前話にもどる
地上の神殿でも、巫女達は異変を察知していました。
神殿に置かれた戦士達の聖剣が、突然いっせいに勃起し、
その先端からボロボロと快楽の雫を流し始めたのです。
「おお大聖神様、彼らは今サキュバスの魔力にさらされているに違いありません。」
壁に飾られた何十本という男性器がそろって立ち上がり打ち震える様子は、巫女達をも恐れさせました。
「大僧正様、私達に彼らのためにできることは無いのでしょうか?」
彼女は涙ぐむ巫女の肩に手を回して言いました。
「祈るのです。悪しき魔物の術を打ち払うほどの祈りを、大聖神様に捧げるのです。」
ポールの名の刻まれたプレートの前に立つ若き巫女もまた、
彼の男根が涙を流す様子に心を痛めていました。
「がんばって、私の勇者様! ここに帰ってきて、約束を守って!」
巫女は膨れ上がって熱を放つ聖剣を手に取り、聖なる祈りを呟きながら、
その先端に口付けを落としました。
その瞬間、ポールの全身を雷のような快感が貫きました。
それは尻の穴から強制的に押し入れられるような薄汚れた性感ではなく、
どこか懐かしいような、純粋で清らかな衝撃でした。
巫女はポールの性器を捧げ持ち、舌先で聖なる紋章を張り詰めた肉棒に刻んでいきます。
そして、彼女がその刀身を口の中へ飲み込んだとき、
ポールは急に視界が開け、男としての本能が蘇るのを感じました。
突き刺す者、抱く者としての真なる男の快楽を。
大僧正様がそれを見て叫びます。
「さあ、彼女に続きましょう! 戦士達の為に祈るのです!」
巫女達は先を争うように、そそりたつ戦士達の男の証を手に取り、熱烈な祈りを捧げました。
「いったい何事?」
様子がおかしいことに気がついたサキュバス達でしたが、いったい何が起こっているのかはわかりません。
「変だわ、術が解けかかってる。」
ポールは全身が熱く燃え上がるのを感じました。
遠く離れたどこかで、誰かが自分のために祈りを捧げていることを彼は感じ取りました。
彼女だ…! ポールには確信が持てました。
「うおおおおっ!」
ポールの全身から、白くまばゆい聖なる光が溢れました。
ちょうどその時、若き巫女はその僧衣をたくし上げ、
清らかな秘所に彼の男性自身を迎え入れたのです。
汚れを知らない巫女の肉体は、その身を貫く聖なる剣を、あふれる波動で包み込みます。
そして剣先から放たれた白く輝く聖液が巫女の子宮に更なるパワーを与え、
増幅された聖なるオーラは若き戦士の身体をも、恍惚の閃光を放つまでに強化したのです。
ほとばしる聖なる力に、彼を捉えていたピンクの触手は、
あっという間に焼き滅ぼされ、崩れ去っていきました。
そして、同じように彼の仲間達も、次々と輝く光に包まれて解放されていきます。
「下等動物の癖に生意気な!」
二体のサキュバスは戦士達に飛び掛りました。
とがった尻尾を打ち振るい、戦士達の背中に爪を立てますが、
今まさに淑女達の体内の律動をその身に受けている男達にとっては、何ほどのこともありません。
「くらえっ!」
魔物は引き締まった脚で、男の股間に激しい蹴りを食らわせました。
彼は一瞬ひるみましたが、その程度の痛みでは、鍛えられた戦士にダメージは与えられません。
「このタマなしめぇぇぇ!」
鋼の剣に引き裂かれる瞬間、魔物は凄まじい呪詛の叫びを残していきました。
戦士達は襲い掛かる魔物達を阿吽の呼吸で打ち倒し、
残る女王を取り囲んだのでした。
「魔物め! 覚悟しろ!」
女王はこの期に及んでも優雅な仕草を変えませんでした。
溜息をつきながら、長い脚を組み替え、
その影にひそんだ美しい割れ目に、男達の視線を集めさせるのです。
思わず男達は唾を飲みました。
「やれやれ、私の手を煩わせるとは…」
女王は素早く片手を振り払いました。
同時に、一番近くにいた戦士の右の乳首が、突然弾けとんだのです。
一瞬のことに本人すら何が起こったのかわからずにいた戦士は、
胸の傷から痺れるような痛みと共に血が噴き出したのを見て、ようやく叫び声をあげました。
「うわあああっ!」
女王はその手に持ったイバラの鞭で、男の乳首だけを狙ってちぎり取ったのです。
並みの腕前で出来る事ではありません。
戦士達の背中を冷や汗が伝います。
「思い上がりもはなはだしい。」
再び女王は鞭を振るい、乳首の跡を押さえる男の脚を捉えて、自分の足元まで引きずり寄せました。
そして、股間に切り株のようになって露出されている尿道口に、ハイヒールの踵をめりこませたのです。
「アッ! アアーッ!」
悲痛な悲鳴が上がりました。
女王は追い討ちをかけるかのように下腹をグリグリと踏みにじります。
もちろん、踵は尿道に刺さったままでしたから、小さな穴は裂けて出血しました。
「こうなって見れば男などみな可愛いものよ。
マラがあろうとなかろうと。タマがあろうとなかろうと…」
女王は縦横無尽に鞭を振るいました。
しかし、それらは肉を削るほどの威力を持っていながら、
男の肌にミミズ腫れのような跡を残すだけにとどまりました。
恐るべきは女王の力のコントロールです。
休みなく全身の肌に与えられる痛みは、やがていつしか、耐え難い快楽となって戦士を襲いました。
「ヒィッ! ヒィァァァーッ!」
泣き叫ぶ仲間を前に、戦士たちは何もすることができません。
今や全身に火がついたかのようにもだえる戦士の肉体は、その分身にも影響を与えました。
あまりの快感に痙攣を起こした性器は、
祈りを捧げる巫女の肉体にまで呪われた快楽を伝えてしまったのです。
「アアアーッ!」
鋭い叫びを上げた巫女は、その白い太ももの間で小刻みに震える肉の棒との隙間から、
大量の愛液と聖液をしたたらせながら、もだえ苦しみました。
遠く離れた地下と地上で、一組の男女が荒れ狂う禁断の快楽の荒波に揺さぶられるのでした。
「いけない!」
大僧正様が白目を剥いて倒れこむ巫女の体を支えると同時に、
地下では一人の戦士が泡を吹いて失神しました。
その股間に失禁した尿が広がっていきます。
このままでは巫女の命も危ないと判断した大僧正様は、
彼女の秘唇から今だ小刻みに振動を続ける男根を引き抜きました。
すると、聖なる肉体の加護から離れた瞬間、
強大な呪いの魔力に耐え切れなかったペニスは、粉々に破裂してしまったのです。
「きゃあっ!」
神殿内に肉片が飛び散り、ピンク色の汚れと、血と精液の匂いを残します。
大僧正様は、きっと唇をかみ締めました。
「サキュバス… これほどまでに強力だなんて…!」
女王の放つ魔力は、さきほどのサキュバスたちとは桁が違いました。
床や壁そのものが、肉色に輝く淫猥な怪物となって、戦士達に襲い掛かります。
仲間の一人が足を取られ、下半身全体を肉の壁に飲み込まれてしまいました。
「アアーッ! アアーッ! アアアーッ!」
肉の中で何が起こっているかは、仲間達には見えませんが、
涙と唾液と鼻水を垂れ流しにして、悲しい叫びを上げる戦士は、
きっと想像を絶する苦悶の快楽を受けているに違いありません。
見る見るうちに彼は干からびていきました。
地上で彼の聖剣に祈りを捧げていた巫女も、
自らの股間に捧げていた男根が萎れて干物のようになってしまったのを見て、
悲しみの涙を流しました。
「ああ! どうして!」
ポールも再び、足を壁に囚われてしまっていました。
彼の肛門をえぐる触手は、先ほどとは比べ物にならない激しいピストンで、
二度と女を抱けなくなるのではないかと思うほどの衝撃を、彼の脳髄に叩き込んでいました。
涙に歪む視界のすぐそばに、精を絞られ続ける干からびた英雄ロッドの姿が再び映りました。
十年以上奪い続けた英雄の力で、女王は際限なく強くなっているのです。
ふと、気を抜けば遠くなりそうなポールの意識の片隅に、ある考えが浮かびました。
足元を見れば、着ていた服は破廉恥に切り裂かれているけれども、履いているブーツは原形をとどめています。
ポールはブーツの中に手を伸ばしました。
聖なる銀のナイフです。
巫女からお守り代わりに持たされたナイフを手に取り、ポールは英雄ロッドの下へにじり寄りました。
たとえ俺達が今勝てなくても、無限の魔力の供給を断つことさえできれば!
「うおおおおおっ!」
ポールは渾身の力を振り絞り、触手に絡め取られた丸太のような巨根を、一刀の元に切り落としたのです。
「ぎゃあああああっ!」
ナイフを振るったのが聖職者でなかったからか、激しい痛みが英雄を直撃しました。
しかし、誰も予想しなかったことですが、
この強烈な痛みが、永く霞のかかった騎士の精神に刺激を与え、
英雄の正気を呼び戻しました。
聖なるナイフは、また、サキュバスの魔力をも断ち切りました。
進行中の術を破られた反動で、今まで吸い取った英雄の精気が、彼の肉体へと戻り始めたのです。
萎びていた肢体は、まるで神々の彫像のように美しく鍛え上げられた体躯を取り戻し、
そこにはかつて人々が人体のたどり着く究極の美と讃えた勇者の姿がありました。
「こ、ここは…? 俺はいったい…」
「ロッド様!」
戸惑う勇者の前にナイフと彼自身の自慢の肉棒を握り締めた若者の姿が眼に入りました。
見れば若者にも、あるはずの男の器官が付いていません。
そして、周りにいる他の戦士たちにも。
ゆっくりと何が起こっているのか把握し始めた勇者は、憎き魔物の姿を見つけました。
急に弱まった自分の魔力に驚いていた女王は、
英雄ロッドが性器を切断され、呪縛から解放されてしまった事に気づき舌打ちします。
二人は目を合わせました。
「お目覚めのようだな。マゾ英雄。」
ロッドの脳裏に、正気を失っていた十年間の恥辱の日々が鮮明な記憶となって蘇ります。
彼は全身を怒りに赤く染め、吼えるような大音量で叫びました。
「このクソアマアアアァ!! ブッ殺ス!!」
彼は倒れている亡骸が握っていた剣を奪い取ると、女王に向かって飛び掛りました。
女王は鞭で応戦しますが、幾多の戦闘をくぐりぬけた経験と勘、そして高い身体能力で、
勇者はそれを難なく見切りかわすのでした。
汗に全身を赤く光らせた鬼神のごとき剣の使い手に、
まともにぶつかっては分が悪いと感じた女王は、再び彼の弱点を攻めることにしました。
魔力で長い触手を操り、ポールの抱える英雄の巨根を狙います。
触手はポールの腕ごとロッドの局部を縛りあげ、脈打つリズムで絞り上げました。
左腕の折れる音がポールの耳に届きました。
英雄もまた、何も付いていない股間を押さえてうずくまります。
「イデデデデッ!」
ロッドは振り返って、ポールに向けて持っていた剣を投げつけました。
恐ろしい勢いで飛んだ刃は、狙いたがわずポールを抑えていた触手を切り裂き、
そのまま壁に深く突き刺さります。
肉の壁がぶるりと震えて、ポールは足の方も自由になったことに気がつきました。
英雄はポールに向けて叫びます。
「オイ、そこのガキ! テメエそれ持って遠くへ逃げろ!」
頷いたポールは走ろうとしますが、それを女王が許すはずもありません。
上下左右から太い触手が掴みかかります。
左腕は使い物にならないので、右手一本で英雄の宝を守らなければいけないのです。
ポールは一瞬ためらいましたが、すぐに決断し、
英雄ロッドの宝剣を歯にくわえて、空いた手で聖なるナイフを持ち、触手を切り開きました。
全力を込めて銀の刃を振るうたびに英雄からも助言が飛びます。
「こら、噛むなバカ! イテエだろうが!」
「がまんひてくだはい!」
「わ、わかったからくわえたまま喋んな。舌が当たる。」
ロッドは撹乱の為に、隙を縫って壁や触手につかまっている若い戦士達を解放していきました。
女王も負けずと鞭を振るいました。
また一人背中の肉を抉られた戦士が悲鳴を上げて倒れます。
気を失った肉体は、床に飲み込まれて、たとえ意識がなくとも、強引な快感の果てに精気を吸われるのです。
女王は天井のシャンデリアを切り落としました。
落ちてきた蜀台に乗っていた蝋燭がナメクジのように形をかえて、戦士たちに飛びつきます。
「ぎゃあああ! 熱い! 熱いィィィィ!」
魔界の蝋燭は高温なのです。もだえ苦しむ戦士達。
地上で祈りを捧げる巫女達も、戦士達の断末魔の射精に次々と意識を失っていきます。
祈りの力の途絶えた戦士は悲惨でした。
肉体が熱に耐えられず、炎をあげて骨まで溶けてしまうのです。
大僧正様は、なんとか次の巫女に手渡そうとしていましたが、
気を失った巫女から引き抜いた途端に、燃え上がってしまいます。
一人の勇気ある巫女が、炎を吹き上げる聖剣を手に取り、自らの秘所に突き立てました。
ジュッと、愛液の蒸発する音がします。
「あああーっ!」
地獄の熱が巫女の体を内部から蝕み、可憐な膣を焼き焦がします。
それでも巫女は祈りの手を休めませんでした。
今この瞬間戦い続ける男達の為に、女達も戦っているのです。
大僧正様は、気を失った巫女の股間に口を寄せ、刺さった男性器を舌先で愛撫をくわえながら引き抜き、
そのまま別の巫女の膣へ導き入れました。
聖なる波動を途切れさせぬまま、次の巫女へ。
男に相手が代わったことを気づかせぬほどの滑らかな舌さばき。
これもまた、長き熟練のなせる聖なる御業なのでした。
ポールはもう少しで扉にたどり着くというところまで来ました。
しかしなんということでしょう。
入ってきた扉がどろどろと溶けるように形を失い、埋まっていくではありませんか。
彼らは完全に閉じ込められてしまったのです。
もはや女王を倒すより他にここから出る術はありません。
そして、英雄の弱点であるこのペニスも、この場から持ち出すことはできなくなってしまったのです。
ついに、行き場を失ったポールを触手が捕らえました。
英雄の性器もまた乱暴な刺激を与えられます。
ポールは、硬貨ほどの大きさになっている巨根の尿道に、ずるずると触手が入っていくのを目にしました。
「ぐああ!」
再び、ロッドが股間を押さえて倒れます。
そして、動きが止まったところに女王の鞭が飛ぶのです。
英雄の背中にX字の鞭痕が刻まれました。
再び、ある考えがポールの脳裏に浮かびました。
うまくいくかはわかりません。しかし、このままでは全滅してしまいます。
迷っている暇はありませんでした。
ポールは再びナイフをふるって触手を切り払い、
その伝説の宝剣をつかむと、自分の股間にあてがったのです。
再び聖なる光がポールを包みます。
ポールはその太い肉棒が自分の身体に繋がるのを感じました。
同時に圧倒的な重量感と共に、体中に新たな力が湧き上がるのを感じました。
それは自信と情熱と傲慢とを兼ね備えた、ヒーローのエネルギーでした。
「これが…伝説の…ロッドの暴れ馬!」
ポールは盛り上がる腕力で触手を引きちぎりました。
しかしそれもつかの間、
触手は急所への一点集中攻撃でポールを攻め立てます。
今まで自分の性器を切り離していたことで感じていなかった直接的なペニスへの摩擦に、
ポールは背骨をそらしてもだえ苦しみました。
サキュバスの魔力の前に、去勢していない男達が自分から脚を開くのも不思議はありません。
ポールも気を抜くと、自ら膝を抱え上げて、更なる快感をねだってしまいそうです。
「うあああっ…! あああああっ!」
そんなポールを英雄の一太刀が救いました。
「ロッド様…」
そう、ポールの狙いはこれでした。
彼の性器を自分の肉体に取り付ける事によって、英雄本人との間にあった感覚を切り離したのです。
ポールはサキュバスの魔力による攻撃を全て自分が引き受けるつもりでいたのでした。
そうすれば、英雄ロッドはもはや無敵、そう信じて。
ロッドは若者の犠牲的精神に複雑な感情を抱きながらも、目の前の敵を倒すためにそれを受け入れることにしました。
「お前それ俺のチンポコ…クソッ、後で返せよっ!」
これもまた戦士の絆なのです。
ロッドは素早く女王と決着をつけることにしました。
だらだらと時間をかけている間に、ポールがやられてしまっては困ります。
干からびてしまっては、自分のお宝を取り戻せなくなるかもしれません。
「死ね! このクソ女!」
鋭さを増した剣尖に、女王は徐々に追い詰められていきました。
後ろの穴を狙おうにも、英雄にはその隙がありません。
今やロッドは二本の剣を使い、女王の操る鞭と触手をなぎ払っていました。
肉弾戦では、我らが英雄の技量の方が勝っていたのです。
しかし、ポールにはあまり時間が残されていませんでした。
直接的な陰部への愛撫は、あまりにも強すぎたのです。
彼が発狂せずにいられるのは、地上からの巫女の祈りの効力に他ありません。
ポール自身の本来のペニスを体内に納め、一心に擦りあげる若き巫女の聖なる波動が、
かろうじて彼をこの世界につなぎとめているのです。
しかし、二本のペニスに同時に与えられる強烈な快感は、
ポールの心を二つに引き裂いてしまいそうなほどの衝撃で、彼の精神を揺さぶりました。
妖しくぬめるピンク色の汁と、清く輝く白い液が彼の周りで渦を巻き、
若き青年を快楽の海に溺れさせます。
二つの強力な力のぶつかり合いの間で、ポールは自分が消えてなくなっていきそうな気がしました。
「頑張って! 私の勇者様! 勇者様ァァッ!」
女王は、思いの外、若者の篭絡に時間がかかることにあせりを感じ始めました。
目の前の英雄の弱点としては使えなくなっても、まだ非常時のエネルギー源にはなると企んでいたからです。
しかし、尿道と肛門からの前立腺えぐり挟み撃ちにも、年端もいかぬ小僧が落ちないことに、女王はいらだちました。
強烈な快感にもだえながら、サオの内と外からの同時らせん絞りにも、
8ビートの高温タマひねりにも、亀頭の表面を狙った広域ローリングにも耐えているのです。
かつて英雄ロッドを一撃で陥落させた最強の技をも切り抜けられ、女王は歯を食いしばりました。
余裕をなくした女王は、単純な罠に引っかかるようになります。
…フェイント!
一瞬の隙を歴戦の英雄は見逃しませんでした。
「うらあっ!」
女王の心臓を鋼の刃が貫きました。
紫色の血が傷口から吹き上がります。女王は壁に縫いとめられました。
「オノレ…キサマッ…」
引きつった声を絞り出すサキュバスに英雄は言いました。
「でも実は気持ちいいんだろ?」
そしてもう一本の剣を魔物の股間に突き立てます。
これまで数々の男達の生殖器をくわえ入れ、その全てを絞りきって飲み込んできた、
まるでブラックホールのごときヴァギナに、
今、最後の剣が深々と突き刺さったのです。
「アアアーッンッ!」
せつなく喘ぐような鳴き声を最後に、サキュバスの女王は塵となって遂に消滅したのでした。
うごめいていた肉の壁も、全て煙のように消えていきます。
ポールの股間を攻めあげていた触手も、ボロボロと崩れ去ったのでした。
激しくぶつかり合っていた片方の力が急に消滅したため、
聖なる力がポールの中で爆発しました。
二本のペニスの両方から、洪水のように聖液が溢れ出します。
若き巫女と戦士は同時に叫び、恍惚の聖なる境地に達しました。
その聖なる波動は、国全体を覆いつくし、全ての人々の脳に、二人の感じた絶頂を伝えたのです。
国中の男がいっせいにそのズボンの中に精液を漏らし、
国中の女がいっせいにそのスカートの中で愛液を吹き上げました。
生まれたばかりの赤子でさえも、感じた性的興奮に、
その下帯の中で、小さな性器をひくつかせたのです。
こうして、彼らは、今この瞬間、巨大な悪が聖なる力によって滅び去ったことを知り、
偉大なる大聖神ファルス様に、感謝の祈りを捧げるのでした。
つづく
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投稿:2010.10.16更新:2010.10.16
去勢騎士団〜サキュバスの迷宮3
著者 自称清純派 様 / アクセス 13920 / ♥ 1