好奇心旺盛な彼女
雨の音で目が覚めた。
雄太は、ぼんやりした頭のまま天井を見る。
身体が妙に重かった。
いや。
違う。
下半身の感覚がおかしい。
雄太はゆっくり布団をめくる。
腹の下。
そこにあるはずの重みがなかった。
「……え?」
思考が止まる。
急いで手をやる。
何もない。
おちんちんも。
金玉も。
全部。
平らだった。
傷跡だけが、薄く残っている。
「っ……!?」
雄太はパニックでベッドから転げ落ちた。
呼吸が荒くなる。
夢じゃない。
何度触っても、何もない。
その時。
寝室のドアが静かに開いた。
入ってきたのは恋人の美月だった。
「あ、起きたんだ」
まるで普通の朝みたいな声だった。
雄太は震えながら叫ぶ。
「な、なにこれ……!」
美月は少し困った顔をした。
「やっぱり最初はびっくりするよね」
「びっくりとかじゃ……!」
雄太は息を荒げながら股間を押さえる。
「俺の……っ」
言葉が続かない。
美月はベッドの端へ腰掛ける。
美月「今まで黙ってたんだけどさ、ずっと興味あったんだよね」
雄太「……は?」
美月「人生で一度でいいから男の人のおちんちん切ってみたかったの」
雄太は意味が分からなかった。
美月は静かに続ける。
美月「私、おちんちんは大好きだけど、好きすぎてどんなふうにできてるのかみてみたかったんだよね。」
美月「だから雄太のおちんちんで実験してみたくて切っちゃった」
美月「けど、雄太が悪いんだよ?そんなおちんちんを見せつけるようにまた開いて寝てるんだもん」
雄太の背筋が冷える。
美月は満面の笑みだった。
美月「でさ、雄太のおちんちん切って解剖してみた後、この前雄太がソファの角に金玉ぶつけた時に痛がってたの思い出したの」
美月「それでそんな痛い思いさせるのは可哀想だからついでに金玉も取ってあげたのよ」
数日前、ソファの角へ股間をぶつけて悶絶したことがあった。
その時、美月は青い顔でずっと心配していた。
美月「見てて可哀想だなって思ったの」
美月「まぁ私にはそんなのついてないからわからないんだけどね」
美月は小さく笑う。
美月「だから、安心して生活できる身体にしてあげたの」
雄太の頭が真っ白になる。
「……戻せるよな?」
美月は少し黙った。
それから、ゆっくり首を横へ振る。
「切った後がぐちゃぐちゃだったから知り合いの病院の先生を呼んで綺麗にしてもらったの。もう傷も綺麗だって先生言ってたよ」
雄太の呼吸が止まる。
美月は優しく雄太の腹へ触れた。
「大丈夫」
「なくても、生きていけるから」
「私も元からないし」
その声は、本当に慰めるみたいだった。
だからこそ、雄太は何も言えなかった。
美月「安心して!雄太のおちんちん切っちゃう前に型取りしてディルド作っといたから!これからはこのディルドが私を気持ち良くしてくれるの♡」
美月「しかもね、みてみて!このディルドね、中にローターが入ってるから挿入中に震えるんだよ?とっても良くない?」
美月はとても満足そうに雄太のおちんちんで作ったディルドを見せびらかしていた。
雄太「…は? ごめん、意味が理解できない…おれのちんこと金玉はどこに行ったんだよ…」
美月「あぁ、雄太のおちんちんと金玉? 解剖した後床に置いてたら犬が食べちゃった…
ごめんね♡」
美月「ちゃんとおしっこはできるように整形してもらってるから、大丈夫だよ。」
雄太が股は手をやると何もない真っ平な股間の中央部分に小さい尿道のような穴がぷっつりと空いているだけだった…
窓の外では、雨の音だけが静かに続いていた。
翌日美月とは連絡が取れなくなり自宅に行くと引っ越した後だった。
雄太は性器も彼女も失い、残ったのは男でも女でもないまだ平な股間と絶望だけだった。