民間による性的なサービスが全て違法になり、キャバクラやその他風俗全ては国営施設のみとなった。
ホストやホステス、その他風俗関係の人間は全て国家公務員となり、より健全なサービスが行えるようになっていた。
ただし、そのような職に自分から就こうと思う者はいなかった。
何故ならば、この職に就くためには幾つかの条件があるからだ。
顔立ちや体格、そして性病の有無。
そして何より、生殖能力の有無。
僕のお父さんは、社長さんでした。
でも、倒産して借金ができちゃったらしいです。
いつも夜になると、ドンドンと玄関の扉を叩きます。
そのたびにお母さんは泣いて、お父さんは「ごめん、ごめん」と謝ります。
そんな日々が過ぎ、僕は小学校の卒業式の日を迎えました。
でも、僕はその日、お父さんとお母さん、そして妹と一緒に車である場所に向かいました。
僕のこれから通う中学校に行くのです。
その中学校は全寮制で、国立です。
寮のお金も国が払ってくれるそうで、高校、大学までエスカレーター式、授業料もいらないし、下着や制服も全て国が支給してくれるそうです。
貧乏な家の僕が高校や大学への進学出来ず、それどころか中学校の制服すらまともに買えないのは十分に理解しています。
お父さんとお母さんからこの話しを聞いた時、僕は直ぐにその中学校に行くことを決めました。
入学試験も面接だけで、みんなより勉強ができない僕も入学できました。
他の中学校とは違い、入寮日が4月からではなく、卒業式と重なってしまいました。
「お兄ちゃん、もう会えなくなっちゃうの?」
「大丈夫だよ、夏休みにはまた会えるからね」
僕はこの時、まだ知りませんでした。
もう僕は、兄として、この妹とは二度と会えなくなってしまうことに......。
始めてこの学校を見た時に感じたのは、まるでテレビで見たお嬢様学校だな、ということでした。
お上品で清楚なお嬢様、学校の敷地内も、とても綺麗で、まるでアニメの世界でした。
でも、気になったこともありました。
そんなお姉さんたちの中には、誰一人として男子生徒がいなかったのです。
「新入生はこちらに、ご父兄の方々はあちらの方へ......」
先生は男性も女性もいましたが、新入生として一緒に並んだ生徒は、全員が男の子でした。
「それでは新入生の皆さん、一人づつこの中に入ってください」
カーテンで閉じられた部屋が何個もあり、一人づつ、順番に入っていきました。
そして、僕の番が回って来ました。
カーテンの中に入ると、そこはまるで病院の中みたいに白い部屋でした。
「新入生の......さんだね、そこのカゴに着ているもの全部脱いでそこに入れてね」
「全部ですか?」
「そう、全部だ、ちゃんとパンツも脱いでね。これから大切なことをしなくちゃいけないからね」
僕は言われるがまま、服を全て脱ぎます。
「じゃあそこの椅子に座ってね、始めるから」
僕はその椅子に座ると、このお医者さんは、僕の足と手をベルトで動かなくしてしまいました。
そして先生は、何かを僕に注射しました。
怖かったですが、全然痛みはなかったです。
「じゃあ......さん、これから君のおちんちんとタマタマを切っちゃうからね」
その言葉を聞いた途端、僕は怖くなり身体を無理やり動かそうとします。
しかし、身体はいうことをきかず、全く動きません。
それどころか、言葉すら出ません。
「今打った麻酔が効いてきたみたいだね、大丈夫、全然痛くないからね。 いきなりこんなことを言われてもびっくりするかもしれないけど、大丈夫だから。ちょっと女の子みたいになるだけだから、安心して」
嫌だ、僕は女の子になんかなりたくない。
心ではそう思っても、身体は全くいうことをききません。
「はい、じゃあ切るね」
メスで、僕のおちんちんが先に切り取られた。
血が出る。
そしてタマタマが入った袋。
もはや何がなんだかわからない肉片でしかなかった。
そこで完全に麻酔が回り、僕の意識が消えたのだった。
次に目を覚ましたのは、やはり病院のような場所の、ベットの上であった。
服すら着ていなく、シーツ一枚がかけられただけ。
他の子も同じのようだ。
左手には点滴の管がある。
あれは夢だったのか?
僕はそう思い、おちんちんを触ろうと思い、手を伸ばした。
無い。
シーツをどけて、自分の目で見ようとする。
そこにあったのは、綺麗な割れ目であった。
オマンコだ。
僕でもそれぐらいは知ってる。
僕のあそこは、女の子のソレになってしまったのだ。
それどころか、胸も若干膨らんでいるのがわかる。
わけのわからない感情が押し寄せてくる。
喪失感?虚無感?怒り?悲しみ?
そのどれでもない、わからない感情が押し寄せてくるのだ。
続々と、他の子たちも起き出してきた。
泣く子もいれば、まるで初めから全て知っていたかのような子もいた。
「皆さん、起きましたね」
先生と看護師さんたちが来て、僕たちの点滴の管を外し始めた。
「さあみなさん、今日は4月1日、入学式ですよ。みなさんその制服を着て講堂に集合ですよ」
横にあるサイドテーブルに、制服らしきものと、下着がある。
女の子が着るようなあの下着だ。
僕たちの男が着ていた、あの前に穴があるようなものではない。
ブラジャーもある。
制服はスカートだ。
あのお姉さんたちが着ていた制服だ。
「そっか、もう僕」
女の子にされちゃったんだ......。
その後、僕たちは入学式に向かうこととなる。
お父さんやお母さん、それに妹に女の子になった僕を初めて見せる時だ。
お父さんは、お母さんは全て知っていたのだろう。
妹は、兄から姉になってしまった僕を見てどう思うのだろうか?
「これより、入学式を始めます」
僕は一体、これからどうなってしまうのだろうか?
「去勢学園」
そう揶揄されるこのような学園が出来たのには理由がある。
第一に、国の法律で決められたルールにより、ホストはもちろんのこと、ホステスや娼婦になれるのは生殖能力を失った「男性」のみであるというところにある。
しかし、職につける年齢の男性をホステスや娼婦とさせるには費用以上に技術的問題がある。
どこまで精巧な「女性」を作り上げたところで、結局は作り物でしかないのだ。
そこで政府が作り出したのが、この去勢学園であったのだ。
中学校入学と同じタイミングで去勢させ、清楚で可憐な「女の子」を作り上げるのだ。
中学校3年間で、娼婦としての知識と技術、そしてあくまでも清楚で可憐な女の子を作り上げる。
高校3年間では、実際に客との接待を始めさせる。
妊娠の心配など皆無のため、客は皆、問答無用で中出しを行う。
大学の四年間を通う生徒は、娼婦となる道の他に可能性がある者だけだが、大半の「女の子」たちは娼婦などの道に進むことになる。
ちなみにだが、娼婦となった女の子たちは、稼いだお金を手にすることは一切ない。
在学中を含め、稼いだお金は親と政府に全て奪われる。
去勢学園を卒業したのち、娼婦として国家公務員となった女の子は、国に飼い殺される運命なのだ
。
彼女らは、いわば性奴隷。
飼い主は、国。
そして、そんな性奴隷として第一歩を歩み出した......の未来もまた、悲惨なものであろう。
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投稿:2013.01.19
変化〜去勢学園〜
著者 ルミナス 様 / アクセス 15590 / ♥ 2