次世代多機能トイレの闇 (11)
第十一章:インフルエンサーの体験レビュー動画
ベアーズクランプLivePROの一般公開を翌日に控え、ベアーズクランプカンパニーは最後のプロモーションに全力を注いでいました。その目玉となったのが、大手動画プラットフォームで絶大な人気を誇るインフルエンサー「ちんちんマスターKEN」による体験レビュー動画です。KENは、そのコミカルで過激なレビュー内容で知られ、特に男性向け美容機器やヘルスケア商品の紹介動画では数百万回再生を誇るカリスマ的存在でした。今回の依頼にあたり、ベアーズクランプカンパニーは、彼が普段は行わないような細部にわたる「体験」を依頼し、その費用として破格の金額を提示したと言われています。
動画の冒頭、KENはいつものようにハイテンションで登場しました。彼はトレードマークのきらびやかな衣装を身につけ、ベアーズクランプカンパニーのマスコット着ぐるみと一緒に、画面いっぱいの笑顔で叫びます。
「みんなー!ちんちんマスターKENだよ!今日は、みんなが待ちに待ったアレ!そう、ベアーズクランプLivePROを、このちんちんマスターKENが最速で体験レビューしちゃうぞぉぉぉ!」
背景には、ポップな装飾が施された、まるで遊園地のアトラクションのようなベアーズクランプLivePROが映し出されています。画面には「提供:ベアーズクランプカンパニー」のテロップが、カラフルなアニメーションと共に大きく表示されていました。
「いやー、これ、正直最初はビビった!だって、おちんちんの皮を切るんだぜ、まったく!でも、手術って聞くと硬いイメージだけど、見てよこの可愛いクマちゃん!ちょっと待って、これ本当に医療機器だよね?このギャップがたまんないね!まるで秘密基地に潜入するみたいで、ワクワクが止まらないぜ!」
ここで、ベアーズクランプカンパニーのマスコット着ぐるみは、KENに可愛らしいクマの形をしたクランプを手渡し、装置へと案内します。KENはそれを受け取り、笑顔で装置に跨りました。
KENは、パッケージに入っていたペロペロキャンディを口に咥え、少し恥ずかしがりながらも装置に跨ります。その姿は、まるで大きなおまるに座る子供のようにも見えました。もちろん、下半身はクマのロゴが入った装置でしっかり覆われていましたが、カメラは絶妙なアングルで、どこか滑稽でありながらも真剣なKENの表情を捉えていました。
「そして、この液晶画面!なんと『ボーナスアイテム!今ならボディペイント無料!』って表示が!KENはサービス精神旺盛だから、もちろん選ぶぜ!デフォルトが睾丸に熊の爪痕って…!攻めてるねぇ!いや、さすがベアーズクランプカンパニー!この遊び心がたまんないね!」
動画は、KENの上半身だけが映されたアングルで撮影され、施術自体は見えない装置の中で進みます。 KENは、その状況を巧みな言葉とオーバーリアクションで伝えていきます。
まず、「皆さん知ってましたか?おちんちんの手術、まさか最初はおしりの穴から始まるんですよ!」とKENは驚いた顔で画面に語りかけます。「へー、知らなかった!これは麻酔だそうです。コレは最初の試練ですね!でも案外痛くないです。」直後、KENは少し顔をしかめ、「うぐぅ…!今、何かが…入ってきた!」と叫びます。
次に、スタッフがKENに渡したクランプを機械にセットしている描写が挟まれます。カメラはクランプが機械の複雑なメカニズムに正確に装着される様子をクローズアップで捉え、KENはその様子を解説します。「見てください、このメカメカしいところ!これが匠の技ってやつですよ!精密に計算された動きで、安全に手術してくれるんです!」
その後、洗浄工程に移ると、KENの顔はみるみるうちに緩んでいきました。「うわー、あったかい!気持ちいい!まるで高級エステに来たみたい!まさに至福の時ってやつ?こんなに優しくしてもらえるなんて、俺、感動しちゃったよ…! でもみなさん、気持ちよくてもおしっこ漏らしたらダメですよ!」
次に、針で糸が出るシーン。KENは少し顔をしかめながら、「えーと、次は切る前に針で糸を通すらしいです。うわー、痛いかも…。…ん?えっ、もう終わり?あっ、確かに何か糸で引っ張られた気がする!」と語りました。彼は少し顔を歪ませながらも、両手の親指を立ててみせました。
そして、いよいよクランプコアが動作し、包皮の切除を行うシーン。KENは、「噂によると、このベアーズクランプ、かなりの包皮を切除するって聞いてたんだよね…正直、どれくらい残るのか、ちょっと怖いんだ」と正直な気持ちを吐露し、その直後、目を閉じて両手を強く握りしめ、顔を真っ赤にしてうめき声を上げました。「ぐおおお…!来た!来た来た来たぁー!これ、本当に今切ってる?! チョキンって音がした気がする!いや、気のせいかな?!でもこの緊張感、たまんねぇぇぇ!」
最後のクランプが装着されたシーンでは、KENは装置から降り、カメラに向かって誇らしげにクランプをアピールしました。可愛らしい熊の絵柄のクランプが、彼の性器をすっぽりと包み込んでいます。彼は満面の笑みで胸を張り、「見てくださいよ、この芸術品!新しい俺の誕生だぁ!」と叫びました。
動画の締めくくりに、KENは真剣な表情で語り始めました。彼の背景には、クランプをつけた性器が印刷されたポストカードが並べられています。
「みんな、正直に言うと、最初はちょっと怖いなって思うかもしれない。でも、このベアーズクランプLivePROは、ただの医療機器じゃない。これは、清潔で健康的、そして何よりも新しい自分に出会える体験なんだ!『ちんちんマスターKEN』がお墨付きを与えたこのベアーズクランプLivePRO、ぜひみんなも体験してみてくれ!きっと新しい扉が開くはずだ!」
さらに、動画の最後にはサプライズが用意されていました。スタッフがベアーズクランプLivePROの側面パネルを開け、中の回収ボックスから、施術によって切除されたばかりの包皮が、コンドームのパッケージのような個別包装で長く繋がった状態で取り出されました。 裏面は銀色のフィルムに可愛らしい熊のプリントが施され、表面は透明なフィルムになっており、大小様々な包皮がはっきりと見えます。 KENは目を丸くしてそれを受け取ると、カメラに近づけて見せます。
「皆さん、コレって切った皮だそうです。めっちゃ沢山あるw ちゃんと僕のもあるかなぁ?」
KENは感嘆の声を上げながら、包装をじっくりと観察し、その切除量の多さに驚きを隠せない様子でした。
「皆さん、見てください!これ、映してもいいやつかな…?」
そこでスタッフの一人が、繋がったパッケージの特定の部分を指差しながら、KENに説明します。KENはスタッフの指を追って、その部分に目を凝らしました。
「皆さんコレ、さっきまでのKENのおちんちんの一部です!結構切られちゃいました。ちょっと触ってみますね。まだ温かいです。そうそうこんな触覚だったw」
そこでKENは、ひらめいたようにカメラに向かって叫びました。
「じゃあ、この切除された包皮を、今見てる皆さんの中から一名様にプレゼントします!」
しかし、その言葉に被せるように、後ろからスタッフの声が聞こえてきました。
「あっ…ダメです…!KENさん!それはダメです!」
KENは慌てて振り向き、スタッフと小声でやり取りを始めます。視聴者には何を話しているのかは分かりませんが、KENの表情がみるみるうちにしょんぼりしていきます。
「ごめんなさい、みんな…。ダメなんだって…。ちゃんと手順に沿って廃棄処分しないとダメだそうです…。バイバイ、俺の皮!」
そう言って、KENは手に持っていた包皮のパッケージの束を、クマのマスコット着ぐるみに渡しました。クマは困ったようにあたふたしながらそれを受け取ります。そして、KENは悲しそうに手を振りながら、切除された包皮に別れを告げるのでした。
動画は公開されるやいなや、瞬く間に再生回数を伸ばし、コメント欄は興奮したユーザーたちのコメントで埋め尽くされました。
「KENさん最高!マジで爆笑したwww 見てるこっちが痛くなったけど、なぜかやってみたい…」
「これ、本当に切れてんの?ヤバすぎる!でもKENさん見てたら大丈夫な気がしてきた」
「意外と清潔感あって、むしろメリットしかない気がしてきた。衛生的だし見た目もいいし」
「明日から導入ってマジ?!速攻で予約する!憧れのちんちんマスターKENとお揃いにしたい!」
「このポストカード、欲しい!KENさんモデルのやつも作ってほしい!」
「最後にアレ見せるの、KENさんらしいわ!潔すぎ!」
「クマの着ぐるみ、困り顔がかわいすぎたw あの皮どうするんだろう?」
「クマに食べさせろってコメントで爆笑した」
「まさかのプレゼント企画!欲しかったなぁ…笑」
「うわ、あんなに切ったらほんとに皮が残ってんじゃん…生々しいけど、妙に納得した」
「あのパッケージ、何気にいろんな人のやつが入ってるのかな?見比べられるの、ちょっと面白いかも」
「自分の皮もああやってパッケージ化されるのか…コレクションしたい気持ちもわかるw」
「一時停止したけど、あの繋がったパッケージ、多分12人分くらいは切ってるってこと?ヤバ…」
「ってか、あのパッケージ、めちゃくちゃ量あるやん!一日でどんだけ処理されてるんだよこの機械」
「切ったら自分の皮ほしいんだけど、なんで返してくれないの?俺の身体の一部じゃん…」
「廃棄処分って聞くと、なんか虚無感がすごい。今まであったものがなくなるって」
「記念に持ち帰りたい人とかいないのかな?需要あると思うんだけど」
「法律とかで決まってるんだろうけど、もう少し柔軟に対応してほしいわ。自分の皮だぞ?」
「これ、他の動物の皮とかは記念品にしてるのに、なんで人間のだけダメなんだ?」
「メルカリとかで売ったら意外と高値つきそう…なんてな笑」
「俺もその日切ったんだけど、俺のはどのパッケージに入ってるんだろう…」
「ベアーズクランプ、皮の有効活用とか研究してないのかな?美容液とかになんない?」
「コンドーム(スキン)とスキン(皮)って、一緒といえば一緒だよなw パッケージのデザイン、完全に狙ってるだろこれ」
「あのパッケージ、ちょっとシュールすぎて逆に欲しいレベル。限定グッズで売ってくれないかな?」
「なんか、切られた皮もこうやって見ると、生物の神秘を感じるわ…って、何言ってんだ俺w」
「あのパッケージ、まさか全員の繋がってるわけじゃないよな…?もしそうだったら狂気しか感じない」
「透明な部分から中身が見えるのが妙にリアルでゾワっとするけど、見ちゃうんだよな」
ベアーズクランプカンパニーのマーケティング戦略は、このインフルエンサーの起用により、予想をはるかに上回る大成功を収めたようでした。