第5章 「ひとつの疑問」
お姉さんとの共同生活と「特別なおしおき」その後の「お風呂での特別なおしおき」に耐えるに耐えて、両親の帰国を前に、お正月が過ぎるとボクは完全なブルマになるために、再び施術を受けました。
ベッドで目覚めて、真っ先に自分の股間を確認すると、もうあの薄いピンク色をしたおぞましい切り株はなく、女の子の股間になっていました。
完全に女の子になってしまった自分の股間を見て、改めてもう男の子には戻れないんだと言う寂しさもあったけど、あの中途半端な50%ブルマから開放されたことで、正直なところホッとした気持ちもありました。
完全なブルマになってからは、オチンチンも切り株もなくなったこともあって、「特別なおしおき」、「お風呂での特別なおしおき」もなくなり、ボクに対するブルマ教育も仕上げの段階に入りました。この仕上げの段階も終わろうとしている2月半ば頃、お姉さんからのねぎらいの言葉をかけられました。
「ケイちゃん。これまでブルマのお教育よくがんばったわね。あと半月もすれば、あなたのパパとママが帰国するけど、そのときまでには完全に女の子になってご両親に再会しようね。これまで私の「特別なおしおき」にもよく耐えたわ。ご両親が帰ってきたら私との生活も終わりだけど、女の子として生活していくことで、何か質問がある?」
これまでの一年間、お姉さんから女の子としての作法、言葉遣い、仕草などを教えてもらっており、今はもうこれといって質問はなかったけど、どうしてもひとつ疑問に思うことがありました。
「女の子としてのことではないのですが・・・。」
「いいわよ。」
「実は、ボクが完全なブルマになるまでの、これまでのことですが・・・。」
ボクがブルマにさせられた理由は、先にブルマになった女の子たちをしょっちゅうからかっていたことでした。そのおしおきのために50%ブルマになる前に「特別なおしおき」としてオチンチンをたたかれたり、ペティコート罰をくらったことは今思えば自業自得です。しかし、50%ブルマにさせられてからの「お風呂での特別なおしおき」や50%ブルマそのものにどういう意味があったのか・・・。施術の約束の日より早いとはいえ、どっちみちブルマになるなら、中途半端な50%ブルマにされるより、一度で完全なブルマにしてほしかったこと。この疑問をお姉さんにぶつけました。
ボクの質問にお姉さんは優しく微笑んだ後、ゆっくりとした口調で答えてくれました。
「いい質問ね。確かに、ペティコート罰やオチンチンに「特別なおしおき」をしたことは、本当の男の子だったときにケイちゃんがブルマの子達に嫌がらせをしたことの罰よ。でもね、50%ブルマや「お風呂での特別なおしおき」には私なりの意味があったの。」
(・・・。)
「50%ブルマというのはね、ケイちゃんがそれまでブルマの子達に『お前たちのオチンチン見せてみろ』なんてまるでオチンチンが付いている自分のほうがブルマの子たちより偉いみたいな態度をとっていたということを聞いたもんで、あえて中途半端に施術をしてオチンチンのありがたみを分からせるために、あの先生にしてもらったの。罰ということもあって、はじめから完全なブルマにしてしまうより、あえて切り株を残したほうがよりオチンチンを切られたことをより実感できると思って。これは私の独断よ。これで、ブルマの子達がオチンチンを切られた時の気持ちがわかるだろうと・・・。」
「じゃあ、「お風呂での特別なおしおき」はなんですか?」
「あれは、まだ後半年もケイちゃんとの生活が後半年もあるんだから、せっかくだから少し楽しませてもらおうってね。」
「少し楽しむって・・・。」
「実は私ね。一度男の子を私の自由にしてみたかったの。せっかく男の子と1年間暮らせるんだから、しかもブルマになる子だというから、いくらおしおきのためとはいえ、男の子からいきなりブルマにしちゃうんじゃ面白くないし、男の子。中途半端な50%ブルマ。ブルマ。というようにその時、その時を楽しもうと。それに、50%ブルマのときは男の子と女の子がケイちゃんの中で混在していて見ものだったわ。」
「それじゃあ、50%ブルマのボクはお姉さんのオモチャってこと?」
「ごめんね。そうともいえるわね。でもいつも素直に私の言うことを聞いてくれたケイちゃんはペットみたいでとてもかわいかったわ。」
「なんでそんなことを・・・。お姉さんは女だからオチンチンを切られるボクの気持ちが分かっていないんだ・・・。」
ボクはお姉さんに思いっきり怒りをぶつけました。
「本当にごめんなさい。お詫びに本当のことをすべて言うわ。実は私には、これまでケイちゃんにも言っていなかった秘密があるの。」
「秘密!?」
「パパとママが帰ってきたらお別れだから、特別に教えてあげる。」
まるでお姉さんの「ペット」や「おもちゃ」にされたことで、悔しさと怒りがこみ上げて涙が出てきましたが、少し気になったのは、お姉さんの顔から最初の微笑みが消えて、悲しそうな表情になっていたことでした。
第6章 「お姉さんの秘密」
「実は、私もケイちゃんと同じブルマなの。」
「えっ!?」
耳を疑いました。だったらなぜボクにあんなことを・・・。
「私たちがブルマの第一期生なの。子供のときはケイちゃんのような活発な男の子だったんだけどね、私が小学6年生になった時、突然この国の方針で小学生の男の子に『ブルマ検査』が義務付けられたの。それまでこのまま普通に中学生になれると思っていたけど、あいにく私はブルマを宣告されてね。ちなみに、私より1つ年上の子達は中学生と言うことで、ブルマ検査は免除になったの。何で私はあと1年早く生まれなかったの・・・。って、そのときは自分の運命を呪ったわ。」
「私が通っていた学校でブルマを宣告された男の子たちは15人。オチンチンがなくなると言う恐怖で、施術室では私も含めて大泣きだったわ。施術台に寝かされたときに、思いっきり私は自分のオチンチンを勃起させたの。これには周りの先生方もびっくりしたわ。ここで思いっきり男の子を主張すれば結果が覆るかもしれない。オチンチンの切断用の施術器具に抵抗する意味も込めて、はちきれんばかりに勃起させたの。それに、そんな変な器具に大事なオチンチンを切りとられてたまるかってね。」
「・・・でも、ブルマ宣告の結果は覆らなかった。それにいくらオチンチンを勃起させて硬くしても、施術器具の鋭利な刃にオチンチンは勝てなかったわ。気が付くと、私はベッドの上にブルマーを穿かされて寝かされていたの。私の股間はペッタンコになっていて、それを見たら涙があふれてきたわ。怖くてそのときはブルマーの中を確認することはできなかった。隣のベッドの子は枕に顔をうずめて泣いていたわ。みんな自分たちが元男の子になってしまったことに、ほとんどの子が泣いていたわ。」
「施術が終わって1時間ぐらいしたら、休憩室から教育舎に移動になったの。このときブルマになって最初の試練が待っていたわ。そう、トイレ。みんな我先に男子トイレに駆け込んだの。そこにいた教育担当の先生の制止を振り切って・・・。何より、ついさっきまでの出来事が嘘であってほしい。自分がブルマになってしまったのは何かの間違いでこれは夢なんだと。そのときは無性に男の子に戻りたくなって、自分はこれからも男の子なんだということを確認したくて・・・。」
「私も含めてみんなトイレに入って、すぐに小便器に向かうとすぐ、自分のブルマーに手を入れて・・・。でももう、そこには男の子の大事な証は付いていなかった・・・。
信じがたい現実に、ブルマーの中を見たまま、そのまま立ちつくす子。『こんなのは嘘だ』と言ってブルマーの中に手を突っ込んで、泣きながらもう付いていないオチンチンを必死で探す子。中にはブルマーを膝まで下げて、爪先立ちで小便器に張り付くような格好で、無理やりオシッコをしようとした子もいたわ。みんな自分がブルマにされたことを否定しようとしたの。私だって自分のオチンチンがなくなっちゃったなんて思いたくなかったし、まだ自分は男の子だと言い聞かせて、立ちオシッコに挑戦したわ。・・・当然よね。これまで普通に立ちオシッコをしていたのに、いきなりもうできなくなりましたなんて信じられないし・・・。そのときは施術直後で女の子になった実感すらなくて、いくらブルマになっても自分はこれからも男の子でいるんだという気持ちのほうが強かったしね。
しかしブルマになっての立ちオシッコは、私たち元男の子には残酷な結果だったわ。誰一人、小便器に向かって立ちオシッコを成功できた子はいなかったの。結果的にみんなオシッコで下半身をビチャビチャに濡らしてね。もう二度と立ちオシッコはできなくなったという、受け入れがたい現実にみんな声を上げて泣いたわ。」
「それに、小学6年生ともなると早い子は異性に興味を示す年頃よね。でも、自分たちが突然その異性になってしまったんだから、ブルマになった直後は、心と体がチグハグでね。ある日、教育舎の職員室のゴミ箱に捨ててあったエッチ本を見つけたときはそれこそ興奮したわ。こっそり部屋に持ち帰って、罪悪感もそこそこにページを開いたの。女の人の大胆な写真を見るたびにムラムラしてきて・・・。ついうっかり手が自分の股間に伸びてしまったの。そこで現実に戻されたわ。しごきたくてもしごくものがない。でもなぜか股間にはオチンチンが勃起している感覚はあるのよ。もしかしたら、今穿いているブルマーの奥から新しいオチンチンが生えてきて、そのオチンチンが男の子を主張するため、必死にブルマーの中から、テント状に押しあげようとしているんじゃないかという気持ちになったわ。」
「私は耐え切れなくなってすぐにブルマーを脱ぎ捨てたの。しかし、そこにはオチンチンは生えてきてはいなかった。それでも、オチンチンを突き立てて、しごきたいという気持ちが次々に襲ってきてね。でもどうやっても、もうオチンチンがないからしごきたくてもしごくことはできない。むなしさと悔しさのあまり涙が出てきたの。そのときはブルマになった直後だから、まだオチンチンのある感覚が残っていたみたいだと自分で自分をごまかしていたけど、この幻のオチンチンは、大人になってもしばらくは消えることがなかった。その都度、発散できないムラムラ感に苦しめられたの。」
「悔しいのはそれだけじゃなかったわ。ここわずか数年でブルマ施術の技術も当時とは比べ物にならないほど進化して、ブルマになってしばらくすれば、幻のオチンチンの感覚がでることはないわ。特に不具合がなければ施術のあと、年数回の検査の時以外は、もう体を特に探られることはないけど、私たちのときは第一期生ですべてが手探りだったから、施術後も予定されていたように女性器が形成されているかどうかブルマの第二期生が誕生する一年後まで、一週間ごとにお医者さんに調べられたの。オチンチンを切られてブルマになったことそのものが辛かったのに、何でオチンチンを切られた股間を検査だからといって、その都度その都度お医者さんに晒さなければならないのかってね。こんなことが続くうちに私は男の子に戻りたい気持ちが日に日に強くなっていったわ。」
「どうしても男の子をあきらめきれない私は、夜中、宿舎をこっそり抜け出して、誰も来ない建物の影で何回も立ちオシッコの練習をしたの。今思えば無駄な努力よね。でも、そのときは何回も練習していれば、また男の子のときのようにできるようになる。立ちオシッコができるようになればブルマ施術をした先生たちに認められて、再施術でオチンチンを再びお股に付けてもらえる。男の子に戻れると勝手にそう思って練習したの。でも、いくらやっても立ちオシッコはできるようにはならなかった。そればかりじゃなく、このこっそりの行動が教育担当の先生にバレて、こっぴどく叱られたわ。おかげで私だけ、毎日居残りでブルマとしての特別講習を受ける羽目になったの。このときに悟ったわ。もう私は男の子には戻れないってね。」
「でもね、教育舎では、先生方はとても優しかった。体だけじゃなく心も男の子から女の子になるための手ほどきを丁寧に教えてくれたわ。女の子としての振る舞いから、お化粧の方法、ブラなどの女の子特有のランジェリーの付け方など、ブルマになってからの不安などの悩みもよく聞いてくれた・・・。このときばかりはオチンチンを切られたショックも薄れて、これから私たちがブルマとして新しい時代を作るんだ。私たちは選ばれてブルマになったんだ。って希望さえ抱いていたわ。しかし、それは教育舎の中だけだったの。」
「教育舎での教育期間が終わると、私たちはまたもとの学校に戻ったの。しかし、ここからが地獄だった。ついこの前まで男の子だった子が女の子になって戻ってきたものだから、それこそ大変な騒ぎになったの。『おい、何でお前男のくせにブルマー穿いるんだ』とか、『みんなの前で立ちションしてみろ』とか、中にはいじわるな男の子たちに囲まれて『チンポ切られた痕見せてみろ』と言われてブルマを下げられた子もいたの。まるでブルマーを穿いていることが「私たちはオチンチンを切られた男の子です」と主張させられているような扱いを受けて。私も嫌なことは何回も言われて、悔しくって男子につかみかかったこともあったわ。無謀よね。男子とブルマじゃ腕力は違いすぎるしね。かなわなくて思いっきり泣き崩れたわ・・・。」
「私たちは一期生だから、当然、まだブルマになった子が少なくて、あちこちで私たちのようなブルマが苛められることが続出したの。さすがにこれには国も黙っていられなくなったみたいで、それから数年して法が改正され、ブルマをいじめた子達も罰としてブルマにされるようになったの。しかし、もうその頃私たちは高校生。新法はこれからブルマ検査を受ける子達に適用になったものだから、私たちブルマをいじめた男子たちにはお咎めなし。理不尽よね。」
「それから私は猛勉強して、ブルマ検査医師を目指したの。ブルマを馬鹿にする子は許せない。必ずその子たちのオチンチンを私の手で切りとってあげるってね。念願かなってブルマ検査医師になって、そんな時ケイちゃんに出会ったの。私の希望がかなう時が来たってね。はじめは、ブルマを馬鹿にした子だというから、施術のときに、思いっきり痛い思いをさせてオチンチンを切ってあげようと思ったのだけど、かわいいケイちゃんを見ていたらそれもできなくなっちゃってね。でも、罰としてブルマになる子に課せられる「特別なおしおき」をケイちゃんにしているうちに、私の心に魔がさしたの。始めに言ったように、どうせ1年間私と暮らすのだから、この1年間かわいいあなたをこの私の自由にしてみようと・・・。本当にごめんなさい。」
「でも、ケイちゃんあなたは幸せよ。ブルマに対してすべてが手探りだった私たち一期生とは違って、今の社会はブルマが普通にいて、ブルマの受け入れ態勢もしっかりできているから、ブルマになったからと言って苛められることはまずないわ・・・。立派なブルマになるのよ。」
お姉さんもブルマだということを聞かされて驚き、少しショックでした。はじめはペットやオモチャにさせられたことに怒りがこみ上げていたけど、お姉さんのブルマ一期生としての辛さや苦労を考えると、もう怒る気にはなりませんでした。それにこの一年間ボクをブルマとして教育してくれたのもこの人だから・・・。
第7章「その後」
半月後、ボクの両親は予定どうり帰国すると、お姉さんはまた元の職場に戻っていきました。最後の一ヶ月間だけは春から通う中学の近くの小学校に名前は「西山ケイゴ」のまま、女の子として編入しました。
ブルマになって、初めて登校する日はとても不安だったけど、編入した学校にもブルマの子がいたので、独りだけ浮いてしまうことはありませんでした。 でも、男の子だったときに今の自分と同じブルマの子を平気でからかっていたことを思い出すと、今はとても申し訳なく、そして恥ずかしい気持ちになりました。
その小学校の卒業日の午後に届いた中学校の制服の名札には「西山ケイコ」と刺繍されていました。「ケイゴ」から「ケイコ」に「〃」がとれただけで、名前だけはすっかり女の子らしくなりました。
小学校と「ケイゴ」の2つを卒業して、あとひとつ卒業するものがあります。それは、中学校の入学式までに「ボク」を卒業して「ワタシ」と言えるようになりたいです。
おしまい
前編はこちら
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投稿:2012.05.28更新:2012.05.28
「お姉さんとの生活」後編 お姉さんの秘密
著者 やかん 様 / アクセス 16600 / ♥ 3