奴隷生産国ニッポン [Ash]
<序章>
世界的な貧困、エネルギー不足を背景に勃発した第三次世界大戦によって、多くの国名が地図から消えた世界の中、日本は自ら合衆国に降り、従属国という名の植民地として生き残った。彼らの支配体制は絶対で、敗戦国の人間は人の形をしたモノ、もしくは動物と同様の扱いを受けていた。日本の扱いも植民地のそれとほぼ変わらないものだったが、従属国として、世界的にも重要なある産業が任されていた。ごく一部の政治・経済の中枢による国内の支配階級の手によって支えられたその産業とは、無益な低階級の人間を日本国内、および世界各国から輸入し、完全に従順な労働力を各国に輩出すること……そう、2048年現在、日本の主要産業は“奴隷”の生産なのだ。
奴隷生産国ニッポン、その背景には、世界大戦集結から20年が経過した今でも、人類を悩ませるはある深刻な問題がからんでいる。“少”女児化である。某国のバイオ兵器が原因ともいわれるこの現象により、出生児の男女比は実に10:1まで格差が開いていた。階級の絶対化という合衆国の政策を反映して、この現象が大量の男子を奴隷階級に陥れていたのだ。奴隷を免れるのは特権階級の血統を持つ男女か軍人、国力を高めるために多数の子供を生み出すことが義務付けられた者の3種類。女子は子を産むために奴隷となることは稀だったが、男子は1人いれば、200人の女子と交配できるため、じつに2000人の中から1名がいれば十分だった。つまり一般男子が奴隷になることを回避するには、厳しい審査によって血統、成績、身体能力などで優性と判断されて、0.05%という絶望的な数の交配用の階級にたどりつくか、これまた1%にも満たない軍人になるかしかないのだ。それ以外は日本に輸入される各国の奴隷候補たちとともに、2~6年間かけて従順な奴隷となるために飼育される運命が待っている。
奴隷となる少年たちは、適正を見定められて、それぞれの業種に対応した専門的な調教が施された。このとき、すべての奴隷に共通して行うべき処置が2つある。ひとつは当然、反逆の意思を奪う類の調教だ。そしてもうひとつが去勢である。もちろん、そこには気性を和らげ、従順な性格にするためという意味もあるのだが、劣性と判断された奴隷たちにとって、2つの金玉につまったDNA情報は不要、いや、あってはならないものであるというのが大きな理由だ。また、男子奴隷には下半身の着衣が禁止されており、去勢の痕によって容易に奴隷と認識できた。去勢は適正試験後、時期を見計らって施されるのだが、その施術にはいろいろな方法が存在する。
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飼育期間を終えて奉仕する奴隷たち
彼らは極寒地以外では下半身の着衣が禁止されており、多くの場合は奉仕活動に必要な衣類しか与えられない。常に性器を奪われた傷跡をさらすことになるのだ。
(((img20050710155020.png)))1 惜しくも試験で優性と認められなかったフランスの少年、その成績は決して低くはなく、彼は奴隷の中ではランクの高い高官の使用するレストランの給仕となれました。未来を映さないうつろな瞳は、去勢奴隷によくある症状のようです。
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2 こちらは運輸業に従事する奴隷です。奴隷となっても悲惨な末路が待っている……というわけではなく、単に労働力として扱われるのが普通です。もっとも、調教期間中は恐ろしい目に遭うわけですし、労働に見合った賃金が支払われるわけでもなく、最低限の食料と共同の寝場所が与えらるだけです。休養なども基本的になく、基本的人権が与えられていない存在、という程度です。もっとも、人権がないということは、扱う人間によってはどんなに酷い目に遭うことだってあるわけで、主人を怒らせれば殺されたっておかしくないわけで……。江戸時代の丁稚奉公みたいなものでしょうか?
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(((img20050710155043.png)))3 奴隷たちは、調教中に必ず去勢されます。それは少年たちにとって、奴隷の烙印を押されたことを実感する瞬間なのかもしれません。少年は去勢されてから2日が経過しました。同じ目に遭った鎖でつながれた仲間たちのすすり泣く声を聞きながら、いまだ耐え難い傷口の痛みに苛まれ、男性器喪失のショックにうちひしがれたままです。奴隷たちの去勢には、数とコストの問題もありますが、それらを経験することで奴隷としての自覚を持たせる理由から、かなり乱暴に行われます。切除する前に睾丸は潰され、陰茎もひと思いに切り落とされることのほうが少ないようです。その後の切除、縫合もごらんのとおりぞんざいですが、強力な消毒液を利用しているため化膿することはほとんどありません。少年たちは、自らの股間につい器官の、本当の使い道を体験することはありませんでしたが、本能でそれがいかに大事なものかを知っているのでしょう。少年はその施術方法におびえ、抵抗してしまったためにいくらかの暴行を受けたようですが、それどころではないようです。心と体の傷が癒えるまでには長い期間が必要ですが、歩けるようになるまで回復したら、再び調教の日々が始まります。教官たちは、躾のために絶好の弱点である傷口を完治させるつもりはないのですから。
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投稿:2004.01.08更新:2005.07.10
奴隷生産国ニッポン
挿絵あり 著者 Ash 様 / アクセス 8174 / ♥ 9