世界観光ガイドブック・去勢特集号
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個人旅行者を対象に、世界の隠れた見どころをご紹介する「世界観光ガイド」シリーズ。
これまでの国別ガイドブックに加えて、事項別シリーズが登場。
いよいよ「去勢特集」発売。君も行って、見て、体験しよう!
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前作「フィリピンの修道院」はこちら
(2) 世界観光ガイド・去勢特集(2)~タイの禁欲・身体変工主義者の祭
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(2) タイの禁欲・身体変工主義者の祭
タイ西南部、リゾートビーチで有名なブーケット島の中心、ブーケットタウンから北西8㎞にあるカトゥの町では、毎年10月中旬(旧暦の9月9日より9夜)、禁欲主義者による身体変工の祭「「テーサガーン・ギンジェー」という祭が行われる。「ギン」はで食べる、「ジェー」は菜食の意味だが、英語の「ヴェジタリアン・フェスティバル」の方が、通りがよい。
カトゥには、近くのバン・ゲット・ホーという錫鉱山に来ていた中国人の日雇労働者が、定住帰化してつくった中華街がある。ここに1825年頃、国劇を上演しに来た旅芸人一座が、全員マラリアに罹ってしまった。そこで、中国の菜食主義者(ヴェジタリアン)の勧めに従って、肉、セックス、アルコールなどを絶って神に祈願する儀式を始めた。すると全員が奇蹟的に全員治ってしまったので、タイ在住の中国人たちの間で評判となった。
この儀式はもともと、暗殺された明王朝第9代皇帝の死を慎み、9日間菜食により身体を清め喪に服したのが始まりと言われているが、途中で、タイのまじない、インドのヨガの苦行などのいろいろなエッセンスが混じり込み、今では、祭の期間中、恍惚状態の中で頬に穴を開け、数珠、鉄線、棒などを通したり、身体の皮膚に鉤針でいろいろなものを吊るしたりして、毎朝2時間ぐらい街中をパレードする、痛々しくも愉快な流血の祭になっている。
【↓ 口に無数の剣を刺した男性】
祭の参加者は、中国文字が書かれたエプロンとズボンが合体したような服装をしている。背中がオープンなのは、背中の皮膚に鉤を引っ掛けて錘を吊るすからである。
頬に穴を開けるのは、食わないという意味で口を封じることを現している。男性信者は、ほぼ全員が必ず片方の頬から口の中を通して反対側の頬まで突き抜けるように金属の針や棒を刺し通す。女性信者は、舌を上下に貫通させるように針を通すことが多い。また、額の皮膚に針を刺すことも多く行われている。
更に断食を強調する熱心な信者は、同じ目的で上下の唇に穴を開け、その間にボルトを通して上下からナットで押さえつけ、さらに祭の期間中、それを施錠して固定したりしている。こうすると食事だけでなく会話もできなくなる。
もっと熱心さを示したい者は、舌にも穴を開けて上下の唇の穴と合わせてボルトで止めてしまったり、上下の唇を糸や針金で縫い付けたりしている。
中でも過激なことで有名なのは、舌の切り落としであろう。
【↓ 舌を切り落とされる男性】
口を器具で封じるだけでは物足りない信者が、自ら舌を切り取ることを希望して始まったこの習慣は、この祭のなかでも多くの観衆を集める名物行事となっている。
【↓ 舌を切り落とした後の様子】
最終日になると、全身の皮膚を切り刻んだり、尖った釘が出た木片に身体を押しつけて血だらけになったり、斧の裏側で頭を割ろうと何回も自分の額を殴ったりするなどの、過激なパフーマンスが始まる。
圧巻は、口から出した自分の舌の下にまな板を当て、その上で刀で舌をブチブチと12等分に切り刻んで、観客に配っている男である。
広場では、針の突き出た梯子を渡るとか、刀の刃が付いた柱を登るとか、下から火を焚いている油入りの風呂に入るとかの、大規模なショーが行われる。
【↓ 礼拝所で熱湯を浴びる男性】
祭の期間中は、街中は屋台や出店であふれる。観光みやげ店や便乗商法の店も多い中で、特別に目立つのは、身体変工志願者のために臨時に出された店である。そのため、身体変工の処置は、祭のそこかしこに開かれている屋台で、誰でもすぐにやってもらえるようになっている。
パレードに参加する人の衣装を調える店から始まって、頬に穴を開けてくれる店、その頬に通す飾り物を売る店、背中などの皮膚に鉤針で物を吊るしてくれる店などが並んでいる。
【↓ 頬に串刺体験の順番待ちの光景】
信徒だけではなく、一般の観光客の飛び入り参加も大歓迎される。
【↓ 観光客の女性まで頬に串刺体験】
普通の頬の穴は、放っておけば1週間ほどで塞がる。が、中には、自転車のフレームのような太いパイプを刺してもらったり、わざとギザギザの棒を通してもらったり、通したパイプに両手首を連結したり、3人が同じ丸いリングを通してもらっていつも一緒に歩くなどの、過激な信者集団もいて、ここまでやると祭が終わったあとも、回復は大変であろうと思われる。
最終日のパフォーマンスでは、屋台の店にも、祭りの中に志願者が舌を抜いてもらえるというコーナーが登場している。断食だけに止まらず、傷が治った後も人の言葉を話すことが永久に不可能になるとあって、志願者はさすがに多くないが、周囲は見物客で一杯である。
【↓ 舌抜き特性のペンチでの舌抜き行事】
そこには特別な幅広の「舌抜きペンチ」があって、志願者が口を大きくあけたところへ、施術者がこの舌抜きペンチを突っ込み、まず第1の握り手を掴んで、舌の根本を滑り止め付きの棒に挟んで固定する。第2の握り手を握ると、舌の先端が挟まれて手前に引き出され、舌が最大限に伸ばされる。その上で第3のレバーを握ると、鋭い刃が舌の付け根をパチンと切断してしまう。
切断後、第2のレバーを手前に引くと、切り落とされた舌が掴み出され、前に展示される。舌抜きペンチはそのまま出血を抑えるために、わずかに残された舌の根本を挟み続ける。
【↓ 切断されたばかりの新鮮な舌】
店の横では、2人の男が切った自分たちの2枚の舌を鉄の串に刺して台に飾っている。1本の串に、全体の3分の2ぐらい切り取られた舌が2枚刺し通されて、飾られている。たった今、舌を切り取ったばかりで、血止めのための布切れを口に突っ込んだままの2人の若者が、その前に肩を組んで立っている。台には「剪舌/Tongue」と書かれているが、これは信者に大層な金額で売れるそうである。
【↓ 抜かれた舌は信者に即売される】
他にも「歯抜きペンチ」で歯を全部抜いて固いものを食べることを不可能にしたり、上下の口唇を削ぎ落としてから、狭い孔を残して縫い合わせ、水か液状の食物しか食べることができなくするなどの実演が、祭のそこかしこで延々と行われていく。
肉を断ち、断食をするために舌を切り取るならば、当然、セックスや性欲を断つために性器を切り落とす者が現れるのは、自然な流れである。
一部の者は祭の最中に、恍惚状態の中で実際に、自らの性器を切除してしまう。
男根全部を切断する店は、やや斜めになった木製の台が置いてある。
志願者が現れると、見物人が集まってくる。店の男が一人まず仰向けに台に乗る。彼は志願者の手足を押さえる役目をする。腹掛けを外して素っ裸になった志願者が、店員の男の上に寝ると、拘束用のベルトで志願者が動かないように押さえつける。志願者の切断する局部は、切断しやすいようにちょっと前に迫り出した格好になる。
【↓ 大きな板にベルトで固定されて性器切断された男性】
【↓ 性器を切断された直後の青年】
一瞬の静寂ののち、男の陰茎陰嚢は、鋭利な刃物でスパっと切り落とされたる。
見物人から拍手が湧き、股間を血に染めた男は気絶するが、予後の手当は尿道に栓を挿入し、傷口を焼くだけである。
切断された陰茎は、紐でくくられて吊るされ、祭の間中飾られ、販売されているのである。
【↓ 抜かれた舌と一緒に売られる男根】
希少価値から舌や男根が人気商品ですが、指や耳たぶをそこそこ売れているようです。
【↓ 吊るされて販売さているれる男根】
【↓ お持ち帰り用セットになった男根】
【↓ アメリカへのお土産用に販売されている男根】
【↓ これは真空パックされて販売される男根】
別の去勢志願者用のコーナーには、体操の跳馬のような台が置いてある。志願者が、うつ伏せに乗ると、台の4本の脚にあるベルトに男性の手首足首が縛りつけられ、男は脚を開いた四つ這いの姿勢になる。次に男の股間が剥き出しにされる。
見物人が男性の尻の方に集まると、長い鉄の串が陰嚢に刺しこまれ、そのまま両方の睾丸を串刺しにする。それから、串刺しのままの2つの睾丸を、刺した傷口から引きずり出し、精索を切って切り離してしまう。
この睾丸は、串に刺されたまま、先の舌と同じような台に、祭の間中飾られている。これらの睾丸は、先ほどの舌と同じように購入可能である。
志願者が、この台に仰向けに寝て、大股開きに手足を縛りつけられる。このコーナーで仰向けになるのは、陰茎だけの切断を希望している合図である。
準備ができると、小刀で剥き出しの陰茎は根本からゆっくりと切断された。
【↓ 仰向けで性器切断される直前の男性~血流を抑えるため性器の根元を緊縛】
このコーナーはこのように徐々に切断するのが売りだそうだ。傷口は、やはり焼いて止血される。陰茎は鉄の串によって縦に串刺しにされて展示される。
【↓ いよいよ陰茎切断が始まった光景】
【↓ 麻酔なしで徐々に切り離される陰茎】
【↓ 陰茎が切り離された瞬間】
【↓ 陰茎を切り離された後の股間部】
【↓ 鉄の串で串刺しになった男根】
口の串刺し、身体への吊るしなどの人気コーナーは、志願者が列をつくっているが、舌抜きや去勢などの過激なコーナーは、志願者はさすがに多くない。
しかし、周囲は見物客でいつも一杯で、志願者が現れるのを待っている。
祭の期間はかなり混みあうので、宿泊はあらかじめ予約するか、ブーケットタウンからバスで日帰りで行くもがお勧めである。
▲▽▲▽▲▽▲▽ 読者からの耳より情報 ▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
「キンジェー」への参加は、予約も登録も不要で、外国人でも飛び入りでパフォーマンスを体験できます。
私は、2002年の10月5日から15日までの祭の期間、地元のドミトリー形式の安宿に泊まって、祭に参加した日本人の青年二人と同部屋になりました。一人は、頬に穴を開けてパレードに参加し、一人は陰茎部を切断してもらったとのことでした。
貴重な体験談を聴けただけでなく、去勢した青年には、シャワー室で、その切断痕まで見せてもらうこともできました。
二人は傷が治るまで、タイに留まるとのことでした。
下に陰茎を切断した彼の股間部の写真を載せます。
【↓ 陰茎だけ切断した日本人青年の股間】
ここまでやると、自然治癒までには結構時間がかかるようです。
【↓ 陰茎切断後に治癒した状態の股間】
(2002年秋~横浜市・北山哲也)
(つづく)
世界観光ガイド・去勢特集(3)~北京の宦官博物館はこちら
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投稿:2005.12.18更新:2022.06.06
世界観光ガイド・去勢特集(2)~タイの禁欲・身体変工主義者の祭
挿絵あり 著者 Castrato 様 / アクセス 47347 / ♥ 119