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午前中に3人の屈強な男たちを強化改造し、午後の夕方までに30体ものクローン達を解体腑分けし終えると、本城博士と助手の霧子はどっと来客用ベンチに倒れ込んだ
何人の血で染まっているのか分からない真っ赤な手術着を脱ぐと、人肉の臭気が二人の鼻を突く。霧子はくらくらした。
「霧子くん、だい、じょうぶかね…?」
「は、博士こそ大丈夫ですか? 御年なんですから無理はなさらないほうが…。」
「いや…これから上客が待っているんだ…。まだまだ頑張らないと…。」
そう気張って見せる気丈な本城博士だったが、やはり疲労はピークに達しているらしく、顔色がかなり悪い。予定外の午前中に入った依頼が足を引っ張ったのは明らかだった。
霧子は本城博士を仮眠室に寝かしつけ、自分もまたソファーで軽い睡眠を取った。
彼女にとっての運命的な出会いが、今宵待っている事も知らず、霧子はひと時の安らぎを享受した。
高層ビルの谷間に真っ赤な心臓のような夕日が沈んでいく。
暗闇が本城工房を取り囲んでしばらくした後、インターホンが鳴り響いた。霧子はその音に飛び起きる。
自動ドアのロックを解除し、外に出ると、人影が工房前で立ち止まっていた。
「申し訳ありません、もう今日は営業時間を過ぎておりまして…。」
「そうだ。時間外に来てくれと言われてな。」
門の向こうから恰幅の良さそうな男性が歩いてくる。あご髭を蓄え、見るからに高い身分の持ち主であることがうかがえた。
「本城博士は御在宅か? 彼にしか頼めないことなのだ。」
霧子はどうしようか迷った。博士の疲労状態を考えれば、今日はお引き取り願うのがベストに思えたが、どうやら彼こそが本城博士の言っていた「上客」らしい。なら無碍に返してしまう訳にもいかない。
「博士は臨時の手術が重なって大変お疲れです。調子が戻られるまで時間がかかると思うのですが…。」
「構わん、中で待たせろ。」
ずかずかと自分の家に入るかのように、男は霧子を押しのけ工房に入っていった。
霧子はそこで初めて気が付いた。もう一人、誰かいたのだ。
「お姉さん、ごめんなさい。」
男の影から現れ、ぺこりと頭を下げたのはあどけない顔の少年だった。14、5歳に見える男の子は小奇麗な召し物に身を包み、明らかな上流階級の匂いを漂わせている。身長は割と普通で、160後半だと霧子は予想した。
霧子は彼を見た瞬間、ごくりと唾を飲んだ。彫刻芸術のような出で立ち、にきびがちょっと噴きだしている目元、適度に切り揃えられた黒髪に目が移っていく。
「僕、恭介って言うんだ。お姉さんは何て名前?」
「き、霧子…。」
霧子お姉さん、いこう、と手を差し伸べられ、霧子はそっと恭介の手を握った。
その途端霧子の脳髄は弾け、指先から電撃が走る。
それは霧子の人生で初めて起こった、恋という現象だった。
「いやー、すみません、急に仕事が増えたもんで疲れがでちゃって…。」
本城博士が男に応対している。霧子はお茶を運びながら、同席している恭介の方をちらちらと盗み見た。
おでこの広い童顔の彼が持つ、大きいブルーの瞳が、引力を放って霧子の心を引っ張り上げる。さらさらの髪が空気を含んで柔らかそうになびく。
「おい霧子くん、どうしたんだね、そんなにぼやーっ、としてしまって。」
持っていたお盆で顔を隠しながら応接間を出た霧子は、誰もこないであろう冷凍室の管理ルームに身をひそめた。少しでも熱くなった胸を冷やしたかったのだ。
大学を出たばかりの霧子にとって、恭介はかなり離れた年下の少年だった。
だが彼女はそんなことなど気にならない程に、胸を高鳴らせていたのだ。
ガラスの壁を隔てた向こうの冷凍室には、午後に捌かれたクローン達の移植用臓器がずらりと並んでいた。
鮮度を保つため、パック詰めにされた手足や肝臓などが、精肉工場の牛肉みたいに天井から吊り下げられていた。かちかちに凍りついて明日の出荷を待っている。
「グロテスクね…。自分がやっといて何だけど…。」
自分が奪ったペニスのパック冷凍を見つけた霧子は、恭介の股間にはどんなものが生えているのだろうと妄想を始めた。
きっとまだ子供だから、まだまだ小さくて可愛い男性器に違いない。握ったら出ちゃうくらいの早漏かもしれない。初めて跨るのなら、でかい巨根ではなくそういう幼い陰茎がいい。
既に霧子は彼との性交場面を思い浮かべながら目をつぶり、股間を揉み扱いていた。
すっぽりと小さなペニスが自分の秘所に吸い込まれていくシーンを想像するだけで、恭介が喜ぶ顔が彼女には見えた。
「あ、霧子お姉さん、こんなところで何をしてるの?」
ノックもなしにドアが開くと、恭介が管理ルームにいきなり入ってきた。あまりに突然なことで、霧子は椅子から転げ落ちてしまった。
「こ、ここは立ち入っちゃだめなのよ!」
必死で行為の痕跡を消そうとする霧子は甲高い声をあげた。恥ずかしい。もう少しで見られていた。
「うわあ、すごいや、これってクローンのやつなんだよね? まだ生きてるみたい。」
恭介はまだ声変りもしていない声で感嘆をあげた。霧子はますます恭介が可愛くなった。男としての肉体がまだ未成長な恭介からは、強圧的な男たちの尊大さがない。
それに恭介は魔性のような魅力あふれる少年だった。一挙一動作が霧子の理想ともいえる愛らしさで、霧子は骨抜きになっていく。
「明日、出荷する分よ。午後から30体もがんばって捌いたんだから。」
「大変だね。あ、あれっておちんちん!?」
恭介の指さす先に、根元ごとパッキングされたクローンの男根があった。
「やーねえ、あんなもの指さしちゃって、恭介くんは助平だわ。」
可笑しそうに笑って恭介を茶化す霧子だったが、年頃の男の子はたぶんそういうものなのだろうと彼女も理解している。性に対して好奇心旺盛なだけだと彼女は思っていた。
しばらくの沈黙が部屋を覆い、霧子は何気なく管理用の計器類に目を通していた。いいシチュエーションだと彼女は思っていた。
次の瞬間までは。
「ねえ、霧子お姉ちゃん、僕を見て。」
後ろから恭介の声がして、くるりと振り向いた霧子はそのまま動けなくなった。
恭介は生まれたままの姿を霧子に向かって晒していた。上等な服は床に脱ぎ捨てられている。
霧子が驚いて動けないのは、恭介が裸だからではない。その肉体が想像とかけ離れた物体だったからだ。
「えへへ、すごいでしょ、僕のカラダ。」
脂肪分を薄く伸ばしたようなすべすべの柔らかい肉体だろう。そう霧子が思っていた恭介の身体は、まるで野性児のように引き締まった筋肉で覆われていた。
だいぶ鍛えてあるらしく、胸は見事に左右へ割れており、腹は六つに盛り上がっている。
力瘤をつくる二の腕は逞しく、鉄骨すら持ち上げられそうだ。霧子が華奢だろうと思っていた彼の腕と、現実のそれは別の人のものだった。腋からは恥毛が僅かに見え隠れする。
そしてなんと、恐ろしいことに彼のペニスは大人顔負けのものだった。
黒々とした陰毛に覆われ、その大きな茂みから半分以上の部分を真下に垂れさげて、その年齢に似つかわしくない姿を見せるそれは、男の一物として恥ずかしくないぐらいに黒く仕上がっていた。
まるでビルドアップを重ね続けた大人の肉体が、ミニチュア化したかのような恭介のボディに対し、言葉がでない霧子は金魚のようにぱくぱく口を動かした。
「驚かないで、お姉ちゃん。これが僕の本当の姿なんだ。」
「う、うそよ…。だってこんなことって…。」
明らかに異常な身体だった。ボーイズソプラノも無くなっていない、第二次性徴すら途中だろう彼が、こんな大人じみた精力によって培われるような肉体を持ちえるとは、霧子には到底思えなかった。
「一体、だれに改造、されたの…?」
「僕のパパさ。パパはね、こういう男の子が大好きなんだ。」
霧子はピン、ときた。
権利を保有する下級市民をどのように人体改造するかは、個人の自由。しかし上級市民を改造するのはどういった場合でも重大な犯罪行為である。
しかし変態性欲をもつ人間の中では、下級市民を買いあさり改造するのでは満足できない輩も多い。そういった人々は色んな方法で上級市民の違法改造を行おうとするのだ。
「パパは僕をこんな風に改造したあの日から、いつもお尻におちんちんいれてくるの。僕のお尻も改造されて、すっごく気持ちよくなれるようになったんだよ。」
お尻を向けて、恭介はアナルを見せた。彼が力むとキツツキの巣のような大きさの穴が開く。開き方から見るに、彼の父親の男性器はかなり太いらしい。
「このおちんちんにも、少しずつお薬注射されておっきくされたん…。」
「いやっ! もうやめてっ!!」
少年の告白に耐えられなくなった霧子は叫んだ。おぞましい出来事だった。精液を飛び散らす男どもの姿を見た時よりも、クローンたちの脈打つ臓器を初めて見た時よりもひどいショックだった。
好きになった人は、ただの玩具だった。実の父親に嬲られる欲望の受け皿だったのだ。
霧子の目から、皮膚を焦がしそうなほど熱い涙が流れる。初めて一目ぼれした相手の実態が受け入れられない。
「わた、私、あなたのこと、す、好きになっちゃったのに…。こんなのって…。」
「僕も大好きだよ、霧子お姉ちゃん。」
霧子は顔をあげる。見上げた彼の顔に嘘の文字はなかった。
「僕、実はまだ入れたことないんだ。できれば、僕の初めては霧子お姉ちゃんがいい。」
こくり、と霧子はうなずいた。恭介のペニスは熱をまとい、天を目指すうなぎのように硬く濡れ勃った。
「えへへ、実は私、勝手に短小なんだろうなって思ってたの。こんな大きいのね…。」
入る自身はあまりなかった。それでもいいと霧子は息を飲んで恭介にまたがっていく。
彼のつくりこまれた肉体が、霧子に近づいてくる…。
「———霧子くん、恭介くん、そろそろ仕事を始めよう。帰ってきなさい。」
本城博士の房内アナウンスがもう少しで触れ合う二人の耳に届いた。
「時間切れ、みたいだね…。お姉ちゃん。」
「ええ、そうね、でも改造手術が終わったら、またやり直しましょう。」
大丈夫、退院なんていくらでも伸ばせるから。
「おーい、恭介くん、霧子くん、早くきなさい!」
その声を聞き、まず恭介が管理ルームから出ていった。どうせまた脱ぐことになるからと、脱ぎ捨てられた服はそのままで、彼は裸のまま本城博士に連れられていった。
がむしゃらに残された服の残り香を嗅いだ霧子は、気持ちを切り替え手術着に着替える。
この手術は必ず安全に終わらせると、彼女は決意して手術室に向かった。
「遅いじゃないか、さあ、早く器具のチェックを。」
本城博士の檄が飛び、あたふたと霧子は機材を運んだ。
「それで、恭介をどう改造するかという話なのですが…。」
霧子は傍耳を立てて、恭介の父親がどんな改造を依頼するのかを聞いた。
「ええっ! 性転換ですと?」
霧子の顔から一気に血の気が引いた。
「いや違います、肉体はこのまま逞しい状態を保って、それでなおかつペニスを取って欲しいのです。」
今まで沢山の変態的な依頼を受けてきた本城博士にも、このオーダーは難解だった。
「するとつまり、肉体は男性のまま、ただし性器だけを膣に変えて欲しいということですか?」
「そうです。それから手足も全て切断してください。全身の筋肉も今以上に強化してくれればなお良い。」
本城博士がメモを取り、依頼を承諾すると、彼はしばらく寝て待っていると言ってその場を立ち去っていった。
霧子は一人震えていた。恭介は去勢される。そして、女か男かわからない曖昧なものに変えられてしまうのだ。彼女は彼の父親を憎んだ。
「霧子お姉さん。僕、今度はどうなるの?」
何も知らないで手術台に横たわる恭介に、霧子は何も答えられなかった。これが終わったら交わろうなどという約束を、なぜしてしまったのだろうかと己を悔やむ。
「御父上は君の身体から手足と、男性器を取り除くようにおっしゃられたよ。そのあと君の身体には御父上の御持参なさったワギナが移植される。」
ほんの一瞬だけ、恭介のにこやかな顔が凍った。しかしすぐに元に戻る。
「へえ、じゃあ僕こんどからは前に入れられるんだね。うれしいなあ。」
その声は微かに震えていた。恭介の顔には諦めの色が張り付いていた。
まずは、恭介の手足が全て切断された。丁寧に神経と血管が切り離され、骨がのこぎりで陶器を削るような音を立てながら寸断される。
恭介は勇気のあることに、首から下までだけの麻酔を頼んだ。いつも自分が改造されていく姿を見ていたらしい。
特に今日は今までの強化手術と違い、手足とペニスの摘出手術なのだから、目に焼き付けたい。その願いを拒否することは霧子に出来ることではなかった。
足の太ももにのこぎりが引かれ、丸太のような肉厚の脚部が根元から切り落とされた。
それは最後に残った手足の一本だった。強化された少年の巨根以外、切り取るものの無くなった体が、そこにはあった。
ついに恭介は、介護なしには生きていくことのできない達磨姿になったのだ。
「うわ、もう僕は歩けないし、物も掴めないんだ…。僕の手足、もっと見せてよ。」
赤い足と腕がそっと彼の胸に置かれた。温かい胴体の上に置かれたそれは、もうかなり冷たくなっていた。それを見つめる恭介の表情は何ともいえないものだった。
切断面が二人によって縫合されると、霧子にとって恭介は肉の詰まった袋のように見えた。
「う…、すまん霧子くん、私は少し休むとするよ。」
やはり相当無理をしていたのだろうか、高齢期に差し掛かってきた本城博士は疲労を訴え、奥の部屋に引っ込んだ。
「君だけでも去勢手術なら出来るだろう? なんせあんなにクローンで練習したからな。よろしく頼んだよ。」
女性器の移植手術が始められる頃には戻ってくると言い残して、本城博士は眠りだした。
「ごめん…私、何にも出来なくて…。」
霧子は恭介と二人きりの手術室で嗚咽を漏らした。
「霧子お姉ちゃん、僕と今繋がろう。」
恭介ははっきり言い放った。霧子も頷いた。もうこの一瞬しか二人に残された時間はない。
涙を拭いて、霧子は立ちあがると唯一残った恭介の陰茎を握った。
熱い血流がみるみる溜まっていき、萎びていた長根は熱と生気を取り戻した。
「お姉ちゃん、すごく気持ちいい…。なんだか手足を無くしてからすごく気持ちいいんだ。」
もう二度と恭介の手で快楽を与えてやれない彼の陰茎は、霧子の指に絡めとられ別の生き物のように反り返った。今日のうちに霧子が見た数々の男根の中でも、恭介のペニスは断トツの一位だった。
その硬さ、長さ、太さ、幹を走る血管の数、雁首の段差の深さ、亀頭の広がり方、玉の大きさ、弾力、全体のバランス…一流の人体改造職人の手で造形された最高の芸術品は、今宵限りで役目を終える。
だがその前に、このオベリスクには霧子の処女という栄冠が与えられるのだ。
「ああーーーっ! はいるぅっ! 恭介のが、すっごいのが入るっーーー!!!」
手術台に上がり、ふくよかな胸と揉みきれなさそうな尻を盛んに振って、霧子は初めての貫通に狂喜した。
最大級に勃起した恭介の巨大ペニスにのっかり、霧子が身体を落としていくと、処女膜は風船のように破裂し、ドリルのような切っ先が彼女の膣を抉った。
初夜の鮮血がぼたぼたと落ちて、恭介の割れた腹筋の溝を辿っていく。
「霧子お姉ちゃんっ! うあぁああああっーー! うあああっーー!」
恭介の悲鳴と共に、彼のいきり立つ雄の肉槍はついに子宮へ到達し、膣内運動によって射精を促される。彼はPC筋に力を込め、最後の最後まで彼女を楽しんだ。
「ああっ、恭介っ! 最高よっ! ずっと、ずっとこうしていられたら…。」
「僕もっ、お姉ちゃんとこうしていたいよ! でももう無理だっ、本当にありがとうね、ぼくもうイくよっ!!!」
子宮の奥に亀頭がこつん、とぶつかったとたんに、彼の陰茎は爆ぜた。一生をかけた恭介の射精が霧子の腹を満たした。
せめて思う存分全部出してしまえるように、霧子は彼がイき終わるまでずっと膣で彼自身を締めつけ、自分も長いオーガズムに達した。
「さあ、これから…あなたの去勢手術を始めるわ…。」
「心残りはないからやってよ、お姉ちゃん。」
メスを握りしめると、意を決して霧子は恭介の腹を切った。
妨げにならないよう、霧子は半勃ちになったペニスの亀頭にひもをくくり、天井から引っ張りあげておく。
硬い筋肉の砦を崩しながら、彼女は一心不乱に愛する人を去勢するため切り刻んでいく。
恭介の内部は美しかった。血管を一本切るのでもためらいがあった。
海綿体は果てなく伸び、肉体の深海に埋もれていた。サトイモを掘る感覚にも似た一連の作業は長い時を要した。
「僕のちんちん、改めて見るとやっぱりすごいや。龍みたい。」
股間の穴を眺めながら、恭介は味気のない感想を言った。
着々と丁寧に、組織と切り離されていった男根は、霧子の最後の一刀のもとに、恭介から抜き取られた。ぶらぶらと紐につるされ巨根が揺れる。
「はは、ははは…。 無くなった。僕のおちんちん、無くなっちゃった。」
霧子は膨らんだ腹をさすった。熱い精子をくれた愛おしい男性器を、私が切り取ったのだ。
事実が鮮明に認識されるにつれて、彼女は処女を散らしたばかりの膣から愛液を床に噴射させた。
本城博士が復帰し、すみやかに腹部の空いたスペースへと、卵巣のない女性器が移植された。
男性ホルモンを欠如させないように、恭介は人工睾丸を本物の代わりに体内へ埋め込まれた。通常よりもホルモン分泌能力が高い優れた生体部品だが、種子となるものは一切つくれない娯楽用の代物だ。
彼はその肉体美を維持するためだけに、おぞましい人造睾丸を与えられ、本物の睾丸を失った。
改造手術が終わると、早速依頼主は我が子の変容ぶりを確かめにやってきた。
「ほおお、す、素晴らしい、想像したとおりの出来具合だ…。」
四肢を奪われ、自由の利かなくなった肉体は、それでも逞しく筋肉の盛り上がりを見せつけている。
長年父親によって増大させられてきた男性器は跡形もなく消え、かわりに男を受け入れる部位が備えられている。
依頼主の望んだとおり、恭介は完全な肉便器になった。
依頼主がベルトを解き、ズボンを脱いだ。霧子は慌てて止めようとする。
「な、なにをなさるおつもりですか!?」
霧子を一睨みすると、父親はいきりたつ一物を、息子の出来たてほやほやな女性器の入口に無理やり突き込んだ。
「あああぁああーーーっ!! パパ、すごおおいいいおっーー!」
「淫乱穴が二つも出来やがった! こんなマッチョな男の身体に女の性器なんてつけやがって、お前は最高のホモ野郎だよっ!!!」
手足の切株をバタバタさせながら、腰を持ち上げられ、父親にオナホールのようにして貫かれることに、恭介は喜んでいた。
霧子には信じられなかった。あの時、恭介の去勢が終わった時、彼女の知っている恭介はどこかへいってしまったのだ。彼自身の象徴と共に。
その後、霧子は経験を積んだ後一人立ちし、自分の改造工房を持った。
しかし彼女は男性改造専門の医師になって、女性を対象にした依頼は一度もとらなかったという。
あの晩、霧子は恭介の子供を身ごもった。
誰にも知られることなく出産した彼女は、生まれた男の子を自分好みに改造することに決めていた。
「オカア、サァン…。ダイスキ…。」
「はーい、お注射を打ちますよ、我慢してねー。」
7歳になった男の子の身体は、あの時の恭介と同じような筋肉に覆われている。
そして今彼女が根元に打った増強剤によって、男の子のペニスは恭介の巨大なものをさらに超えた。
仰向けに手術台へ寝転がる男の子の身体には、胸に亀頭をもたれかける馬鹿でかい奇形のペニスが横たわっていた。
いつかは恭介に施したように、この子が見ている目の前でこの大きく育ったものを去勢してあげたい。それが彼女の歪な、愛とも呼べる最高の願望だった。
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投稿:2010.11.19更新:2010.11.19
改造工房 霧子のいちばん長い一日(3)
著者 モブ 様 / アクセス 16343 / ♥ 6