東北地方の某都市で開催される、神社の夏祭りには目玉企画がある。「福男チャレンジ」と呼ばれるガラポンくじだ。
本年度夏祭での福男への景品は、1等ローレックス、2等はギフト券10万円分、3等はN天堂製のゲーム機であり、副賞として巫女とのワンナイトがある。
一方で、福男に落選した4等以下の男には神事が課される規則となっている。
無論、参加者の大半の目当ては後者の副賞である。巫女へ支給されるアルバイト代は祭り2日と事前研修で最低100万円と高額。時給換算で5万円であり、有名になる事もできる為、例年数多の応募がある。厳しい選考に合格することは、未婚美女たちの憧れとなっており、本年も18歳以上という条件のもと、100人を超える応募が寄せられた。
福男チャレンジへの参加資格は18歳以上の未婚男性で、受付は祭典当日の17:00まで、5人の巫女によって選ばれた10人が参加できる仕組みだ。その為、男性側も美男子が選ばれる傾向にあり、見物客を楽しませている。
(祭典当日)
彼女とともに夏祭りに訪れていた、大学3年生のカイトは、境内で「福男チャレンジ」と書かれた、5人の巫女が掲載されたポスターを見かけ、巫女の美しさと副賞に惹かれた。彼女のミユが化粧直しへ離れた隙に、そそくさと福男チャレンジへ申し込んだのである。カイトは身長176cm 細マッチョな塩顔イケメンと、アルバイト巫女からのウケは良さそうである。カイトは申込用紙に必要事項を記入した。A4の申込用紙には、細かく様々な規約が書かれていたが、参加費は無料ということもあり、ミユに内緒で申し込んでいるカイトは注意事項などを読むことなく、エントリーしたのであった。
日が暮れ始めた頃、花火の打上げとともに福男チャレンジへ参加者の発表が行われた。19時くらいであろうか、司会の男性が巫女5人を連れ、ステージ上で話しはじめた。本年は289人の男性が参加希望です。5人の巫女が其々2人ずつ選んだ結果を発表します!
太鼓が鳴り響き、左の巫女から順に、エントリーナンバーを読み上げる。カイトは75だ。243、83、112、187、6、54と呼ばれ、4人目の巫女で、1と75 が指名された。その後、63と230、そして補欠として120と42が呼ばれた。司会者のかけ声で呼ばれた希望者が壇上へ集まり始めた。福男の候補は、補欠も含め全員12人いるようだ。
二十歳前後の巫女が選ぶ男性は20歳前後から30代までが多いようだ。10名の候補が全員が登壇した為、補欠の2名はステージ横で見守る中、本年のルール等が発表された。
福男1名(福男には巫女とのワンナイトが副賞としてある)
準福男2名(準福男にも巫女とのワンナイトが副賞としてある)
坊主隊4名(坊主になり本祭を準備する役)
奉納2名(本祭で供える玉を取られる。玉をとる前に巫女とのワンナイトがある)
供物1名(本祭で神様に竿、玉を献げる者)である。
主催者より男たちに、参加の意向が再確認される。10人全員が辞退しなかった為、補欠の2名はボランティア (有償で坊主隊) となり、ステージ横で坊主にされた。
説明の後、男達には神主より、一から十と書かれた木札が渡された。木札は2枚で1組となっており、一方の木箱に入っている木札を巫女が取る。
罰ゲーム(神事)を詳しく知らないカイトは不安気な様子だ。カイトの木札には「三」と書かれていた。
(神事開始)
神主より福男決め開会の宣言があり、巫女が順番に木札を取ってゆく。
1 巫女 レイナ 22歳→最初の木札は「四」だ。四の男、カンタ25歳が神棚の前から最初にクジを引く。坊主隊だ。四の木札を引いた巫女、レイナによって坊主にされた。
2 巫女 ミドリ 20歳→次は、八の男、シュンヤ22歳だ。準準福男!ガッツポーズだ。巫女ミドリとシュンヤは「ペア」となる。
3 巫女 サユリ 19歳 (最年少)→サユリは一の木札を、タケル32歳が坊主隊となる。
4 巫女 モエ 25歳→モエは、六の木札を引いた。六の男サトシ 20歳は供物を引き当ててしまい、その場に崩れ落ちた。サトシは補欠で待機していた坊主隊により、ステージ脇にある特別席(檻)に入れられた。一方の、巫女 モエは大喜びだ。供物を引き当てた男を選んだ、巫女には賞金として追加で900万円、合計1000万円の報酬が払われる。
5 巫女 サヤカ 23 歳→十の木札、リョウヤ23歳だ。リョウヤは福男を当てた。福男は巫女の中から、好きな巫女を選ぶ権利がある。希望は、身長が低く童顔でかわいらしい巫女 ミドリ 20歳であったが、既に準準福男シュンヤのペアの為、選択することは可能であるが、共有することは避けたく、巫女 レイナ 22歳を指名した。巫女レイナは、ミドリ と対照的で身長が160cm程度の姉系ギャル風である。
現在、巫女の木札巡り順、1周目が終了した。現在残る巫女は、
3 巫女 サユリ 19歳
5 巫女 サヤカ 23 歳
の2名である。
1 巫女 レイナ 22歳は、福男 リョウヤ23歳が指名した為、専属の巫女となっている。
2 巫女 ミドリ 20歳は、準準福男 シュンヤ22歳の副賞ペア。
4 巫女 モエ 25歳は、供物である サトシ20歳を当て、賞金王となった。
大学生のカイト21歳は、まだ呼ばれていない。カイトの彼女ミユも不安そうだ。現在残る、男性側のくじは、
準福1人
坊主隊2人
奉納2人 である。
最悪の供物のリスクはないが、玉を失う確率が40%で、巫女を抱ける確率が1/5なので、1週目より悪い気もする。残る巫女も2人だ。
(後編へ続く)
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投稿:2020.06.14更新:2021.11.15
夏祭りの福男くじ 前編
著者 センチュリーミニオン 様 / アクセス 6988 / ♥ 2