チンチンが無い体をクラスの女子にバカにされる
学校のトイレにこもった少年は便器に座り、小便をする。
肉棒を失って1か月たったが自分の尿が睾丸の裏あたりから出てくる感覚にいまだに慣れていない。
トイレに行くたび少年は自分の股間を確認してしまう。肉棒が無く睾丸だけのツルツルの股間。そんな惨めな股間を見ていると、悲しみが湧いてくる。少年いまだに自分の体を受け入れられないでいた。
帰り支度のために少年は教室に戻る。教室には数人の女子が残っており、入ってきた少年を見つめニヤニヤと笑みを浮かべて見ている。
「あんたさぁ、チンチンが無いってマジ?」
女子の一言に、少年の足は止まった。性器を失ったことは、当然誰にも話していない。何故それを知っているのか、疑問よりも恐怖が湧き上がってくる。
「もしかして本当にチンチンが無いの?」
「な……何で……?」
誰にも知られたくなかった秘密がなぜかバレていたことに動揺してかなり挙動不審だったようで、反応から本当なのだとバレバレだったようだ。
「嘘かもと思ってたけど本当みたいだね。興味があるから、ちょっと見せてくれない?」
「見せてくれないならチンチン無いらしいってクラスのみんなに言いふらすから、本当にチンチンが無かったら隠し通せなくなると思うよ?」
動悸が速くなり、カタカタと震えが止まらない。女子達のお願いを断ることはできないと悟った。
「ここじゃちょっと……」
「じゃあ屋上に行こっか♡」
茶髪少女に腕を引かれ、他の女子も後ろから押すようにして屋上まで連れていかれる。屋上のドアが閉められると同時に、女子たちが早くズボンを脱ぐように命令された。
女子たちの指が少年の腰に巻き付き、ズボンを無理やり引き下げる。下半身が露わになった瞬間、少年の頬を熱いものが伝った。
「本当に無いんだ〜!ウケる!」
「ちょー恥ずかしいじゃんね!」
「見せなよ〜♡ちゃんと近くで見せて♪」
「きゃはは!ちっちゃな玉だけ残ってる〜!」
「ほんとにツルツルだ!超ウケる!」
「見て見て!金玉の後ろ側におしっこの穴があるよ!」
女子たちの指が少年の股間を這い回る。特に茶髪少女が執拗に触れる。「ここってさぁ、女の子みたいに感じるの?」
その言葉に少年は必死で首を横に振った。
「あ〜そうなの?じゃあさぁ……」
女子たちが次々とスカートをたくし上げていく。
「私たちのも見せてあげるね♡」
「ほら、これが女の子のアソコだよ〜♪」
目の前に広がる光景に少年は目を逸らした。しかし、女子たちは容赦なく少年の顔を両手で掴み、
「ちゃんと見なさいよ〜!見たいんでしょ?」
「もうチンチンないから何もできないもんね〜」
無邪気な嘲笑の中、クラスのアイドル的存在だった美少女も恥じらいもなくスカートをめくった。
「ほら、君の大好きな私のアソコだよ?」
その刺激的な光景に思わず見入ってしまった少年だったが、すぐに自分に気づいた。どんなに興奮しても反応するものが無い事実。股間からは何か粘つく液体が染み出し始めた。
「あれ?なんか出てきてる?」
「え〜漏らしちゃった?」
「気持ちいいのかな?触ってみてあげよっか♪」
女子たちの指が少年の股間を撫で回す。敏感な部分が擦られ、ビクンと腰が跳ねる。
「あっ……んんっ……!」
「きゃは!感じてる〜!」
「声出すなんて変態〜!」
涙を流しながら耐える少年。だが女子たちはさらに追い打ちをかける。
「ねえねえ、記念に写真撮ろうよ!」
スマホを取り出す茶髪少女。
「やめて……!」
「え〜?こんな珍しいチンチン無い男の子の泣き顔撮らないわけないじゃん!」
カメラが向けられる中、少年は必死で顔を隠そうとするが複数の女子に押さえつけられ抵抗できない。
「はいチーズ!」
フラッシュが焚かれ、決定的な瞬間が記録された。
「明日みんなに見せようね〜♪」
「クラスLINEに流したら盛り上がりそ〜!」
屋上から解放されても、恐怖と恥ずかしさで全身が震えていた。自分がどうなってしまうのか。明日どんな顔をして学校に行けばいいのか。
翌日、学校に着くと既に異変があった。
「おい、あいつだよ」「マジでチンチンないらしいよ」
「これって性転換手術でもしたの?」
「いやいや病気だろ!可哀想~!」
教室に入った瞬間から視線を感じる。そして黒板には大きく書かれていた。
『チンチンなし男・〇〇ちゃん(少年の名前)』
スマホを向けるクラスメイトたち。茶髪少女が満面の笑みで近づいてきた。
「おはよ〜♪昨日は楽しかったね♪」
彼女の画面には少年の涙ながらの姿が映っている。
逃げ出したい衝動に駆られた少年だったが足が動かない。その時背後から肩を叩かれた。
振り返るとそこにはあのクラスの美少女が立っていた。
「昨日見せたアソコ……もっと近くで見たくなかった?」
あの時の光景を思いだして興奮がよみがえるが、やはり反応するものが無いのでもやもやした気持ちになる
「でもさ〜これじゃあ何にもできないよね〜」
昨日撮られた自分の股間の写真を見せつけられた。
昼休みになると新たな噂が広がっていた。
「チンなし君、実は昔女子トイレを覗いてたんだって」
「えー!最低じゃん!だから罰当たったの?」
根も葉もない噂だが火種には十分だ。
数日の間この状況に頑張って耐えた。
流石にいじめられてるのが分かるようで、放課後になると担任が職員室に呼び出した。
「どうしてこんなことになった?原因は何か?」
教師の無神経な質問に怒りが込み上げる。理由なんて誰にも知られたくない。
「誰にも話したくありません」
それだけ言って職員室を飛び出した。少年はただ立ち尽くすしかなかった。いままでの平凡な日常は完全に崩れ去っていた———。