そしてそのまま気絶したようだ。
『起きて!これだけ君の精液を採取できたから射精作業は終わりだよ!』
途中から診察台に寝かされたらしい。
見せられたのは試験管5本に入った白濁液だ。
もちろんすべてが満杯なわけではないが、オナニーで出すよりも多く出たようだ。
『じゃあこれで君のチンポもタマタマも役目を果たしたから切除を始めるね!法令に則って、局所麻酔での手術になるのと、その様子をこのスクリーンに映すからしっかりと見て、チンポとタマタマにバイバイするんだよ!』
「嫌だー。お願いです!本当のお願いです!俺のチンコとキンタマ取らないでください泣」
管理官は返答せずに俺の股間とその周囲に麻酔注射を始めた。
気付いたら拘束されているらしく身体も動かせない。
俺はもはや泣きじゃくるしかなかった。
「俺のムスコ取らないでくださいー泣」
その言葉には一切反応せず、坦々と作業が進められていく。
ロボットと管理官が連携し、陰嚢の切開から始まった。
続いて、陰茎、最後は前立腺へと進み、外性器だけでなく内性器を含む男性器すべてが取り除かれてしまった。
「俺のチンコー泣」
クラスメイトやサッカーのチームメイトからも「巨根じゃん!」「羨ましい」と言われた自慢のムスコなのに、本来の使用目的を果たす前に俺の体から切り離されてしまった。
「俺のチンコ・・・返してください泣」
『はい!どうぞ』
手に渡されたのは、生まれながらに触り慣れた俺のムスコだった。
だけど生気はなく、もはや触ってもそこからの感覚はない。
俺はそのまま気を失ってしまった。